仲間のピンチに颯爽と駆けつけた一誠。
傷つけられた仲間を見て彼は怒りを露わにし、戦いを挑んだ。
激化する戦いだったが、一誠の圧倒的な強さを前にコカビエルは敗れ、その姿を消したのだった。
side界王(ナレーション)
「なっ...くっ...そぉっ...このっ...オレっ...があぁぁ......ッ!!」
蒼い閃光がコカビエルを呑み込みそのまま天高く登っていく。
その閃光は空の彼方まで飛んでいき、やがて見えなくなった。
「......やったの?」
あまりに呆気ない最後に、理解が追いつかないリアスが口を開く。
そう言ってしまうのも当然だろう。つい先程までリアス達に猛威を振るっていたコカビエルの重圧は嘘のように消えている。
「まさか...本当にコカビエルを倒してしまうなんて......」
その事実がリアスを震え上がらせた。
一度は聖書にも書かれたほどの実力の持ち主を、彼は一人で倒してしまったのだ。
この時ほど、彼が私達の味方で本当に良かったと心から思わないことはない......。
敵になった時のことなど考えたくもなかった。
「.........」
コカビエルを消し去ったというのに、一誠はまだ空を見上げていた。
「イッセーくん...?」
その様子に不審に思った朱乃が声を掛けるが、一誠はそれには答えない。
やがて空を見詰めて一人呟いた。
「そこにいんだろ?いつまでも見てねえで出てこいよ」
「イッセー?いったい何を......ッ!!」
リアスがそこまで言いかけたところでその者は姿を現した。
その者は全身をフルプレートタイプの銀色に輝く鎧を身に纏っていた。
しかし、その鎧は所々に損傷が見受けられ、何かあったことはすぐに窺えた。
『くっ...攻撃された上に気付かれていたとは......』
そう発する鎧の人物から聞こえてきた声は男のものだった。
「そんだけの気だ。おめえなら避けられると思ったが、そうはいかなかったみてえだな」
一誠の言葉に男は辛そうながらも苦笑するかのように肩を竦めて言った。
「そこまで読んでの上でやっていたとは...正直、驚愕を禁じ得ないな...。これは、是非とも挑ませてもらいたい.......」
だが、と、鎧の人物は続ける。
「生憎こんな有様だ......。これでは戦えそうもない、なので今回は役割を果たすとしよう」
そう言うと地面に落ちていた。黒い羽を一枚拾い、背中から翼を展開する。
「今日のところは引かせてもらうよ、またいつか、キミに挑ませてもらうぞ。今代の赤龍帝」
「......あぁ、楽しみにしてっぜ」
「フッ...ではまた会おう」
そう言って男が飛び去ろうとした時、不意に赤い籠手からドライグの声が響き渡った。
『久しぶりの再開だというのに無視か?白いの』
その言葉に呼応するように、別の機械音声にも似た声が響く。
『...起きていたのか、赤いの』
『こうして相見えたというのに、こんな状況ではな...』
『フンッ...何も焦ることはない、時間はまだあるのだから。そんなことより、何時もの殺気が段違いに薄いじゃないか、赤いの』
『ハッ...なに、お前以上に興味深い奴がいるだけのことだ。まあ、それはお前も同じなようだが......』
『お前の意見になど同意したくないが、そうだな......。今はお前などに構っている暇はない』
『それはこちらも同じだ...だが、いずれ決着はつけるぞ』
『望むところだ。ではな......』
ニ匹の会話が途切れると、鎧の男は今度こそ夜の闇に紛れるように消えていくのだった。
オッス!オラ悟空!
ふぅ、やっと平和になったぞ...
ん?なんだグレイフィア。い?じゅぎょうさんかん...?なんだそりゃ?
いっ?見に来る?オラをか...?
次回!DRAGONBALL D改!
戻ってきた平和。保護者グレイフィアの授業参観!
ぜってえ見てくれよな!