あんさんぶるガールズ‼~転校生と少女たちの日常~   作:ファントムベース

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今回は放送部です。
では、どうぞ。


第2話「放送部」

ある日の昼休み。

 

 

「あれ?」

 

 

なつみはいつものように、裕也と一緒に昼食を食べようと席へ向かったが、彼の姿が見当たらなかった。何処に行ったのだろうと辺りを捜していると、さあやが声をかけてきた。

 

 

「どうしたのよ三波」

 

「さあやちゃん、ユーくんが何処に行ったか知らない?」

 

「黒崎?あいつなら、さっき教室を出ていったわよ。購買かトイレにでも行ったんじゃない?」

 

「うーん…かなぁ?」

 

 

とその時、教室の校内スピーカーから軽快な音楽が流れ、放送部による昼の校内放送が始まった。

 

 

<やっほーい!お昼休みの時間を比較的どーでもいいトークと音楽で演出する、君咲学院放送部青春RADIOー♪>

 

 

校内スピーカーから響き渡る明るい声は、放送部の1年生…『丸子みさき』のだ。

 

 

<みんなにハイテンションな昼休みを届けるのは、お馴染みワタクシ丸子みさきと―――>

 

<今日も丸子さんの手伝いをしている、軽音部の藤猪しずくです>

 

 

明るくテンションが高いみさきとは逆に、やる気のない小声で話すのは同じ1年生の『藤猪しずく』だ。『君咲学院放送部青春RADIO』はこの2人で行われているのだが、今日の放送は何かが違っていた。

 

 

<そして今日はなんとなんと、スペシャルゲストをお呼びしています‼>

 

<それではゲストの方、どうぞ~>

 

『??』

 

 

放送を聴いている生徒たちは首を傾げた。スペシャルゲストとは誰だろう?、と全員が思っていると意外な声が流れた。

 

 

<どうも。君咲学院唯一の男子、黒崎裕也です>

 

『!?』

 

<というわけでスペシャルゲストは今学院を騒がせる台風の目、黒崎裕也先輩です!いぇーい‼>

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、放送室。

放送機材に繋がれたマイクが置かれた小さな机にみさき、しずく、そして裕也が囲むように座っている。

 

 

「いやー、黒崎先輩が来てくれるなんて嬉しいかぎりです!今日は先輩に色々と聞きたいと思うので、よろしくお願いしますね!」

 

「ああ。出来る範囲ではあるが、頑張って答えていくよ」

 

「よーし!挨拶を終えたところで、早速質問していこう!ちなみにこの質問は、事前にみんなから集計したものでーす」

 

 

そう言ってみさきはBGMを流し、質問を集計した紙を読み始めた。

 

 

「えーっと、では最初の質問。『黒崎先輩はこの学院に来る前はどのような高校に通っていたのですか?』ですって」

 

「前に通っていた高校は一応進学校だったけど、言うなれば変わった奴ばっかの男子校だったな。ここの女子みたいに明るいのもいれば、ヤンキーやらメカオタクやらホモやら…」

 

「ほ、ホモ?」

 

「ああ。そいつと仲が良かったんだが、一度だけ襲われたことがあってな。あやうく大切な何かを失うところだったよ…まあいい思い出の一つさ…ははっ…」

 

「こ、個性豊かな人たちに囲まれて生活していたんですね…」

 

 

思い出したくもないことでもされたのか、裕也は遠い目をしていた。しずくはそんな彼の頭を「よしよし」と撫でてあげた。

これ以上は触れないほうが彼のためかもしれない、そう思ったみさきは別の質問をする。

 

 

「じ、じゃあ次の質問にいきましょう!えっと『黒崎先輩の趣味を教えてください』」

 

「趣味ね…ギターと料理、あとは…ダンスとかかな」

 

「ギターが弾けるってことは、歌も歌えるんですか?」

 

「まあ一応。時折姉さんに聴かせたり、軽音部の部室でしずくと一緒に演奏したりしてるな」

 

「そうなの、しずくっち?」

 

 

みさきが尋ねると、しずくは「うん」と頷いた。

 

 

「すごいんだよパ…黒崎先輩は。とても綺麗な声だったから、思わず月永さんと聞き惚れちゃったよ」

 

「ほうほう、それは聞いてみたくなるわね。というわけで先輩、いきなりですがここで歌ってもらえないでしょうか!」

 

「ここでか⁉ま、まあ…別に構わないが」

 

「さっすが先輩!てなわけで皆さん、少し準備をするので暫しお待ちを!」

 

 

みさきがそう言うとマイクの音声を一度切り、演奏のための準備に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

「へー黒崎って無茶ぶりにも答えんのね」

 

「でもユーくんが人前で歌うなんて、珍しいよ」

 

「あら、そうなの?」

 

「うん。『人前で歌うのは恥ずいから無理!』って言ってた」

 

「…あいつもやけくそなのかしら」

 

 

 

 

 

 

準備を終え、みさきはマイクをONにして再び話し始める。

 

 

「さてお待たせしました――!今日限りかもしれない、黒崎先輩と藤猪しずくによる青春RADIO生演奏です!先輩としずくっち、準備はいいでしょうか‼」

 

「OK、いつでもいいぞ」

 

「こっちも大丈夫だよ」

 

 

ギターを持った裕也とドラムのバチを持ったしずくは、みさきにOKサインを出す。

 

 

「では歌ってもらいましょう!どうぞ!」

 

「それでは聴いてください、『恋の魔力』」

 

 

みさきの合図の後、2人は演奏を開始する。

 

 

「――――♪―――♪」

 

 

裕也の歌声とギター演奏、しずくのドラムがスピーカーを通して学院内に響き渡る。しずくの言う通り、彼の歌声は透き通るような綺麗な声だった。

 

 

「すごっ…黒崎くんギターと歌上手すぎじゃん」

 

「どうしよう。私、裕也くんの歌声の虜になっちゃいそう…」

 

「藤猪さんのドラムも凄いわ、息ぴったりだし」

 

 

その圧倒的な歌声に、生徒たちは聞き惚れてしまう。中には卒倒してしまう者までいる始末だった。

そして演奏が終わると、校舎内から拍手が巻き起こった。

 

 

「いやー、素晴らしい演奏と歌声でした!黒崎先輩としずくっち、ありがとうございました‼」

 

「こちらこそ聞いていただき、ありがとうございました!」

 

「ありがとうございました」

 

 

裕也としずくがマイクに向かってお礼をすると、再び拍手が起きた。

 

 

「さて、誠に残念ですがお時間が来てしまいました!皆さん、午後の授業も頑張っていきましょう!青春RADIO、お送りしたのは放送部の丸子みさきと」

 

「軽音部の藤猪しずくと」

 

「ゲストの黒崎裕也でした」

 

「では皆さん、また明日のお昼にお会いしましょう‼」

 

 

皆の熱狂が冷めやらぬまま、昼の校内放送は幕を閉じた。マイクとBGMを切り、放送を終えたみさきは興奮したまま2人に近づく。

 

「凄いよ先輩としずくっち!私思わず熱くなってきちゃったよ!」

 

「…実は俺もだよ。まだ体が熱い」

 

「私も…ドラムでこんなに疲れたの久しぶり…」

 

 

2人もまだ興奮しているのか、顔が赤くなっていた。

 

 

「ねえ2人とも、今度は3人でカラオケに行きましょうよ!」

 

「お、それいいな。しずくは?」

 

「うん私も行きたい。いつにします?」

 

「テスト期間があるし、テスト明けの休日はどうだ?」

 

「ちょうどいいですね!じゃあそうしましょう!」

 

「うん、私もそれで大丈夫だよ」

 

「よし、決まりだな。じゃあ楽器片づけて教室に戻るとするか!」

 

「「はいっ!」」

 

 

3人は楽器を片づけ、各自の教室へと戻っていくのだった。

ちなみにこの後、教室に戻った裕也は女子たちからサインを求められたのはまた別の話である。

 

 

次回に続く…




途中からなんかおかしくなってしまった…
けどやりきったので、後悔はしていない。
しずくちゃん、ほんと可愛いですよね。一度でいいから、『パパ』って呼ばれたい。

次回は今のところ、未定です。
あと大学で多忙になるので、不定期になるかもしれません。ご了承ください。
ではでは。
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