秘めた想いを、伝えたくて   作:リラ

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おはようございます!リラです!
今回は太宰さん出て来ます!
文章力ゼロですが読んでいただけると嬉しいです!


2.告白

いつの間にか寝てしまっていた様だ。

気が付くとコートが掛かっていた。

何故だ…?

そう思い辺りを見回すと

「おはよう、中也。」

「!?」

突然声を掛けられた。振り返ると、そこには太宰が居た。

「人を呼びつけておいて何寝てるの。全く、1時間も待ったんだけど。」

そう云われて時計を見ると8時30分。

どうやら、起こさずに待っていてくれたらしい。

「悪ィ。…でも、なんで…?」

「はぁ?中也が呼んだんでしょう?何云ってるの?」

溜息混じりに訊き返される。

確かにそうだな…。今のは訊き方が悪かった。

「いや…そうじゃなくて、此処判ったのか?もう来ないと思ってたから…。」

正直にそう云うと太宰がキョトンとした顔になる。

「判らないわけないじゃない。私が教えたんだよ?此の場所。」

嗚呼、善かった。憶えていてくれた。もうそれだけで嬉しかった。

「…何かあった?」

「何もねぇよ。どうしたんだ?」

「ううん、何か元気ないなぁって、今日の君。」

そんなに判り易いか…?

「気のせいだろ。」

「そう?なら善いけど…」

多分納得していないであろう太宰。でも、黙っていてくれる。

…変わってねぇな。そういう所。

内心苦笑しながらも、聞きたかった事を訊いてみる。

「それで?今日はなんで遅れたんだ?」

「嗚呼、ごめんね。此処に来る前にどうしても買いたい物があってね。」

俺との約束よりも大切な物か…。まァ、約束じゃねぇけど。少し位優先して欲しい、なんて莫迦な考えが頭をよぎる。

「俺より優先するって事はよっぽど大事なんだなァ?」

皮肉を込めて云ってやると

「うん。大切な人へのプレゼントなんだ。」

そう云って、悲しそうに笑った。

「…それって、好きな奴って事か?」

「そうなるね。笑わないでおくれよ?今回は真剣なんだから。そう、物凄く。」

胸を締め付ける様な痛みが走る。視界が滲んできた。

そうか…好きな奴、居たのか…。

そうだよな。もうマフィアを離反して4年が経ったんだ。その位居るよな…。

情けねェ…、告白する前に失恋かよ…。今更想いを告げたって無駄だな…。やめるか…?

…駄目だ、云わなくちゃならないんだ。結果なんて判ってただろ…?

何を弱気になってるんだ。想いを伝える為に太宰を呼んだんだ。

「どうしたの?大丈夫?立つ?」

「だ、大丈夫だ。手前も座れよ。立ったままじゃ疲れんだろ。」

「じゃあ、そうするよ。」

そう云って隣に座った太宰にコートを手渡す。出来るだけ顔を見せないようにして。多分、目、赤いんだろうな…。

「いいよ、君、寒そうじゃない。忘れたんでしょ?」

幸い、俺の目に涙が滲んでいるのには気付かなかったようだ。

「手前は善いのか?」

普段通りを装って訊き返す。

「一応これでも雪国出身なのでね、この位なんともないよ。」

…冬はこたつから離れないくせによく云う。

「雪国出身でも手前、横浜育ちだろ…。」

小声で悪態を突きながらも、取り敢えず素直にコートに袖を通す。太宰の服、というのが物凄く嬉しくて、顔がカアッと赤くなった気がした。そんな事を考えていると不意に声を掛けられる。

「それで?話があるんじゃなかったの?」

優しく訊いてくる太宰。…今なら、云えるか…?

「えっと、今日は、手前に話があって呼んだんだ。」

「だから、それを訊いてるんだよ。」

太宰が苦笑しながら溜息をつく。

何時に無く優しい。甘えてしまいたくなる。俺は、こんなにも弱くなってしまったのか…。

「なァ、手前は何の話だと思う?」

「中也の話したい事なんて全く見当もつかないよ。…真逆、マフィアを離反するなんて事じゃあないよね?」

"離反"…其の言葉は、今の俺にはとても重かった。

「手前じゃあるまいし離反なんてしねぇよ、莫迦。」

そんな事気にして無い様に何時もの軽口を返す。

「そう?逃げたい時は相談に乗るよ?…で?結局、何の話なの?」

「俺が何を云っても最後まで聞いてくれるか?」

「聞くよ、全部。」

此処まで来て、一歩踏み出す勇気が出ねぇ…。

「悪ィ…少し、時間をくれるか…?」

「いいよ、待ってるから、ゆっくりでいいから。…その代わりと云っては何だけど、中也が話終わったら、私も中也に話があるんだけどいい?」

話…?まぁ俺の話を聞いて、それでも太宰が話したいと思うか…。

コイツの事だ、冗談でも俺に好きだなんて云われたら、口も聞いてくれなくなるだろうな…。其れは、嫌だな…。我儘だな。

「嗚呼、判った。」

2〜3分経ってから話し始める。気持ちも、さっきよりは前向きになってきたみたいだ。

「俺さ、手前の事大っ嫌いだよ。ずっと。」

「うん、知ってるよ?私も嫌いだもの君の事。」

何時もと同じ様な会話なのに、ひどく、胸が痛む。

「でも、4年前、手前がいなくなった時、何か穴が空いたような、そんな感じがしたんだ。あの時、俺は手前を止められなかった。」

太宰は何も云わない。

「ずっとそれを後悔してたんだ。それにさ、あの時は判らなかったけど……判らなかったからさ、待ってた。」

「…私を?」

少し言葉に詰まったとき太宰が問いかけてきた。

そんなの、決まってんだろ。

「嗚呼、また会えば判るかもって思ってた。」

「フフッ、それで?判った?」

太宰が静かに笑いながら云った。

「判ったぜ、信じられなかったけど、何か、納得できた。…俺は…」

もう云ってしまえば善いのに、怖い。その上涙も零れてきた。ずっと会えるかも判らない太宰を待っていた。離反を止められなかった後悔、隣に太宰がいないという喪失感。あの時から、人に捨てられるという事が怖くなった。首領にも前よりも尽くした。誰に対してだって、出来る限りの事はした。絶対に切り捨てられないように。…置き去りにされないように。

あの頃は、ただ、太宰に会いたかった。もう一度隣に立って欲しかった。だから、幹部の席も残して欲しいと頼み、相棒も作らなかった。首領も、残しておくつもりだった様だが…。

何時か太宰が帰ってくると信じてた。…否、帰ってこないと信じたくなかった。

…こうして考えてみると、自分の莫迦さが判る。そんなに必死だったのに、自分の気持ちに気が付かなかった。

そんな辛い思いを抱えてきた4年間を思い出すと、胸押し潰されそうになる。

「大丈夫?中也?」

黙り込んでしまった俺を心配してくれた様だが、今は、その優しささえも辛かった。

「嗚呼。…俺は、ずっと手前が…太宰が好きだった。」

一呼吸置いてそう云うと、息を飲む音が聞こえた。…嗚呼、やっぱりな。軽蔑するよな。

「悪い、云うつもりはなかったんだ。こんな事云われたって気持ち悪いだけだろうし、ホント…悪い。」

太宰の顔は見れなかった。伝えてみて、拒絶されるのが怖くなった。

「中也…。」

「何も云うな!!…頼むから…もう後悔したくなくて伝えただけだから、じゃあ、また。ホントに悪かった。気にしなくて善いから。」

早く此の場から立ち去りたくて、立ち上がり、太宰に背を向けて走り出す。

「中也!?ねぇ!待って!ちょっと!」

太宰の声を無視して下の道に停めてあった車に乗り込む。視界を遮る涙を袖で拭う。…嗚呼、今ひどい顔してるんだろうな…とそんな事を思いながら車を走らせた。

 

 家に着くとすぐにベッドに飛び込んだ。食事も取る気にならず、しばらくそのまま寝転んでいた。

「コート、返し忘れたな…。」

明日返そう、そう思い取り敢えずハンガーに掛ける。…帽子がない。もしかして彼処に落としてきてしまったか…。それも明日にしよう。今は何もする気にならない。先程から止まる事なく流れる涙のせいで目がヒリヒリする。せめて服だけは…と思って寝間着に着替える。食事も取らず、ベッドに入ると、さっきよりも大量の涙が流れてくる。然し、それを気にする事も億劫で俺はそのまま目を閉じ、意識を手放した。




切りがいいので此処までで切ります!
誤字脱字等々ご指摘ありましたら教えて下さい。
読んでくださってありがとうございました!
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