紫炎.2の短編集   作:紫炎.2

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お久しぶりです、紫炎.2です‥‥‥投稿頻度からしてだいぶ早いですね。

相変わらずプライベートはままならない状態ですが、仕事を辞める時のメンタル状態を鑑みるとだいぶ回復した方だと思います。

今回もなるべくボーボボのノリを再現しようとしましたが、後半あたりは若干失速しました。

とはいえ、原作でも何かと存在感のある男だったので、因縁の対決風にしてみたいなと思いました。あと、新技も作ってみました。

それでは、どうぞ。


バカの進化形はハジケリスト8

第8話:久しぶりだね☆ 元気にしてた? この成金がーーー!

 

 

前回のあらすじ

 

タワーに番人がいたよ。倒したよ。以上。

 

「て、手抜き過ぎる‥‥‥!」

 

 

 

◇◆◇

 

「‥‥‥ついに来たか、マネーキャッスル」

 

クライムタワーの番人、絵心3兄弟を倒したボーボボ達はハレルヤランドの中央部にあるマネーキャッスルにやってきていた。その城は黄金に輝く城で、現代ではめったに見られない城であった。

 

「勢いで来ちゃったけど、どうしてここに?」

「今後の活動資金としてここにいるはずのハレクラニにお金をもらいに来た」

「えぇ‥‥‥そんなことができるの?」

「任せろ、軽く10億はいける」

「いやいや、無理でしょ!?」

 

絶対に無理だと明久は断言する。無茶苦茶すぎる金額だし、そもそもそれなら先ほどの場所で戦闘にもならない。

 

「大丈夫っしょ、だって成金野郎だし」

「どんな繋がりがあるのさ、君たちとハレクラニって人と」

「お金はともかく、奴はかつてマルハーゲ四天王の筆頭だ。現在の毛狩り隊残党について何か知っている可能性がある」

「な、なるほど‥‥‥えっと‥‥‥」

「そういえば、自己紹介がまだだったな」

 

助けてもらったのは確かだが、一応初対面で流れのまま一緒に来てくれたソフトンについて明久はよく知らなかったので、ボーボボが紹介する。

 

「彼の名はソフトン。バビロン真拳の使い手で、俺たちと一緒に戦ってくれた仲間だ」

「そうなんですね。僕は吉井明久と言います」

「あぁ、よろしく頼む」

 

これまでボーボボの仲間は首領パッチや天の助しか知らなかったため、いつになく落ち着いた大人の男性に明久も安心して、自己紹介する。

 

「よし! 知っての通り、ハレクラニは強敵だ! ここからはやる気のない奴は置いていく!」

「バカ野郎! こっちはやる気十分だぜ!」

「今更言われるまでもねぇ!」

「な、何だかみんなやる気に満ち溢れているね」

 

どういうやる気は知らないが、ボーボボと首領パッチ、天の助がお互いに鼓舞し合っており、その雰囲気はやる気に満ち溢れていた。

 

「ならばそのやる気、俺に見せてみろ!」

「打倒、ハレクラニーーー!」

「ぐはぁ!」

「わぁーーー!? ちょっと、何しているの!?」

 

ボーボボが言った瞬間、首領パッチの右ストレートがボーボボに直撃。いきなりのことに明久は驚く。

 

「打倒、ハレクラニーーー!」

「ごはぁ!」

「ちょ、天の助も!?」

「打倒‥‥‥ハレクラニ、ハレクラニ、ハレクァラニーーー!」

「ぎゃあぁーーーーー!」

「ちょ、ちょ、ちょ、ボーボボ!? やりすぎ!?」

 

次に天の助が首領パッチを殴り倒し、その隙にボーボボが天の助に目つぶしを行う。

 

「打倒、ハレクラニーーー!」

「打倒、〇海大付属ーーーーー!」

「「ぐはぁ!」」

 

止めにキン肉バスターを天の助に食らわせた瞬間、首領パッチが二人にダブルラリアットを食らわせ、そのまま乱戦となる。あまりの事態にアワアワと慌てる明久。

 

「問題ない。アイツらはああやって己の気力を充電しているんだ」

「そ、そうなんだ。なら、良かった‥‥‥」

「「「よ、よし‥‥‥行くぞ(ボーボボ、首領パッチ、天の助HP1)」」」

「すでに瀕死だぁーーーーー!?」

 

乱闘が収まったら三人はズタボロの状態で、戦える状態ではなかった。こんな様子で大丈夫だろうかと思ったが、マネーキャッスルに入った途端、「ハレクラニ、どこだオラァ!」と元気になっていたため、心配いらなかった。しばらく城の中を歩いていると、開けた場所につく。

 

「わぁ、何ここ。兵士の銅像に、綺麗なシャンデリアまであるよ」

「まるで王の間だな‥‥‥むっ! あれは!」

「「「ハレクラニ!」」」

 

ソフトンが言った通り、まるでRPGゲームの王の間のような場所に豪華な場所であり、その奥の玉座には緑髪の黄金の鎧を纏った男、ハレクラニが佇んでいた。

 

「久しぶりだな、ボーボボ。どうしてここに来たのか、あえて聞いてやろう」

「決まっている、お前から毛狩り隊の残党について情報を聞きに来た」

「‥‥‥じゃあ、その銅像から外した宝石を置いてから言おうよ」

「ハッ!? いつの間に!?」

「入った途端にやっていたよ!?」

 

カッコよく決めたつもりが、流れ作業のごとく宝石を集めていたボーボボに突っ込む明久。本当にやる気があるのだろうか。

 

「相変わらずのふざけっぷりだな。だがまぁ、確かに俺は残党どもに対して情報を持っている」

「えっ! そうなの!?」

「だが、タダで教えてやるわけにはいかん」

「なるほど‥‥‥お前が欲しいのはこの俺だな」

「いらん、賞味期限切れの食品が」

「びぇ~ん! 買ってもらえなかった~!」

「だろうね‥‥‥」

 

僕だってクーリングオフしたいのに‥‥‥明久は一人心の中で愚痴った。

 

「だが、その前にボーボボ。今の貴様が俺の目にかなうかどうか審査してやる」

「いいだろう。そのすました面に一発叩き込んでやる‥‥‥ってコイツが言ってましたーーーーー!」

「言ってませんけどぉーーーーー!?」

「天の助ーーーーー!?」

 

啖呵を切ったボーボボが天の助を蹴り飛ばす。そのまま、天の助はハレクラニに一直線だったが、急に天の助の目の前に3枚の紙幣が現れ、包み込まれる。

 

「ぎゃあぁーーーーー‥‥‥」

「天の助ぇーーーー!」

「いや、自分がやった癖に何悲鳴をあげているの!?」

 

仲間を案じるボーボボだったが、明久がそれに突っ込む。やがて紙幣が散り、そこには一枚のコインが地面に落ちた。

 

「ちょっと、天の助は!?」

「くそ、天の助は‥‥‥天の助は‥‥‥“ぬ円玉”になっちゃったよぉーーーーー!」

「えっ!? あっ、えっ!?」

 

天の助をコインにされたことに恐怖すればいいのか、ぬ円玉という意味不明なコインにされたことを驚けばいいのか明久には分からなかった。

 

「くそっ。相変わらず健在か、ゴージャス真拳は」

「ゴージャス真拳?」

「お金にまつわるものを利用した真拳だ。今のは奴が天の助を紙幣で包み込み一枚のコインにしてしまう技だ」

「う、うそ‥‥‥」

 

あまりの理不尽な力に戦慄する明久。その様子を見て、満足そうにするハレクラニ。

 

「連れが変わっているが‥‥‥まぁ、いい。さて、どうするボーボボ」

「決まっている! このぬ円玉を使って、真説・鼻毛真拳超奥義‥‥‥!」

 

ボーボボはぬ円玉を拾い、それを賽銭箱に入れると一生懸命念じる。

 

「えっ、どこから出たの、その賽銭箱」

「ぬの怨念玉、発射!」

「ぬの形をした怨念っぽいものが突撃していった!?」

「フン」

「「ダメでした♪」」

「戻ってる!?」

 

怨念っぽいものが突撃するが、手で振り払われてあえなく散る。そのままボーボボと何故か戻っている天の助は肩をすくめた。

 

「‥‥‥あれ、そういえば首領パッチは?」

「奴ならあそこだ」

「あそこ?」

 

いつもならボーボボ以上に騒がしいはずの首領パッチが何故だか姿を見せないことに違和感の明久。ソフトンが指さすと、そこにはハレクラニの玉座の後ろに泥棒姿で忍び寄っていた首領パッチがいた。

 

(ナイスだよ、首領パッチ。そうか、ボーボボ達は分かっていたからあんなこと‥‥‥)

「金の延べ棒発見」

(いや、何で喋るの!?)

「消えろ」

「アーレー」

 

首領パッチに気付いたハレクラニがそのまま殴り飛ばす。あえなく、首領パッチはボーボボ達の元に帰ってきた。

 

「あんたって子は! 何であそこでしゃべっちゃうの!?」

「だって、ママ! 僕もキラキラが欲しかったもん!」

「ふん、この程度かボーボボ」

「まだまだ。それにマネートラップもないのなら、楽勝だぜ」

「バカめ、何の策もなしにお前を迎え撃つか。ゴージャス真拳超奥義」

 

玉座に座ったままハレクラニは手を振り上げると、周りの銅像が一斉に動き出す。

 

「“ゴールデンソルジャー”! さぁ、奴らを八つ裂きにしろ」

「ぎゃあーーーーー!」

「えぇ!? 周りの兵士が一斉に襲い掛かってきた!」

「なめるなよ! 真説・鼻毛真拳超奥義‥‥‥!」

 

ハレクラニの合図とともに兵士たちが一斉に襲い掛かってくる。ボーボボは攻撃を防ぎながら、反撃を乗り出す。

 

「“お宝鑑定団”!」

「兵士たちを鑑定し始めた!?」

「う~ん、これは純金の見事な出来栄えですなぁ」

「えへへ‥‥‥」

「しかも喜んでいるし!?」

 

ボーボボと天の助、首領パッチは一緒になって兵士たちを鑑定し始める。褒められてうれしいのか、兵士たちも喜んでいる。

 

「鑑定額は‥‥‥100万円!」

「うわぁ! 高い!」

「というわけで出荷でーす」

「出荷されていったーーーー!」

 

鑑定された金の兵士たちが出荷されていったが、ハレクラニは慌てることもなく次の攻撃に移る。

 

「ほぉ、やるな。では、次だ。ゴージャス真拳超奥義、クリスタルレイン!」

「ぎゃあぁーーー! シャンデリアが雨になって降ってきた!?」

「み、みんなーーーー!」

「危ない! 出てはいけない!」

 

天井につるされていたシャンデリアが細かい部品になってボーボボ達に降り注ぐ。あまりの攻撃にソフトンは明久を安全なところに避難させる。やがて、攻撃がやむ。

 

「み、みんなはどうなって‥‥‥」

「よくもやってくれたでザマスな!」

「次はこちらの番ザマス!」

「全身クリスタルまみれになって出てきた!?」

 

三人ともクリスタルで装飾されたマダムになって、姿を現す。

 

【劇場版ボーボボ】

「あれ!? 何か始まった!?」

【マダムたちの憂鬱】

 

急に周りが映画館になり、映画が上映されることになる。そのまま上映が始まる。

 

「はぁ~‥‥‥」

「アラ、どうしたのため息吐いちゃって」

「いつものクリスタルな輝きがないザマスよ?」

 

青い空、いつものテラスに集まって優雅なお茶会をするマダムたち。その内、首領パッチマダムが浮かない顔をしていた。

 

「最近、夫との関係がうまくいかなくて困っているザマス」

「そういう時は自分がどうしてほしいのか、ちゃんと相手に伝えないといけないザマスよ」

「でも、ちゃんとできるかしら?」

「それじゃあ、私が手本を見せてあげるザマス」

 

天の助マダムから助言をもらう首領パッチマダムであったが、不安を隠しきれない様子である。そこにボーボボマダムが手本をみせてあげると意気込む。

 

その夜

 

「金よこせやーーーー!」

 

ハレクラニの顔面に蹴りが入った。

 

 

【 完 】

 

 

「何だったの、今の」

 

場所が戻り、マネーキャッスルの玉座の間に戻る。急に蹴りを入れられて、ハレクラニも玉座から吹っ飛ぶ。

 

「ぐぅ‥‥‥さすがに油断した」

「よし! このまま追撃だ! 明久、首領パッチソードをよこせ!」

「えっ!? 何それ!? 知らないよ!?」

「バカ! 首領パッチソードだよ! 早く寄せ!」

「だから、知らないって! 何それ!?」

「ちっ、なら今ある物を渡してくれ!」

 

追撃の為に首領パッチソードをもとめる首領パッチだったが、そんなものは知らない明久は困惑するばかりで荷物をあさる。

 

「とりあえずネギあるけど‥‥‥」

「おぉ、あるじゃねぇか首領パッチソード! よっしゃ、これでいけるぜ!」

「いや、ネギじゃあ無理だよ!?」

 

ネギを受け取った首領パッチはそのままハレクラニに突撃する。一体ネギで何が出来るのだろうか。

 

「邪魔だ! ゴージャス真拳奥義“100万$バズーカ”!」

「ぎゃあぁーーー!? 首領パッチソードが折れた!?」

「当たり前でしょ!?」

「首領パッチ! 今、この“魔剣”で助けるぞ!」

「だから無理だよ! それ、大根だよ!」

 

あえなく返り討ちに遭い、吹き飛ばされる首領パッチ。それを助けようと大根をもって天の助が突撃する。

 

「こざかしい! もう一発!」

「「ぎゃあぁーーー!」」

「(わかっていたけど)二人共ーーー!」

 

またもや返り討ちにあい、吹っ飛ばされる二人。だが、その隙を突きボーボボが急接近していた。

 

「隙あり」

「なっ、しまった!?」

「さすが、ボーボボ」

「真説・鼻毛真拳奥義“膝カックン”」

「いや、ショボい!?」

「ぐわぁーーーーーーー!!」

「えぇ!? まさかの大ダメージ!?」

 

悪戯レベルの技に思わず突っ込む明久だったが、全身にくまなくダメージが入る大技に驚く明久。そのまま追撃を入れようとするボーボボ。

 

「続けてくらえ! 真説・鼻毛真拳‥‥‥!」

「遅い!」

「なに!? って、何もない?」

 

追撃を入れようとしたボーボボに掌底でカウンターをするハレクラニだったが、それにしては特にダメージがないことに不思議がるボーボボ。うまくいったとばかりに距離を取るハレクラニ。

 

「かかったな、ボーボボ。これで貴様にはもはや打つ手はない」

「なめるな! 真説・鼻毛真拳‥‥‥!」

「ペナルティ発動!」

「ぐわぁーーーーーーー!」

「なっ、ボーボボ!?」

「何だ!? 攻撃しようとしたら、急にボーボボに電撃が!?」

 

ハレクラニ対して攻撃しようとした時、急にボーボボに電撃が走り、攻撃がキャンセルされてしまう。

 

「な、なんだ? なぜ攻撃しようとしたら急に電撃が?」

「これぞゴージャス真拳秘奥義“債権化”。これにより、きさまは私への攻撃分が借金となった」

「借金!?」

「そして、借金持ちは私への従属が義務となるため、私へ逆らう行動は一切できない」

「なにぃ!?」

「じゃあ、さっきのボーボボの攻撃分が‥‥‥!」

 

そうしていると、ボーボボの頭上に借金額が表示される。

 

“ボボボーボ・ボーボボ ―1,000万”

 

「ほ、本当だ。金額が表示されている」

「くそっ、一体どうすれば‥‥‥!」

「少々、体を張る技だが、いい取引だったよ。やれ、ボーボボ! 自分の仲間を倒せ!」

「くそっ、体が勝手に!」

「「ぎゃあぁーーー! 意気揚々とこっちを攻撃してんじゃねぇーーーー!?」」

「‥‥‥(汗)」

 

操られている割には元気に首領パッチと天の助を攻撃するボーボボ。本来は悲壮感たっぷりの展開になるはずなのに、いつもの感じがして全然悲しくない。

 

「では、次はそこのぐるぐる頭だ!」

「ほあたぁ!」

「ぐはぁ!? な、何だと!?」

「えっ、ボーボボが攻撃できた!?」

「見ろ! 頭上のカウンターが“返済完了”になっているぞ!」

 

次にソフトンを攻撃するように命令するが、ボーボボはハレクラニに攻撃を仕掛ける。どういうわけか、ソフトンの言う通り、頭上のカウンターが返済完了になっていた。

 

「バカな!? 金額の返済は私の匙加減のはず‥‥‥!?」

「忘れたのか、お前の兵士たちを鑑定団で査定したことを」

「なっ、まさか!」

「そうだ、あのあと売り払ったお金で借金返済に充てたのさ」

 

奇想天外な攻略方法にさすがのハレクラニも驚き戸惑ってしまう。そしてボーボボはその隙を見逃さない。

 

「いくぞ! 真説・鼻毛真拳超奥義‥‥‥!」

「なめるな! ゴージャス真拳超奥義!」

「晴れのち快晴!」

「ダイヤモンドスマッシュ!」

「復活の首領パッチソード!」

「一人余計な奴がいったーーーー!?」

 

ボーボボの鼻毛とハレクラニのダイヤモンドでできたナックルの攻撃、そこに首領パッチが割り込んで交差する。

 

「「ぐはぁ!」」

「ボーボボ!」

「俺もごはぁ!」

「だろうね」

 

ボーボボとハレクラニが共にダメージ受けて、明久がボーボボを心配するが、首領パッチには冷ややかに接した。その態度に「何だ! その態度は!」と明久にいちゃもんつける首領パッチである。

 

「ぐぅ‥‥‥強くなっているな、ハレクラニ」

「ふっ、貴様もな。ボーボボ」

 

お互いに強くなっていることにやる気を滾らせる二人。その様子に困惑する明久はソフトンに尋ねる。

 

「‥‥‥あの、ソフトンさん。ボーボボとハレクラニさんとの間に何か因縁のようなものでもあるんですか?」

「特にそんなことはなかったはずだが‥‥‥時に敵同士として戦い、時には共闘もした。それゆえに何か奇妙な腐れ縁のようなものができたのかもな」

「なるほど‥‥‥」

 

おそらくはボーボボ達の過去の戦いに何かあったのだろう。自分だけが知らない因縁があることに若干複雑な気持ちを持ってしまう。

 

「安心したぞ、ボーボボ。毛狩り隊が滅びて貴様が弱体化したのではないかと不安だったのだからな」

「そんなことはない。俺には昔約束したことがあるのだからな」

「約束だと?」

「あぁ。あれは俺が子供のころ」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「‥‥‥父ちゃん、俺、5円玉を失くしたんだ」

「‥‥‥探してきな、そこにすべてがあるんだぜ」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「そして、俺は毛狩り隊を倒すと誓ったんだ」

「「‥‥‥???」」

 

唐突な回想だったが、何一つ理解不能のため、思考が停止する明久とハレクラニ。

 

「なんて壮絶な誓いの場面なの‥‥‥!」

「あぁ、涙なしには語れないぜ‥‥‥!」

「えぇ‥‥‥どこが?」

 

首領パッチと天の助には分かったらしく、二人は感動して涙を流していた。

 

「俺はその約束とは全く関係なく、お前を倒すぜ!」

「じゃあ、何だったの、今の回想!?」

「いいだろう。この際、そんな過去の事は関係なく貴様を倒す!」

 

理解不能のため、なかったことにしてハレクラニは持っていたスイッチを押す。すると、全員の床が上がっていき、天井を抜けていく。やがて外に出て、屋上で止まった。

 

「いつの間にか夜になっていたのか」

「うわぁ‥‥‥すごい絶景」

 

時間帯は夜になっており、ライトアップされたハレルヤランドがイルミネーションのようになっており、絶景となっていた。

 

「なんて刺激的な夜景なの」

「君のために用意したんだよ、パチ美」

「邪魔」

「「ぎゃあああ!!」」

 

夜景に充てられて、天の助と首領パッチがカップルとなるが、ボーボボに蹴落とされてしまう。

 

「で、また金の力を吸収する気か?」

「それもいいが、丁度今の時間がいいタイミングだからな。新技を見せてやろう」

 

いつぞやのように金の力を結集させるのかと思っていたボーボボだが、予想に反してハレクラニは指を鳴らす。すると、ハレルヤランドの各所アトラクションから何かのオーラのようなものが立ち上がっていく。

 

「今日はテーマパークの閉園を早めている。そして、同時に自動的に売上が即時出るようにもしているのだよ」

「そ、それが一体何なの?」

「忘れたか、小娘。わが真拳は金の力‥‥‥見せてやろう、ゴージャス真拳新・最終奥義‥‥‥」

 

明久の疑問にハレクラニが答えるように各所のオーラがこちらに向かってくる。それはいくつもの龍の形をとる。

 

「“ハレルヤランド・マネードラゴン”! さぁ、金の力にひれ伏すがいい!」

「「「なにぃーーーーーー!!?」」」

「う、うそでしょ!?」

「ハレルヤランド中のアトラクションの売上をゴージャス真拳の力で具現化したのか!?」

 

あまりのスケールのデカさにいつの間にか戻っていた首領パッチと天の助、そしてボーボボは驚愕する。明久とソフトンも同様である。だが、驚いている間もなく一匹の龍がボーボボ達に襲い掛かる。

 

「ぐわぁーーーーーーー! 今までのゴージャス真拳とはレベルが違う!」

「ボーボボ! 確かに規模は桁違いだが、ハレクラニ本人の防御が手薄だ! 間をぬって攻撃するしかない!」

「わかった、ソフトン! 明久を頼む!」

「任せろ!」

 

いくつもの龍が波状攻撃を仕掛けてくる中、ボーボボはその攻撃を躱し、ハレクラニに近づく。

 

「ここなら俺の間合いだ! 真説・鼻毛真拳奥義“ツユダクでお願い”!」

「甘い」

「なっ、防がれた!」

 

ボーボボの間合いに入り、鼻毛を浴びせようとした時、ハレクラニは龍の一体を盾にする。攻撃を防がれてしまったボーボボは攻撃を続けようとするも、別方向から来た龍に攻撃を躱して距離をとってしまう。

 

「なんて技だ。まさかこうも攻防一体の技だったとは‥‥‥!」

「どうだ、ボーボボ! もはや、なすすべもないか!」

「なめるなよ! プルプル真拳超奥義“オロチ龍拳”!」

 

ボーボボが攻めあぐねていると、天の助が前に立ち、背中から龍を出現させる。

 

「えぇ!? 天の助も龍が出せるの!?」

「いやーーー、無理だろ」

「あぁ、無理だな」

 

天の助の攻撃に期待する明久だったが、実情を知っているボーボボと首領パッチは最初から諦めていた。事実、ハレクラニの龍の大きさが100に対して、天の助は10だった。

 

「‥‥‥殺せよな☆!」

「‥‥‥何がしたかったの」

 

諦めた天の助は笑顔で挑発し、そのまま散った。本当にアイツは何がしたかったのか、わからない。

 

「どうやら万策尽きたようだな! では、トドメといくぞ!」

「いや、まだだ! さっきの天の助のおかげで逆転の手を思いついたぜ!」

「えっ、今ので!?」

「あぁ、いくぜハレクラニ」

 

そう言うとボーボボのオーラが膨れ上がり、両こぶしを合わせる。そして、ボーボボの両こぶしに“GENAHA BUSTER”の文字が浮かび上がる。

 

「真説・鼻毛真拳極奥義“ゲナハ・バスター”」

「極奥義‥‥‥」

「無駄だ! 金の力の前に全てはひれ伏すのだ!」

 

そう言うと、ハレクラニは龍をボーボボに突撃させる。ボーボボは龍に対して拳を構えると、構えた拳にオーラが一点に凝縮される。そしてボーボボの拳がハレクラニの龍に炸裂する。

 

「ボン!」

「何ぃ!?」

 

すると、炸裂した一撃が龍を貫き、そのままハレクラニに直撃する。

 

「ぐはぁ!? な、何だ、今の一撃は!?」

「まだだ。ボン!」

「ぐはぁ!」

 

間髪入れずさらなる一撃がそのままハレクラニを襲おうとする。ハレクラニも龍で防御するが、それも貫き攻撃が当たる。

 

「す、すごい! ハレクラニさんの攻撃も防御も物ともしない!」

「以前、極奥義は見たことがあるが、さらに洗練されているな」

「死ぬだろ、あれ」

「よっしゃ! そのまま、いけぇ!」

 

ハレクラニの技をものともしないボーボボの連続攻撃に沸き立つ明久たち。だが、ハレクラニもまだ負けていない。

 

「舐めるなぁ! この程度で終わるかぁ!」

「いいや、終わりだ!」

 

残りの龍を自身に纏い、片腕をダイヤモンドでコーティングしたハレクラニはそのままボーボボに突撃する。対するボーボボも残りの力を全て片腕に集結させてハレクラニを迎え撃つ。

 

「終わりだ! ボーボボ!!」

「ボン!!」

 

そして、二人の拳が激突した。その衝撃は凄まじく、その衝撃で周りのものが一気に吹き飛ぶ。

 

「危ない!」

「うわぁ! あっ、ありがとうございます、ソフトンさん!」

「痛ててぇ、小石が!」

「ぐへぇ!?」

 

あまりの衝撃に明久は吹き飛びそうになるが、ソフトンが庇い、難を逃れる。首領パッチははじけ飛んだ小石が当たりまくり、天の助はデカい石が直撃する。そうしているうちに、衝撃が収まり、景色が晴れる。

 

「ど、どっちが‥‥‥あっ!」

「‥‥‥さすがはハレクラニだった。だが、今回も俺の勝ちだな」

「ボーボボが勝った!」

 

拳を振りぬいた状態のボーボボと、黄金の鎧が砕け散り、倒れ伏すハレクラニがそこにいたのであった。

 

 

ハレルヤランドの支配人、ハレクラニ、撃破。

 

 

 




どうでしたか?

原作とは別の決着で今回は戦いを終えました。

ちなみに、一つお知らせで、このまま連載を続ける場合、これ短編集から独立して、単体のお話として投稿しようと思います。

どういう話全体の決着をどういう感じにするかは正直、未定ですが、さすがに長編になり始めてきましたので。

なんにしても、皆さんのお暇な一時に楽しんでもらえたのなら幸いです。

それでは、また次回。
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