特に進展もしない回。
これから…
ふと目が覚めると、月はもうなく、太陽が私達を覗いていた。
…夢か!?私は、身の回りをよーく見回すと
よくわからない地酒、薬箱、小石の布団を被る妹紅。
…昨日の事は現実だったのだろうか?激闘の後の清々しい朝。
余りにも差があった。私はふと昨日を想起してみた。
…鬼の四天王と戦ったんだっけ?
結果はボロボロズタズタの体で…はっ!妹紅は…!
私は駆け寄って見てみるも、
傷一つ無くスヤスヤ眠る妹紅を見て安心した。
…良かった。
…さて、朝食の準備しておかないとね。
『何をすべきなのか?何が出来るのか?考えてみな』
鬼の言葉が、頭の中に深く入り込んでいた。
…あきひとに会う。
だから、私達は京都へ行くため飯を食べる。
いいじゃない、それで。
私は山へ食べ物を探しにいこうとしたが、
とりあえず傷は治しておくことにした。
ブハッ!薬草苦ェッ!!塗り薬がキキマスワー!
ギャー!傷口ニシミルー!
その後、妹紅の傷っぽいものもとりあえず治療しておいた。
…傷がこんなに早く完治しちゃうって凄いなぁ。
□□□
あらかた、食べ物は集めもとの場所に戻って行くと
妹紅が目を覚ましていた。
「…この薬、飲まなきゃ駄目かなぁ」
…ぷフッ。
胃調整用の薬をまじまじと見ながら妹紅は憂いをかもし出していた。
「お腹、痛いの?」
「ん?あぁこれ、晄が用意したんでしょ?
傷薬っぽいからちょっと飲んでおいた方が良いかな…って」
再び、妹紅を見ると、外傷は見事完全に消えていた。
たまのような肌を完璧に取り戻していた。
って言うかそれ胃薬だし要らないと思う。
「要らないと思うわよ?大体それ胃薬だし…」
「えっ!こ、これ胃薬!?
じ、じゃあいいわ。別にお腹痛くないし…」
慌てる妹紅を見てほくそ笑む私。
昨日の今日だからこんなに笑えるのかもしれない。
…この薬箱、山の薬箱だ。私は薬箱とか持ってないし。
昔っから何かと薬箱と縁が多い私が言うのだ、間違いない。
…つまり、山の誰かがここに来た、と言うことになる。
と言っても大体目星はつく。
山を自由に出入り出来る天狗なんて文と飯綱様だけじゃん?
…ありがとう。こんな不甲斐ない私の為に、さ。
「さ、食べよ。そろそろこの山も越えないとね」
「…昨日はごめんなさい」
「昨日?」
「夕食、私が持って来るって言ったでしょ?
でも、持ってこられなかったからさ…」
「いや良いわよ、良いわよ。それどころじゃなかったし…」
…あの鬼とは、またいつか会うのだろうか?
次に会う時私は…強くなって…。
ぎったんばったんに復讐…
うん、無いな。
でも…。私は地面に刺さった地酒を見た。
正々堂々戦って、一緒に呑みたいかもね。
私は魚を思いきり頬張りながら、地酒を見た。
□□□
「じゃあ、行きましょうか」
私達は朝食を食べ終わり、山をたつことにした。
なるべく早い方が良いし。しかしそこで妹紅が待ったをかける。
「…随分、今日は静かね?」
「え?私の事?」
「昨日の事、忘れたの?」
「昨日…ね」
忘れたくても忘れられない。
私の愚かさをむざむざと見せつけられた昨日を。
「…もちろん忘れてなんかいないわ」
「あの鬼が…憎くは無いの?私は…嫌な記憶だったわ」
妹紅は憎々しげに言い放った。
…私は、憎いのかな?わからない。
その憎しみは自分で起こされた事だから。
鬼は、結局私達にも、人間にも何もしなかった。
昨日の契約の話なら…妹紅はもういなかっただろう。
ただ、自分の空回りが起こした事だった。
恐怖と焦りが引き起こした愚かな事件だったのだ。
「ねぇ」
「…何?」
「昨日の事件ってさ…全部原因は私なのよ」
妹紅は信じられない、と言う顔をした後、疑いの顔になった。
と、その後すぐに悲しい顔になった。喜怒哀楽がよくわかった瞬間です。
「………
何言ってるのよ!私が攻撃したからじゃない!」
「…そうだっけ?」
「そうよ!怒るなら小鬼か私よ?」
自分自身を指差し豪語する妹紅。
プッ
「アハハハハハハハハッ!!」
「ちょ…何がおかしいのよ!」
「いや、ごめん。罪の被り合いになるなんてさ。
…妹紅ありがとうね。私は、どう怒られたって仕方ないのよ?」
「それなら私だってそうよ。
…私だって…怒られても仕方ないわ」
…『復讐』かな。
妹紅の顔が一気に曇る。
「さて謝り合戦もすんだところでもう行きましょ。
私達はまず、京都に行くのよ」
「…そう、じゃあ行きましょう」
…私はどうしたらいいのだろう?何が出来るだろう?
私は…未熟なんだから、力や知識をつけないといけない。
そして世界を巡って人間を、妖怪をもっと知るのよ!
続く