様子のおかしいことに疑問を持っていたイッセーは木場の壮絶な過去を知る。
これからどうするかと悩んでいるときにある人物達が家に訪れるのであった……。
このあとどうなってしまうのだ!!
sideナレーション(界王)
イリナが訪問してきた翌日の事。
その日、イッセー達がその日の授業を終えて部室に顔を出すと、昨夜家に訪れていた二人の姿とリアス達、そしてグレイフィアの姿ががあった。
「あり?感じた事のある気を感じると思ったらやっぱしおめえ達かぁ!」
「はい、悪魔にとっての一大事ですので、参加させていただいております」
イッセーが声に即座に反応を返すグレイフィア。
声とは裏腹にその表情はとても嬉しそうである。
次いでイッセーに気がつき、声を掛けてきたのはツインテールの少女、紫藤イリナであった。
「やっほー♪イッセーくん。今日は仕事で来てるんだよね」
軽い感じで話すイッセーに対してイリナも軽い話し方で返している。
「い…?仕事?」
不思議そうにするイッセーにイリナは一つ頷く。
「そう、仕事、これからキミの主さんと話をするから聞いといてね」
そうして軽くウインクをイッセーに送ると、イリナは表情を真剣に戻してリアスと向かいあった。
剣呑な雰囲気の中、先に口を開いたのは青メッシュの少女であった。
「この度、会談を了承してもらえたこと。感謝する。私はゼノヴィアという者だ」
「紫藤イリナです」
二人の紹介にリアスもそれ相応の紹介を返す。
「私はグレモリー家次期当主、リアス・グレモリーよ。それで、悪魔を嫌っている教会側の人達が私達悪魔に何の用かしら?会談を求めてくるぐらいだからそれなりのことがあったのでしょう?」
「簡潔に言おう。
………教会側が所有しているエクスカリバーが、堕天使たちによって奪われた」
「「「「なっ…!?」」」」
「セイケン?」
約一名を除き、場の空気が凍りつく。
ゼノヴィアと名乗った少女は続ける。
「教会は3つの派閥に分かれていて、所在が不明のエクスカリバーを除いて6本の剣を2つずつ所有していた。その内、3本のエクスカリバーが盗まれた。残っているのは私の持つ
「私の持っている
と、二人はそれぞれ身に付けていた剣を見せる。
「ですとらくしょん?みみっく?なんだそれ?」
「一誠様、では、私がご説明致しますね」
見兼ねたのかグレイフィアがイッセーを連れてフェードアウトしていく。
その様子に二人以外の者達が苦笑いをする。
ゼノヴィアは首をかしげ、イリナは盛大に困惑していた。
気を取り直すようにゼノヴィアが再び話し出す。
「我々がこの地に来たのはエクスカリバーを奪った堕天使がこの町に潜伏しているという情報を掴んだからだ。我々はそれを奪取、もしくは破壊するためにここに来た」
「堕天使に奪われるくらいなら、壊した方がマシだもの」
ゼノヴィアの言葉にイリナが続ける。
それを黙って聞いていたリアスはある疑問を投げ掛けた。
「………それで、盗んだ堕天使の名は?」
ゼノヴィアは表情を少しも変えずにその犯人の名を告げる……。
「
告げられたその名に、部屋にいた者全員が驚きの声をあげる。
「堕天使の幹部が出てくるとはね……。
……それで、貴方達は私達に何を要求するのかしら?」
「簡単だ。私達の依頼―――いや、注文は私達と堕天使のエクスカリバー争奪の戦いに悪魔が介入してこないこと。つまり、今回の事件で悪魔側は関わるなということだ」
ゼノヴィアの物言いにリアスの表情が少しばかり険しくなる。
「随分な言い草ね。私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」
「悪魔にとって聖剣は忌むべき物だ。可能性がないわけではないだろう?」
ゼノヴィアの言葉に、遂にリアスの瞳が冷気を帯び始めた。
もはやご機嫌斜めなど優に通りすぎ、絶対零度の不機嫌度合いである……。
それすら気付いていないかのようにゼノヴィアは続ける。
「もし、そちらが堕天使と手を組んでいるなら、私達はあなた達を完全に消滅させる。たとえ、魔王の妹でもね」
「そう。ならば、言わせてもらうわ。私は堕天使と手を組んだりしない。決してね。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしないわ」
リアスがそう言い放つ。
それを聞いてゼノヴィアは軽く笑みを溢した。
「それが聞けただけで十分だ。私も魔王の妹がそこまで馬鹿だとは思っていない。今のはあくまで上の意向を伝えただけさ」
その言葉にリアスの険しかった表情が緩くなる。
それを見てか、二人は席から腰をあげる。
「では、本日は面会に応じていただき、感謝する。そろそろおいとまさせてもらうよ」
「そう。お茶は飲んでいかないの?」
「いや、悪魔とそこまでうちとけるわけにもいかないのでね」
「ごめんなさいね」
そう言って帰ろうとしたときのことだった。
「お待たせ致しました」
「ふぃ~…やっと終わったぞ…やっぱオラ頭使うんは苦手だぞ…」
説明を終えたのか、グレイフィアとイッセーが戻って来た。
「あはは…お帰りイッセーくん、私達の話は理解できた?」
「ん?おぉ!バッチリだ!おめえ達はその剣をとりけえしに来たってことだろ?んで、その『だてんし?』ってのをぶっ倒しに来たってよ」
イッセーの言葉にイリナは苦笑する。
「うーん…すごくざっくりな覚え方だけど間違いではないかな?だから私達の仕事の邪魔はしないでね?」
「邪魔なんかしねえさ!けど、その『だてんし』って奴強えんだろ?くぅーっ!オラも戦ってみてえぞ!」
お前はどこでも変わらんのぅ……。
「フッ…堕天使の幹部と戦ってみたいだなんて、変わっているのだな、キミは」
ゼノヴィアがイッセーの様子に反応する。
「そっか?強え奴と戦うのってなんかワクワクしてくんだ!」
「ワクワク…か、面白い事を言うものだ…キミ程度が挑んだところですぐに消滅させられてしまうだろうに…」
「そんなのやってみなくちゃわかんねえじゃねえか」
「フフッ…確かにそうだな。それより、そこの金髪の…」
イッセーとの会話を途切り、ゼノヴィアがアーシアを見る。
「兵藤一誠の家で出会った時、もしやと思ったが、アーシア・アルジェントか。こんな極東の地で『魔女』に会おうとはな」
ゼノヴィアの言葉にアーシアはピクリと体を震わせる。
イリナもそれに気づいてアーシアを見る。
「へぇ、あなたが噂になってた元聖女さん?悪魔を癒す力を持っていたから追放されたとは聞いていたけど………まさか、悪魔になっていたとはね」
「あ、あの………私は………」
二人に言い寄られ、対応に困るアーシア。
「安心しろ、このことは上には報告しない―――だが、堕ちれば堕ちるものだな。まだ、我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信じているわけないでしょう?」
「いや、背信行為をする者でも罪の意識を感じながら、信仰心を忘れない者がいる。彼女からもそれと同じものが感じられる」
「そうなの? ねぇ、アーシアさんは今でも主を信じているのかしら?」
その問いにアーシアは悲しそうな表情で答える。
「……捨てきれないだけです。ずっと、信じてきましたから……」
すると、ゼノヴィアは布に包まれた聖剣を突き出した。
「そうか。ならば、今すぐ私達に斬られるといい。罪深くとも、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
その時二人の間に割り込む者が……。
それはイッセーであった。
イッセーはゼノヴィアの聖剣を素手で掴むとその剣先を逸らさせる。
「ッ!(う、動かない!何故悪魔が聖剣を掴める!?)」
刀身を平然と掴むイッセーの力と様子に対してゼノヴィアの表情が初めて驚愕する。
「おめえ、なにしてんだ…!」
「そんなモン向けちゃ危ねえだろ!」
【ズッコォッ!!】
その言葉に部屋の全員が盛大にズッ転ける。
「イッセーくん、怒るとこはそこじゃないと思う…」
今まで黙りを決め込んでいた木場があまりのことにツッコミをいれる。
ゼノヴィアも起きあがり、気を取り直すように話し出す。
「……兵藤一誠、彼女を庇うのか?」
「ん?何言ってんだおめえ。そんなの決まってんじゃねえか!」
「そうか……彼女はキミの何だ?」
「ん?アーシアはオラの家族で仲間だぞ!もしおめえ達がアーシアに手ぇ出すってんならオラが相手になっぞ!」
「イッセーさん…」
イッセーの言葉になんとも言えない微妙な表情を浮かべるアーシア。
グレイフィアとリアスがそれを慰めるようにして肩に手を置いている。
「ほぅ…ならばその魔女の代わりに切ってやろう」
「イッセー、お止メ「丁度良い!それなら僕も相手になろう」裕斗!」
「キミは誰だ?」
「君達の先輩だよ…失敗作だったそうだけどね」
オッス!オラ悟空!
イリナ達と戦うことになったぞ!
どんな戦いになんだろうなぁ!
オラワクワクしてきたぞ!
次回!DRAGONBALL D改!
聖剣vsサイヤ人!勝利の女神はどちらに頬笑む!?