鴉か夜叉か   作:鮭愊毘

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ヅラのアフロと地のアフロ

「とぼけるな斎藤殿!キミは外国人なんかじゃないくたばれ副長!」

 

「外国人じゃないならくたばれ付けなくてもよくね?!」

 

「この男は内偵という立場を利用し自分に害あるものを粛清と称して排除していたんですよ崖から落ちながら服脱げてそれを上から撮られて恥かきながらくたばっていけ副長!!」

 

「わかった。全員処刑でいいな」

 

「かくいう私がそうだ!見ただろう。入隊時に襲われたところを!」

 

「確かに、いきなり襲い掛かってたな。……そうなのか?終」

 

終は柱を睨みつける。

 

「その通り。私の役目は裏切者を粛清すること。だから潜り込んだネズミを逃すわけにはいかない。そうでしょう?桂小太郎さん」

 

「か、かつら!?……って」

 

近藤たち三人は被っているアフロを取る。

 

「俺たちカツラなんだけど?」

 

「そうじゃねーよ!」

 

「その男は真選組を内部から破壊するため潜入した攘夷志士の桂小太郎です」

 

「終兄さん……

 

 

桂←これが『かつら』

 

柱←こっちが『はしら』

 

 

レッツ十文字ずつ書き取りしてクダサーイ」

 

総悟の指摘を受けた終はイライラした様子になり、ある書物を取り出す。

 

「いい加減にしてください。私は魑魅魍魎や跋扈の読み、にやける、微妙の本来の意味も知っているぐらい日本語はマスターしています。というか最近の若者はにやけるとかホントに意味わかってんの?って感じで……失礼。三度目になりますが、その男は柱でも阿腐郎でもアフロでもない。ストレートロングの桂小太郎。そして私は無罪です」

 

「こんな言い方したくないが終、『自分は無実だ』なんて誰でも言えるぞ。証拠は?」

 

「ここに。内偵日記帳が証拠です」

 

終は日記帳の一部を読み始める。

 

「〇月×日。夜半に食堂で物音がするので見に行ってみたZ

最近冷蔵庫の食品が紛失する事件が多発している。粛清対象だZ

 

 

 

 

 

 

 

 

……なにも見なかったZ」

 

「何があったァァ!!絶対何か見たよね!見てたけど逃してたよね!!」

 

近藤が叫ぶ中、土方の顔がみるみるうちに暗くなる。

 

「お、おい、もうその辺でいいだろ。お前が悪いことしてないのはよくわかった」

 

「悪いことしてんだろ何かを見て見ぬふりしただろ!!」

 

二人が騒ぐ中、終は日記を読む。

 

「〇月✖日 食堂で物音がするZ。それとどうでもいいけど最近副長が下痢を垂れ流し続ける事件が多発してるZ」

 

「今さりげなくどうでもいいって言ったぞ!黒い!意外と黒いぞ終!」

 

「新しいマヨネーズに変えて置くべきだったZ

 

 

 

 

 

 

 

 

……何も見なかったZ」

 

「だから何があったァァァァ!!」

 

「終兄さんあんたは無実です」

 

「おめぇは無実じゃねえだろ!」

 

 

「マル月バツ日 食堂で物音がするZ。最近こればっかのような気がしなくもない。食堂を除くと、局長が全裸で料理をしていたZ。翌日食堂のメニューに妙な切れ込みが入ったこんにゃくが出ていたZ。でもみんなおいしそうに食べていたZ」

 

「詮議のほどを言い渡す。斎藤終 無罪。これにて閉廷……」

 

 

「「「「じゃねぇだろォォォ!!」」」」

 

隊士たちが騒ぎだす。

 

「こんにゃくに何した局長~!まさか!」

 

「みんな聞いてくれ!」

 

「「「!」」」

 

「この事態こそが斎藤の悪行の証拠!隊内を調査する名目で隊士たちの弱みを握り、こうして幹部さえ操っていたのだ!

局長!この裏切者の粛清を命じてください!」

 

「落ち着け柱さん!終は裏切り者と決まったわけじゃ……」

 

すると、土方が終に二本の刀を投げ渡す。

 

「だったら向こうにも命じてやればいい。裏切り者を粛清しろと。ここにいるのは剣に生き剣に死ぬ覚悟のある者たちだ。言いたいことがあるなら剣で語れ。それが……真選組ってもんだろ」

 

「面白い。あの時の決着ここでつけようではないか」

 

柱が刀を振る。終はそれを防ぐ。しかし反撃せずに柱の連撃を耐え続ける。

 

ーーーー

 

「おい、喋れ全蔵」

 

「へ?」

 

「何か喋んないとあいつずっとこのままだぞ。『喋ったセリフにあわせて動け』って約束まだ守ってるんだよ多分」

 

「それで何も抵抗しなかったの!?」

 

ーーーー

 

「……かかったな柱」

 

「何ッ!?」

 

突然の終の発言とその内容に驚く柱。なんと彼は終を攻撃することに集中しすぎて逃げ場がほとんどない場所まで追いつめられていたのだ。

 

「何かと思えば。そんなこと、貴様も同じではないか」

 

「……おいつめられたのはてめぇの方だ!食らえ!アフ狼流奥義・Z斬り!!」

 

「……」

 

「……」

 

刀を構える終だったが、何もせずに固まっている。Z斬りが何かわかっていないようだ。

 

「……じゃなくて、Z解!!」

 

無理のある修正をする終(全蔵)。

 

「Z解とは、この世の色々なものから解脱したZの境地なのだ!」

 

そのまま眠りにつきふらつく終。それを深読みした柱が困惑する。

 

「眠っているように見えてあらゆる攻めを飲み込む虚ろの構えだと!?隙がない!

 

……いや、俺もZ解すれば隙が見えるかもしれない!そうと決まれば!」

 

柱も布団を持ってきて眠りにつく。立ち寝する終と布団で眠る柱。はたから見ればただの変人。

 

「う~ん……ダメだ寝苦しい……」

 

寝苦しさに耐えきれずアフロをとり特徴的なロングヘアーが露出する。

 

「うんこれならZの境地に行けそうだ。いいZ見れそうだ」

 

「そうかいそうかい」

 

ようやく柱が桂だと気づいた土方たちは桂に刀を向ける。

 

「そのまま永遠にZ解すればいい」

 

「「「「ヅラ」」」」

 

「……」

 

が、次の瞬間、謎の爆発が起き、桂は屯所の屋根に飛び移っていた。

 

「見事だ斎藤!よく俺の正体がわかったな!だがもう遅い。貴様らがこうしている間にエリザベスによって爆弾を仕込ませてもらった!このスイッチ一つで屯所は……」

 

桂が起爆スイッチを押そうとした瞬間、終が飛び出し彼を攻撃する。

 

「終!爆弾の処理は任せろ!お前は奴を、裏切者を追え!三番隊隊長はお前だ!!」

 

終は逃走した桂を追いかける。もう戦場から逃げないことを決めた彼の猛攻は、あの桂と互角のものだった。

 

さらに両者はすれ違う直前に一閃。終は腿を斬られてしまった。

 

「その足ではもう俺は追えまい。だが……」

 

桂はスイッチを押そうとするが、終に切断され使い物にならなくなっていた。

 

「これでは俺の計画もご破算だ。また引き分けか」

 

終の携帯に着信が入る。

 

「おい終、どうやら桂による起爆は阻止できたようだな。だが特大の時限爆弾が動いている。A~Zの配線がありどれを切っていいかわからない。奴を捕まえて聞き出せ」

 

「Z以外の配線を切れ」

 

「!」

 

「Zを斬るのは俺の役目だ。お前というZは俺がこの手で必ず斬る。さらばだ!」

 

桂がその場から立ち去る。

 

「おい終、時間がない早くしろ!AからZどれを切ればいい?」

 

銀平たちのサポートがなくなった終は慌て始める。ZはともかくZ以外をどう説明すればいい?と。彼がたどり着いた答えは、

 

「Z~」

 

Z解することだった。

 

「よし!Z斬り!!」

 

すると爆音が響き通話が途絶える。

 

爆発によりカツラのアフロから本物のアフロになってしまった屯所の隊士たち。そして全蔵は給料をもらってウハウハだったとさ。

 

 

 

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