あぁ眩しい。今日も太陽の光で目が覚める…
朝日がゆっくりと溢れ私の顔につたる…。
私はゆっくりと体を起こす。
心地好い微睡み(まどろみ)がゆっくりと醒めてゆく。
何だか惜しい気がする。
さてと… …
… … … … … …。
… … … あれ?
私は昨日何してたんだっけ?
頭を捻るが、記憶がはっきりとしない。
「あら起きたの?晄?」
文が私に気付いた様だ。
さてと、ここでちょっと疑問を。
私は昨日の事を簡単に聞いてみた。
「あれ…文?昨日私何してたっけ?」
「えぇー…覚えて無いの?」
文が非常に呆れた顔をしながら私を睨んだ。
え?何?何か凄かったの?
飯綱様が何か上機嫌で訳がわからなくて、で何故か宴会が始まって…
始まって… … … …。
それ以上は靄(もや)がかかったようになっていて、上手く思い出せない。
うぅむ。やっぱり覚えていないのであった。
「飯綱様が宴会を始めた所からかな」
「いやはや…凄かったわよ昨日の宴会…」
文がやはり呆れながら話す。
「そうなの?」
「いや、晄が中心だったんだけど…」
「うぇえぇっ!?」
信じられない真実が私に突き刺さった!
わ…私が中心?そげな馬鹿なこっつぁあるはずなかばい…
だって私はそこまでお酒は呑まないし、
宴会芸たってたかが知れていましてだね…。
「おだてられて調子に乗った晄が皆と飲み比べを始めて…」
「!?」
「で、完全に泥酔した晄が歌を歌い始めてね」
「え!?歌を!?」
「で、それに合わせて飯綱様が踊り始めて」
「あ、見ておきたかったなソレ」
文がやれやれと言った感じで話す。
さっきからずぅっとこんな感じで話すので少し気になる。
それにしても中々面白い事になってたみたいね。
私が中心って言うのが色々考えにくいけど。
覚えてないのが残念過ぎるわ~。
…多分、酒に強い文は最後まで理性があったっぽいわね…。
顔が、目が、疲れてるわ…。
「その後は、もう山全体で歌ったり踊ったり呑んだり…
そりゃあ凄かったわよ?普段呑まない奴まで泥酔して顔が真っ赤なのよ?」
「本当?それは凄かったのね~」
「えぇ、片付けが全く終わりゃしない位、ね」
え…。
「………」
「………」
く…口を閉ざしざるを得ないって!
顔がどんどこ青くなって行くのがよくわかりますよ、ハハ。
…ヤバイ、この烏天狗…私を殺す気だ。
周りは空の酒と泥酔した天狗の地獄絵図。
…ついでに誰が出したのか知りたくもない嘔吐物も。
こ、これはヤバイわ。
全てあなたがやるのよ?的寒気が。
全てあなたが責任負うのよ?的殺気が…。
「後は全部晄がやるのよね?」
「え…いや…その…」
「宴会の主犯だものね?」
「いや…だから…その…」
「片 付 け る の よ ね … !?」
「かっ…」
「かっ…過労死は御免よ~!!!」
山から全速力で飛び出した!
後ろをみたら…死ぬ!殺られる!葬られる!
□□□
それからしばらく飛んで、文の追尾を振りきった。
文には悪いけど逃げさせてもらうわ。本当に悪いけど。
あれを全て私がやるとしたら…
… … …きっと私、もう陽の光を拝めないわね。
って……あら?
「ここ…人里じゃん?」
ふと周りを見回すとそこはあきひとがいた王都の近くの空だった。
■■■
う~…ん
昨日はよく眠れた。新しい友達も出来たし昨日はいい日だった…。
元気良く跳ね起きて、服を僕(あきひと)は着た。
昨日僕の中で渦巻いていた感情が嘘みたいだ。
「あきひと様!朝食の時間でございます。どうぞ広間へ」
「今行くよ!」
さて朝食の時間だ。今日も頑張ろう!
広間に向かい僕は走り出した!
「では、いただきます」
「いただきます!」
「おや、今日は元気でございますな」
爺やが笑みを持ちつつ聞いてきた。
やっぱり分かるのかな?
「うん!昨日良い事があったんだ!」
「ほぉ…それは一体?」
「僕に友達ができたんだ!」
「何と!…それはそれは…本当によござんしたねぇ…!」
爺やが涙を流して喜んでくれた。
な…泣くほどのことかなぁ…?
でも爺やはいつも僕の親身になって喜んでくれる。…嬉しいな。
やっぱり今日は暖かい日になりそうだ。
「で、その友達と言うのは…?」
「えぇっとね…!」
「長い黒髪のおなご…と?」
「うん!」
「むむぅ?確か昨日はその様なお方は見ていないような…」
あ "。
「え、えぇ~っとね…」
「ふむふむ…その者に会ったならば是非是非
歓迎してあげたかったのですが…」
「…! そうだね!」
いつか晄と一緒に城で遊びたいな。
「おっとすっかり箸を置いておった!
ささ!せっかくのお食事、美味しくいただきましょうぞ!」
「うん!」
「さて、「「ごちそうさまでした」」
御飯を食べ終わる。少しお腹が落ち着いた。
「ではあきひと様、政(まつりごと)の勉強の時間でございますので
私は先に行って準備をしております。
あきひと様もお早めに来てくだされ」
「わかった!」
爺やはゆっくりと席を立ち、扉の向こうへ消えて行った。
さて、じゃあ準備をしてすぐに行こう!
僕もゆっくりと席を立った。
■■■
あきひとのいた城の上。
屋根を烏姿で歩きつつあきひとの部屋を探していた。
さてと、昨日あきひとが居た部屋は確かこの辺だったかしら?
今日はまだあまり人が外に出てないみたいね。そこらから話声がするわ。
そういえば、今日は泣いていないかしら?
…まぁ泣いていたら慰めるとしましょうかね。フェッフェッフェッ…。
そんな事を考えつつ私は部屋に近づいく。
「天皇を降りた者は上皇になります。
さて、ここらで一休みいたしましょうか。
続きはまた午後にしましょう」
「うん!」
「ほっほ…では私はしばらく空けますぞ」
どうやら今終わったらしいわね。早速突入しますか!
「おはよう!あきひと!」
窓からこんにちは…いやおはよう!
「うわぁっ!?あ…晄!?」
あきひとが持った筆を投げ出した。
幸い、筆は床に落ちた。
「そこまで驚くとは思わなかったわ…」
「あーえっと…ちょっと今勉強が終わった所だから気が付かなかったんだ」
「へぇ、勉強?どんな勉強なのかしら?どれどれ…」
あきひとの手元にあった書を持って見てみた。
ふーん…色々書かれているわね。
これは…人間の政治の勉強って所かしら?
興味深いわね~。一つ持っていけないかしら?
「そう言えば晄はいつ来たの?」
「今!この時!この時間!」
本当はちょっと前に来たんだけどちょっと前なら今でしょ!
「そうなんだ。
それにしても前も思ったけど一体どうやってここに来たの?」
「空を飛んで来たわ」
「ええっ!?晄は空を飛べるの…!?」
あっけらかんとした顔をするあきひと。
そうか人間は空を飛べないんだったわよね。
フフ…これは驚くわね!
「じゃあ飛ぶ?」
「僕も飛べるの!?」
何気なしに聞くと凄い食いついた。
フフ、素直でよろしい。
「えぇ私に掴まったら飛べるわよ!」
「飛びたい!飛びたい!僕も空を飛びたいよ!晄!」
あきひとの眼(まなこ)がなまら輝いていた。
いやぁでら凄いはしゃぎようね!フフ私もワクワクして来たわ!
「じゃあ飛ぶわよ?肩に乗って!」
「うん!」
小さな足が私の肩に掛かる。
「「じゃあいざ空の旅へ…出発!!」」
「あきひと様~…おや?
どちらへおいでになったのだろう…?
ふむ…しかし賢いあきひと様よ、午後までにはかえってくるだろうて
…………多分」
続く