聖書の堕天使、コカビエルを難なく撃破した孫悟空こと兵藤一誠。
近くで見ていた白龍皇は、羽根だけになったコカビエルを回収すると一誠に宣戦布告をして帰っていくのだった。
side一誠(孫悟空)
オッス、オラ悟空!っとと...違った違った...。
オライッセーだ!!そろそろ間違えねえようにしねえと一誠の奴に怒られちまうな!
コカビエルっちゅう堕天使との戦いが終わってからしばらく経った。
今オラの住んでる駒王町は夏になったぞ!
そういや、あん時、なんでか知らねえけどコカビエルとの戦いが終わった時に......
『さあ、イッセー、祐斗、お尻を出しなさい。覚悟は...出来ているわね?』
って言われて千回くれえケツひっ叩かれたんだ......。
あれは痛かったぞ...オラなんで叩かれたのか分かんなかったんで、小猫やグレイフィアに聞いてみたんだが、二人ともなんか気まずそうに目を逸らしてたんだよな...
オラ、一体なんでケツ叩かれたんだ?
んなこともあったけど、今はそんなことよりも......
「あら、アーシアのお肌は綺麗ね。羨ましいわ」
「そ、そんな...部長さんのお肌の方が白くて決めが細かいと思います」
「あら、うふふ、嬉しいことを言ってくれるわね」
「なあ、おめえ達オラもう出ちゃダメか?」
そんな会話をしながらオラの目の前で身体を洗いあってる二人を見ながら声をかける。
なんでこんな事になってんのかって言うと......
オラがいつもみてえに風呂に入ろうとして風呂場に行ったら着替え中のアーシアと出くわしちまってよ、アーシアが入るのかと思って出ようとした所で今度はリアスが入ってきてこう言ったんだ。
『イッセーもお風呂?あら、アーシアも?』
オラは入れねえなら後でいいと出ようとしたんだけどさ...
『二人待ちもなんだから、三人で入った方が早いわね』
つってオラ達を風呂に押し込まれたんだ。
そんでさっきのの通りだ。オラもなんでこんなことになってんのかってサッパリだ......
ちゅうかよ、年頃の女って裸とか見られんの嫌いじゃなかったんか?
オラ
なのにコイツら、なんでオラがいんのに裸で恥ずかしくねえんだ?
チチが見たら張り倒されそうだから、オラもう出てえんだけど......
「一度イッセーとこんな風にお風呂に入りたかったのよね。だから、まだ出ちゃダメよ?」
っていってオラを出させてくんねえんだ。
オマケに身体をくっつけてなんかしてんだよなぁ
なんでこんなことすんのかオラ、よく分かんねえぞ......
「ねえ、イッセー...私を襲...」
身体をくっつけててきたリアスが言いかけた時だった。
ドボン!と大きな音を立ててオラに何かが抱きついてくる。
何かと思いそっちを見ればそこに居たのは今まで身体を洗っていたアーシアだった。
「仲間外れは嫌です!わ、私だって一緒にお風呂に入りたいのに!!」
そんなことを叫んでリアスに怒るアーシア。
そんなアーシアに今度はリアスも怒り始めやがった......。
「ちょっとアーシアこの際だから言っておくけど、この子は私のなの。私の眷属で、私の下僕。私のイッセーなの。わかる?」
オラ、別にリアスのモンじゃねえんだけどな......
「それを言うなら私はイッセーさんの...し、し、所有物です!!私の所有者であるイッセーさんが私を好きにするのは当然です!」
所有物って...オラ別にアーシアを持ってる訳じゃねえぞ......
なんでアーシアもリアスもそんな訳のわかんねえこと言ってんだ?
「なんですって...?あなたは私の眷属でしょう!」
「確かに眷属です。けど、私の心はイッセーさんのものなんです!!」
オラ、もう何がなんだかわかんなくなって来たぞ......
そんなふうに二人の言い争いが苛烈になってきたその時だった。
「お二人共...私の一誠様の前で、何をなさっているのですか...?」
「「ひっ...!!」」
鬼みてえな顔したグレイフィアが現れた。
「ち、違うのよグレイフィア...私はただ、時間を短縮しようとね...?ね?アーシア?」
「そ、そそそうですぅ!イッセーさん達をお待たせするのも悪いので一緒に入ろって...」
「...言い残すことは、それだけですか?」
急にあたふたしだした二人の言葉をグレイフィアはバッサリ切り捨てていた。
そして二人を両手で軽々とつまみ上げて......
「お話はお部屋でじっくりと聞かせてもらいます。一誠様。大変失礼致しました......。」
「ひっ...イッセーたすけ...」
「.........(ガタガタガタガタ)」
リアスの言葉が最後まで聞こえないで風呂のドアが閉まった。
「ホントに...なんだったんだ?」
一人残されたオラは訳が分からず首を傾げるしかなかった。
◆◇◆◇◆sideChange◇◆◇◆◇
そんなハチャメチャな騒動から翌日の夜のこと......
孫悟空こと兵藤一誠は夜の街を走っていた。
悪魔としての仕事をするためだ。
武空術を使ってさっさといけばいいのだが、修行も兼ねてと一誠は走っている。
「...ん?おっ!アレだな?」
猛スピードで走る一誠だが、視界に目的地の家を捉えると徐々に速度を落とし、やがてある家の前で立ち止まった。
玄関の前に立ち、呼鈴を鳴らす。
呼び鈴を鳴らして少しして玄関の戸が開き黒髪のワルそうな風貌の男が姿を現した。
「よぉー、悪魔くん。いつも悪いな」
依頼者の男は一誠に気づくと面白そうに声を掛けてくる。
「オッス、おっちゃん!また来たぞ!」
「おぉ、相変わらず元気だな悪魔くんは...とりあえず、中に入ってくれ」
「あぁ!」
そんな簡単なやり取りをした後、二人は家の中へと入っていったのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「悪魔くん、今日はゲームでもやらないか?昼間にレースゲームを買ったんだ。相手がいなくて寂しくてな」
「いぃっ!?ゲ、ゲームゥッッ!!?オラやったことねえぞ...」
などと宣う男にさしもの一誠も驚きの声を上げる。
「なんだ、悪魔くんはやったことないのか。じゃあどんなゲームならやれるんだ?」
「いやぁ、オラゲームをやったこと無くてさ......」
「ん?ゲームしたことない?こりゃまた珍しい悪魔もいたもんだ。見たところ学生みたいだってのに、じゃあ普段何をしてるんだ?」
「ん?そうだなぁ、暇な時は大体修行だな!!」
その言葉を聞いた男は目を丸くする。
「修行...?筋トレでもしてるのか?」
「あぁ、筋トレもすっけど、素振りとか仲間と組手なんかもしてっかな」
その言葉に感心したように更に目を丸くする男。
「驚いたな...。今時そんなことをしてる奴がいるなんて思わなかったぞ」
「そうか?オラできんならおっちゃんとも一度戦って見てえんだけどな」
知れっとそんなことを言う一誠に、男の顔が一気に険しくなる。
「お前、気づいてたのか...?いつからだ」
「ん?いつからって、おっちゃんがオラを呼んだ時からだ」
「最初からじゃねえか...なんで今まで黙ってたんだ?」
「黙ってたっちゅうか、オラを呼ん出んのはおっちゃんだろ?ならおっちゃん願い聞かなきゃリアスに怒られっちまうかんな」
これも一応仕事らしいからな!と一誠は特に気にした様子もなく言い切る。
「......はぁ、最初っから気づかれてた上に完全にお客扱いされてたわけね...。まあいいか、じゃあとりあえず自己紹介しておくとしようか」
そう言うと男はその背に六対の漆黒の翼を展開した。
「俺はアザゼル。
「アザゼルのおっちゃんだな?オラ、孫...いや、赤龍帝でサイヤ人の兵藤一誠だ!!」
こうして赤龍帝と堕天使の総督は意外な会合を果たす......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「冗談じゃないわ!」
あの会合から少し、部室へと戻ってきた一誠は目の前のリアスの様子に首を傾げていた。
どうしてリアスが起こっているのか訳が分からないのだろう。
「確かに悪魔、天使、堕天使の三竦みのトップ会談が執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて......!」
全身をプルプルと小刻みに震わせ、リアスは怒りをあらわにする。
そう、リアスの言葉通り、駒王町では近いうちに三大勢力によるトップ会談が行われようとしていた。
原因は、以前のコカビエル襲撃の件である。
「しかも私の可愛いイッセーにまで手を出そうだなんて、万死に値するわ!アザゼルは
「ん?オラリアスに守られるほど弱くねえぞ」
これ見よがしに抱き着こうとしたリアスの言葉を一誠は見事にそれをぶち壊した。
「それによ、なんでリアスはそんなにアザゼルのおっちゃんの事をそんな風に言うんだ?おっちゃんは別に悪い奴じゃねえよ」
「イッセー...そういう問題じゃないのよ...これはね」
リアスがそう口を開いた時であった。
「アザゼルは昔からああいう男だよ、リアス」
ふと、別の声が聞こえてきてその説明を遮った。
その声にリアスが振り向き驚きの声を上げる。
「お、お、お、おお兄様!!!!?」
そう、そこにはリアス・グレモリーの兄であり、現魔王のサーゼクス・ルシファーが立っているのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「寛いでくれたまえ今日はプライベート出来ているんだ」
「すげえ気だ...。オッス!いっちょオラと闘わねえか?」
一誠の言葉に部室中の空気が凍りつく。
「ちょ、ちょっとイッセー!!失礼でしょ!」
「いや、構わないよリアス。君は、たしか兵藤一誠くん、だったね」
リアスが慌てて口開くが、サーゼクスは気にしたこともないように笑顔で口を開く
「あぁ、オラがゴ......イッセーだ」
「キミの話は(グレイフィアから)聞いているよ、一度話してみたかった」
「...?オラとか?」
「あぁ、ライザーを一人で倒せるほどの実力者だ。一度、この目で見ておきたくてね」
「......?」
その様子では忘れておるな?悟空よ、ライザーは前にお主がゲームで戦った相手じゃ。
『
思い出したならさっさと返事をしろ。いつまでも黙ったままでおるでない!
『わ、分かったよ......』
「アイツはオラの仲間傷つけやがったんだ。だからぶっ倒した」
「そうか、ふむ...どうやらリアスはとても良い眷属を手に入れたようだね」
爽やかに微笑むと、サーゼクスはそっと右手を差し出す。
「まだ未熟な妹だが、妹の事、よろしく頼むよ」
「......あぁ!任されたぞ、リアスの兄ちゃん!!」
そして二人は熱い握手を交わすのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そ、それよりお兄さまは、どうしてここに...?」
唐突にやってきたリアスの兄、サーゼクスの来訪に、リアスは恐る恐るといった様子で尋ねる。
するとサーゼクスは真剣な表情である単語を言い放った。
「なにを言っているんだいリアス。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。是非とも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
その言葉にリアスはハッとした表情になり、グレイフィアの方を見る。
「ぐ、グレイフィアね?お兄様に伝えたのは...」
その問いに対し、グレイフィアは平然と頷く。
「はい、学園からの報告はグレモリー眷属のスケジュールを任されている私の元へ届きます。無論、私はサーゼクス様の
「これに関しては大丈夫だと何度も伝えているのだけどね......」
その言葉にサーゼクスが苦笑しながらも補足を入れてくれる。
「まあ、そういう訳で、報告を受けた私は魔王色が激務であろうと、休暇を入れてでも妹の授業参観に参加したかったのだよ。あぁ、安心しなさい、父上もちゃんとお越しになられる」
まさかの返答に、リアスは慌てた様に返す。
「そ、そうではありません!お兄様は魔王なのですよ?仕事をほっぽり出してくるなんて!魔王が一悪魔を特別視されてはいけませんわ!」
そんな兄妹の話を差し置いて、グレイフィアは一誠を連れその場を離れていく。
「一誠様、少しこちらへ...」
「ん?おう」
誘われるがままについていく一誠。
部屋を出ると、グレイフィアは立ち止まり、一誠の方に振り返る。
「一誠様。先程のお話は聞いていましたね?」
「さっき?さっきのってジュギョなんたらって奴のことか?」
「はい、授業参観です。一誠様。その事ですが、その日は私が一誠様の保護者として、授業参観に参りますね」
「ん?おめえ、オラんとこ?くんのか?」
「はい」
「そっか、っていぃぃぃぃ...っ!!!!?」
悟空よ、どうやらその日はお主も大変そうだな......
オッス!オラ悟空!
遂に来ちまった授業参観。
オラよく分かんねえけど、グレイフィアが来るってことだけはわかっぞ......
ん?おめえ、なんでそんなカッコしてんだ?へっ?魔法少女...?
次回!DRAGONBALL D改!
始まる授業参加!魔王少女との初会合?
ぜってえ見てくれよな!