リアスからギャスパーの事情を聞いた一誠達。
後輩のためにも何とかしてやろうと一行は奮起し、ギャスパーに詰め寄る。
そこへ堕天使の総督、アザゼルが現れるが、彼は少し話をすると、彼らに助言を去っていくのだった。
sideナレーション(界王)
翌日の事......
一誠はいつもの如く悪魔稼業に勤しんでいた。
どうやら依然として、魔法陣からの転移は出来ないようで、修行代わりにと徒歩で向かっている。
しかし今日は何やらダンボールが背負われているようだ。
だが一誠よ、三勢力の会談が近いというのにこんなことをしていていいのか?
(それがよ...リアスの奴、こんな時だからこそしっかりと仕事はしないとならないって言っててよ。オラもよく分かんねえし、やれと言われるならやるだけさ)
うぅむ...案外上手いこと使われておるんだなお主......
と、そんなことをしている間に一誠が依頼人の家に着いたようだ。一誠が片手で簡単に戸を叩くと、扉が開き、中から住人らしき男が出てきた。
「おっ、今日はイッセーくんなのか、待ってたよ、さ、入って入って」
「オッス、久しぶりだな森澤のおっちゃん」
招かれるままに一誠はダンボール片手に家の中へと入っていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「それで、気になってたんだけど...その箱は何...?」
森澤と呼ばれた男の視線が一誠の持ち込んだ箱へと向けられる。
「ん?コレか?えっとな?コイツが入ってんだ」
無造作に箱を置きパカリと蓋を開ける一誠。
そして顕になる中身に入っていたのは駒王学園のセーラー服に身を包んだ金髪の女装少年であった......。
「んっ...?んんん...???」
この男の反応も間違いでは決してない......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ギャスパー、出てきてちょうだい。無理して小猫に連れて行かせた私が悪かったわ」
昨夜の一件の後、ギャスパーはまた引きこもってしまった......。
あの後、女装少年と知ったあの青年が暴走し、ギャスパーを怖がらせてしまったのだ......。
暴走する青年を恐怖で停めてしまい、こうして再び引きこもってしまったという訳だ。
元々人見知りを拗らせているのにそんなことになれば嫌にもなる......。
「眷属の誰かと一緒に行けば、あなたの為になると思ったのだけれど......」
『ふぇええええええぇぇぇぇぇえええんっっ!!』
リアスの謝罪の言葉にも耳を貸す気配はなく、ただただギャスパーは泣き続ける。
極度の人見知りに、自分が神器を使いこなせずに迷惑をかけている、ギャスパーが抱える問題は結構複雑なようだ......。
「リアス、教えてくれ...ギャスパーの奴、なんでこんな風になっちまったんだ?」
「......そうね、一誠には話しておいた方がいいわね」
その後、リアスはギャスパーの事情を話してくれた。
リアス曰く、ギャスパーは名門の吸血鬼のを父親に持っていたが、人間の妾との間に生まれたハーフであり純血ではなかった。
吸血鬼という種は、悪魔以上に純血かそうでないかを意識するという、父や兄弟達ですら、ギャスパーを軽視し、侮蔑してきたと言う。
更には、類稀なる吸血鬼の才能を持ちながら特殊な神器を宿してしまっていたため友達もできなかったらしい
仲良くしようとしても、ちょっとした事で相手を停めてしまう。
『ぼ、僕は...こんな神器なんていらない!! だ、だって皆停まっちゃうんだ!! 皆、僕を嫌がる!!僕だって嫌だ!!もう友達を停めたくないよぉ...!!停まった大切な人の顔を見るのは......もう嫌なんだ......』
ギャスパーは家から追い出された後、人間と吸血鬼、どちらの世界でも生きていけずに路頭に迷った。
そして、ヴァンパイアハンターに命を狙われ、落命ところをリアスが拾い、保護したということだった。
「困ったわ......。この子をまた引きこもらせてしまうなんて...... 『
と、リアスは肩を落とし落ち込む。
しかし、この件に関して、リアスに落ち度はない、件のギャスパーにもだ......。
こうなってしまったのは子供のことをちゃんと見ずに頑固な考えでしかものを考えられなかった親たちの責任だろう......。
一誠の顔も心做しか、顔が顰め面に変わっている
「リアス、ここはオラはオラがなんとかする。部長はサーゼクスとの約束があんだろ?」
突然の一誠の言葉にリアス顔を上げる。
「でも...」
尚も心配そうにするリアス。
「でえじょうぶさ!!オラに任してくれ!!いざとなりゃドラゴンボールがある!!」
それはそれで問題ではないか......?
リアスは少し考え込む
「分かったわ、それじゃあギャスパーのこと、お願いするわね...くれぐれも変なことはしないでね?」
ここで、時間を取られては打ち合わせに間に合わなくなると判断したのだろう。
サーゼクス達魔王も忙しいのだろう、時間を延ばしてもらう訳にもいかないだろう......
「あぁ!オラに任しとけ」
リアスは尚も心配そうにギャスパーの部屋を一瞥すると、魔法陣で転移していった。
「さて...あぁ言ったけど...どーすっかな......」
決めてなかったのか......
(ははは...なんとかなると思っててさ、特に何か考えてた訳じゃねえんだ)
良くそれであそこまで自信満々に言えたもんじゃ......
とりあえずと、一誠はギャスパーの部屋の前に座り、何やらを考え始めるのだった。
◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇
「うーん...どうすりゃいいんかな......」
私がそんな一誠様を見掛けたのは偶然でした。
たまたまその場を通り掛かった私は、一誠様が新たな眷属...ギャスパー様の部屋の前に座り考え続けているのを見つけたのです。
中からはギャスパー様の泣き声も聞こえて来ます......。
・・・どういう状況なのでしょうか
私は話を聞いてみようと一誠様に近寄ります。
「一誠様、如何なされましたか?」
私の声に一誠様が気が付き振り向かれました。
「ん?グレイフィアじゃねえか、それがよ...中の奴をどうにかしてえんだけど...どうすりゃいいか分かんなくてよ......」
なるほど...それでこんな所で悩んでおられたのですね。
それならば一誠様の従者であるこの私の出番でしょう......。
「一誠様、その役目、私にお任せくださいませんか?」
「いっ...?」
私の言葉に一誠様が不思議そうな顔をなさいますが、ここは続けましょう。
「一誠様、人には向き、不向きという言葉があります。今の事態が正しくそれに近しいものです。一誠様にはこういったことには不向き...そして私はこういった事には少しばかり心得がございます。ですのでここは私にお任せくださいませんか...?」
「お、おう...なら、おめえに任せていいか...?」
「はい、一誠様は修業に専念なさってください」
「あぁ、んじゃ、後は頼む...」
そうして一誠様はその場を離れて言ってしまいました。
「さて......」
まずはこの泣き続けるギャスパー様をどうにかしなければなりませんね......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それからしばらくの時間がたった頃。
扉の奥はしんと静まり返っていました......。
私はそっと口を開きます。
「ギャスパー様、そんなにご自身力を使うのが怖いですか?」
扉の奥から返事はありません。ですが、もぞもぞと音はするので聞いてはいるようですね......。
私はそのまま続けます。
「ギャスパー様。貴方は、神龍を知っていますか?」
『...え?』
反応がありましたね...続けましょう
「あの古の大戦に出てくる伝説の龍の事なのですが...」
『はい、知ってます...。二天龍を相手に一人で戦い、圧倒的な実力差で鉄槌を降し、姿を消した、黄金の龍の姿をした青年...ですよね』
漸く返答が帰ってきたました。もう少し押してみましょう......。
「その通りです。その後の神龍の話をご存知ですか?」
『...?いえ、続きがあるんですか...?』
「はい、あの青年は...五十年後の冥界へと姿を表したのです」
『未来の...冥界に...?』
ギャスパー様の問いかけに私は小さく頷き、続けます。
「青年はある少女と出会いました。しかし少女は敵に追われ、傷ついていました。敵に追いつかれ絶体絶命の境地に立たされたのです」
『............』
「青年はそれに気が付き、追ってきた敵を難なく倒してしまいました。そして、少女にこういったのです。『困ってる奴を助けるのは当然...』と」
『!!........』
「驚きですよね、悪魔は基本、自分の欲望に忠実です。それをただ相手が困っているからと無償で手を差し伸べる事が出来たのですから」
『そ、それで...神龍は...』
「......残念ながら、名前だけを名乗って消えてしまったそうです...。その後、彼がどこで何をしていたのかは分かりません...」
『凄いですね...二天龍を降しただけでもすごいのに、そのうえ、無償で人助けをできるなんて...』
「これはある方から聞いた話ですが、かの神龍も、最初から強くはなかったそうですよ」
『えっ...??』
「勝つよりも、負けることの方が多かったそうです」
ですが、と私は続けざまに......。
「いつだって諦めず、必死に努力して強くなろうと我武者羅に努力した。『世界でいっとー強くなろうって修行してきた』と仰っていました」
『......僕にも、出来るでしょうか...」
扉が少し開き、ギャスパー様が顔を出してくれました。
「えっ...?」
「僕も、神龍みたいに必死で努力したら、強くなれるでしょうか?」
そうですね、それならば自信を持って肯定出来ます。
「はい、絶対に...あの方があそこまで強くなれたのです。貴方もきっと強くなれます。この私が保証してあげましょう」
その言葉を聞いた瞬間、ギャスパー様の顔がパアッ!と明るくなりました。
「ぼ、僕!頑張ります!!神龍の!!憧れの人に近づけるように!!」
その顔には決意が満ち溢れています。
この分なら、もう大丈夫でしょう......。
「そんなあなたに良いことを教えてあげましょう。神龍は今、私達の近くにいますよ」
「えぇっ...!?だ、誰ですかぁ!!」
「クスッ...それは、自分で探してみることです。きっと貴方なら分かるでしょう」
「!はい!!ぼ、僕、頑張って見つけますぅ...!!」
私に出来ることはここまでです。一誠様、後はお願いしますね
オッス!オラ悟空!!
なんかよく分かんねえけど朱乃に呼ばれて神社に来たけど...
オラなんでこんなとこに呼び出されたんだ?
おっ?朱乃、オラに何の用...ん?誰だおめぇ...?
次回!DRAGONBALL D改!
長年越しの再会!一誠と天使長!
ぜってえ見てくれよな!