銀時が一橋派を吹き飛ばす。それを見た他の一橋派が困惑する。
「な、何だ!何事だ!!」
「悪いが、本物の死神は一刀で介錯なんざしねぇぞ。てめぇらにゃきったねぇ棒っきれがお似合いだ。楽に死ねると思うなよ」
「旦那、あんた俺たちにもやつらにも渡さないつもりですかぃ?あいつもあんたの首も」
「俺の首が繋がってんのはバカな首切り役人のおかげだ。ならこの首をくれてやるのもあいつと同じバカな首切り役人がいい」
銀時は一橋派の人間の剣劇を防ぎ、なぎ倒す。
「朝右衛門!おめぇの親父を死なせちまったのはお前じゃねぇ。夜右衛門と俺だ!
それでもまだ剣を抜かねぇのか!斬らなきゃいけない罪を前にしてもてめぇ自身に刃を向け続けるのか!」
眼前の敵をその剣で切り伏せる。それが守るべき公儀処刑人の矜持じゃないのかと言われ、父 先代夜右衛門の遺した『人を人に還すことができるのは人の首を斬る鬼ではない。荷との魂を奪い死神でもない。人の罪を斬りその魂を救う人だけだ』という言葉を思い出し、銀時の周辺にいる人間の刀を切断する。
「自分の首を餌にして人を焚きつけようなんて、バカな人。
あなたが何の罪を犯した悪党かは知りません。でもあの人が……」
「朝右衛門!!」
朝右衛門が『なぜ助けたのか少しだけわかった気がする』と続けようとした次の瞬間、上から二人を奇襲する。一橋派。しかしその奇襲は失敗に終わった。
「…………」
あの"黒い銀平"が彼らを斬り捨てたからだ。
「な、何者だ貴様!」
「……さあね。俺は何者でもない」
「て、てめぇは……」
「
この"零"というのは銀平を指す。零という呼び名も黒い銀平に名がないのも、この二つの存在はこのままでは一つの人として成立しないことを意味する。
態勢を建て直した銀時は一橋派の排除、朝右衛門は夜右衛門の捜索を行う。
「朝夜衛門、残念です。よもやお前も先代と同じ過ちを犯そうとは……池田家を共に光と影から守ろうと約束したのに、裏切者になっちゃいましたか」
「裏切ったのはあなたのほうです 公儀処刑人池田夜右衛門。その名をこれ以上汚すことは私が許さない!」
「お前も先代と同じ道をたどるのですか?罪人の命を救うため己の役目を捨てて……」
「私たちの役目……護るべき法とは人が人であることを護るためのものです。あの人は罪なき者を救いその法を護り通した立派な公儀処刑人です。裁かれるべきはそれをお家を護るためと称し謀殺した私たち。夜右衛門……私と共にここで死んでもらいます」
「相打ち覚悟ですか。己の身命を賭した一刀ならばこの十八代目夜右衛門の首に届くと。それまでしてもあの男が残していったつまらぬものを護り通すと」
朝右衛門が夜右衛門との距離を詰めるため駆ける。
「遅い。私の剣はもうとっくに届いてますよ」
夜右衛門が一瞬のうちに橋を切り崩し朝右衛門を転落させる。
「お前の首に」
切り崩された残骸を足場にし橋に再び足を下ろす朝右衛門だったが、再び夜右衛門の剣劇のせいで転落はしなかったものの左足を斬られ、片手でぶら下がる態勢になってしまう。
回避行動のできない彼女に夜右衛門が一閃が――