あんさんぶるガールズ‼~転校生と少女たちの日常~   作:ファントムベース

1 / 11
気休めの目的で書きましたので、ご気軽に見てください。


本編
第1話「2-A」


春が過ぎ、夏が近づいているその日の朝。

町の小高い丘にたつ『私立君咲学院』は、通う女の子たちの話し声で相変わらず賑わっていた。

 

そんな中、2-A教室で机に突っ伏している1人の男子の姿があった。彼の名は『黒崎裕也』、この学院唯一の男子だ。

というのも、君咲学院は去年まで伝統ある女子校だったが、時代の流れを受けて男女共学校になることとなった。その試験として転入してきたのが、彼という訳である。

 

 

「はあーぁ…」

 

「どうしたのユーくん。溜め息ついちゃって」

 

「なんか悩みでもあんの?よければ相談にのるわよ」

 

 

重い溜め息をつく彼に、幼馴染の『三波なつみ』とクラス委員長の『堀田さあや』が声をかけてきた。

 

 

「なつみに委員長…。いや、よくこの2ヶ月過ごしてこれたなって…」

 

「え?」

 

「どういうことよ」

 

 

なつみとさあやは顔を見合わせた後、裕也に訊ねる。

 

 

「だって女子の中に男子俺1人だぜ?ライオンの檻にウサギが放り込まれたような状況で、よくもったなと思っただけさ」

 

「あ、あはは…そ、そうだよね」

 

「その2ヶ月の間に生徒会長再選挙や帰宅部争奪戦とか、いろんな行事に参加しているんだからあんたはよくやった方よ」

 

「…そう言ってくれると気が楽になるよ」

 

 

そんなことを話していると、『春風なな』がさあやの背中に飛びかかってきた。

 

 

「あれ―っ!3人だけで何の話をしているんですかー、あたしも混ぜてくださいよーっ‼」

 

「あら春風、別にあんたには関係のない話よ」

 

「えー私だけ仲間はずれですか――っ!教えてくださいよーっ‼」

 

 

素っ気なく答えるさあや、子供のように彼女へ抱きついてくるなな、それを微笑ましいものを見るような目で見つめるなつみと裕也。

 

 

「それはそうと春風、1時限目の英語はテストよ。赤点取ったら補習って言われてるけど勉強したの?」

 

「ウェッ…⁉」

 

 

さあやが思い出したかのようにテストがあること(死の宣告)を告げると、ななは某オンドゥル王子のような声を上げてる。

なつみと裕也はいつの間にかノートを広げ、テスト前の予習をしていた。

 

 

「い、いいんちょっ、ノート見せてくださーいっ!全然勉強してませーんっ‼」

 

「はあ…」

 

 

涙目で懇願してくるななに、やはりかとさあやは呆れて溜め息をついた。そんな事をしている内に、授業のチャイムが鳴る。

 

 

「ガッテ―――ム‼」

 

『うるさい!』

 

 

教室内にななの悲鳴が響き渡り、そのせいでクラスの全員に怒られてしまった。なお、行われたテストでななが悲惨な点数を取ったのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

時間は過ぎて、昼休み。学院の生徒たちは食堂に行ったり、教室で持参した弁当や購買で買ったパンを友だちと一緒に食べていたりしていた。

 

裕也は教室で1人、持参した弁当を食べている。とそんな彼に近づいてくる女子がいた。三波なつみだ。

 

 

「ユーくん、一緒にご飯食べよ」

 

「おう、別にいいぜ」

 

「やった、じゃあ失礼するね」

 

 

なつみは自分の椅子を彼の席まで持ってきて座ると、自身の弁当を広げた。家事全般が出来る彼女は弁当も自分で作るため、相変わらず彩りが綺麗だ。

 

 

「あれ、ユーくんもお弁当?」

 

「あんず姉さんがさ、昨日の夜いきなり『ユウちゃんのお弁当が食べたい!』って言ってきたから、仕方なく朝作ったんだ。これはそのついでさ」

 

「あんずさんは相変わらずだね」

 

 

あんずとは裕也の姉のことだが、彼と彼女は血の繋がっていない…つまり義理の姉弟なのである。複雑な家庭事情があるようだが両親が家を空けていることが多く、大概2人で生活しているためか、仲は良好のようだ。

 

 

「まったくだよ。あの人は自由奔放過ぎて、疲れるぜ」

 

「そんなこと言ってるけど、ユーくんも本当は楽しいんでしょ?」

 

「…まあ、な」

 

 

目を逸らす裕也を、微笑ましい目で見つめるなつみ。と、そこへ前の授業で集めたノートを、職員室に提出して戻ってきたさあやが近づいてくる。

 

 

「あんたたち、2人だけで昼食かしら?まるで夫婦みたいね」

 

「「ち、違うから(な)(ね)⁉ただ一緒に食べていただけだから(な)(ね)⁉…あ」」

 

 

さあやに茶化され、過剰反応する裕也となつみ。そのせいで息ぴったりに叫んでしまった。

 

 

「息もぴったりなんて、本当に夫婦みたいね」

 

「う…」「あう…」

 

 

顔を真っ赤にして俯いてしまう裕也となつみだったが、時間もあまり無いため、とりあえずそのまま弁当を食べ続ける。さあやのせいもあるが、互いを変に意識してしまったのかその間に一言も喋ることはなかった。

 

 

「「ごちそうさまでした…」」

 

 

何やかんやで食べ終え、空になった弁当箱を片づけると裕也は「購買で飲み物を買ってくる」と言って、教室を出ていく。

彼がいなくなるとなつみは顔を真っ赤にして、さあやに詰め寄った。

 

 

「もーっさあやちゃん!変なこと言うから、ユーくんと気まずくなっちゃったじゃん‼」

 

「あら、あたしは思ったことを言っただけど?三波と黒崎が勝手に意識してただけでしょ?」

 

「う…それはそうだけど…」

 

 

正論を言われ、返す言葉がないなつみ。確かに勝手に互いに意識し合っていたのは2人であって、さあやには何の罪状もないのだ。

さあやは「はぁ」と溜め息をつくと、なつみに謝った。

 

 

「まあ、あたしもちょっと意地悪すぎたわね。悪かったわ」

 

「べ、別に怒ってるわけじゃないから謝ることはないよ、さあやちゃん。裕也くんも怒ってないと思うし」

 

「…それもそうね。でも一応謝っておくわ、何だか悪いし」

 

 

なつみの言う通り、おそらく裕也も彼女と同じことを言うだろうなとさあやは思った。その寛大さは良いところでもあるが悪いところだとも思えるが、だからこそ彼が皆から好かれるのかもしれない。

 

 

(そう、そんな黒崎だからこそ私は…)

 

 

彼に対する()()()()()を胸の内に隠しながら、さあやは裕也が戻ってくるのを待つ。

 

そして、その裕也はというと…

 

 

「おい、下僕くん!このせいとかいちょおにジュースを買ってほしいのだあ‼」

 

「だから『下僕くん』って呼ぶのやめてくれませんか。あと生徒会長の権限使って後輩に飲み物ねだらないでください、新聞部とれいか先輩にチクりますよ?」

 

「そ、それだけではやめてほしいのだあ!」

 

 

購買近くの自動販売機で、生徒会長の『鶴海ひまり』ともめているのだった。

 

 

次回に続く…




という訳で、ノリと勢いで書いたあんガル小説でしたがいかがでしたでしょうか。
余談ですが後半の時、ななは英語の先生にこっぴどく叱られています(笑)

あんガルの子はみんな可愛いですよね。皆さんは誰がお好きでしょうか?
作者ははじめちゃんとあずさちゃんが大好きです。他にもたくさんいますが…

あと『この子とこの子の話を書いて!』みたいな要望があれば答えたいと思います。詳細は活動報告に書いておくので、確認してください。

ちなみに次回は放送部の話を予定しております。ではでは。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。