DRAGON BALL D改   作:榛猫(筆休め中)

7 / 58
前回までのあらすじじゃ…

復活するところリアスに見られてしまった一誠。

その場はなんとか乗りきるも次の日に再度呼び出されてしまう…。

木場の案内で一誠を待ち受けていたものとは…!


『私たちはあなたを歓迎するわ、悪魔としてね♪』

果たしてどうなる!?


二度目の転生!甦れサイヤの力!

 

「そういうことか…おめえ達から感じる気が違ったんはそういことだったんか」

 

特に驚くこともなく話す一誠にリアスは感心したように言う。

 

 

「気付かれていたのね、それじゃあ本題に…入る前に一つだけ聞きたいことがあるのよ」

 

 

「ん?オラにか?」

 

 

「あなたの呼び名よ、一誠って少し堅苦しいでしょ?だからもう少し呼びやすいものはないかしら?」

 

 

「うーん…呼び名かぁ…はは…良く思い浮かばねえからリアス先輩達が呼びやすいやつにしてくれていいぞ」

 

そう言われ、リアスは少し考え込むとやがて口を開いた。

 

 

「そうね、それじゃあイッセーって呼ばせてもらうわ。さて、そろそろ本題に入りたいのだけど…」

 

 

「あぁ、何でも聞いてくれ!」

 

 

「それじゃあ1つめに、貴方は何者なの…?」

 

最初からこれが聞きたかったとでも言うように

 

リアス先輩は手を組んで聞いてくる

 

 

「オラか?オラ孫g…じゃなかった…。オラ兵藤一誠だ!」

 

聞かれたとおりに答える一誠。

 

 

「…なぜ言い直したのか気になるけれど…

それは置いておいて、名前を聞いた訳ではないの…

聞き方を変えるわね、貴方の正体はなに?」

 

 

「オラの正体?オラ普通の人間だぞ?」

 

 

「そうなのね、百歩譲ってその返答に納得してあげる。

じゃあ、あの時の事について説明してもらえるかしら?」

 

 

「ん?あん時ってなんかあったっけか?」

 

 

【ズコッ…】

 

一誠の間抜けな返答にさしものリアスもずっこける…。

 

 

「……昨晩の出来事よ」

 

 

「昨晩?あぁ!あん時のことか!うーん…何て言えばいっかな……」

 

おい、悟空よ…お前どう答えるつもりだ?素直に話してしまったらややこしくなるんだそ?

 

 

『そんなこと言われなくても分かってっさ界王さま…』

 

なら良いが…お前はたまに物事をきちんと理解していないときがあるからな…。

 

 

『でぇじょうぶだって…界王さまもしつけえなぁ……』

 

お前がそうさせとるんじゃ!

 

……と、そんなやり取りをした後、一誠は少し考えてから話し出した。

 

 

「簡単に説明すっと、オラはある奴に頼まれてこの身体で生きけえったんだ。別のある奴の力を借りてな」

 

 

「ということは、あなたはただ生き返ったというわけではないのね?」

 

 

「あぁ、オラは元々幽霊みてえなもんだったかんな…ソイツに頼まれるまでこんなことになるとは思っても見なかった……」

 

 

「そう、じゃあその力を貸してくれた別の方はどんな人なの?」

 

リアスの問いに一誠は首を横に振る。

 

 

「悪りいけど、それは教えらんねえんだ…そういう決まりでよ」

 

 

「そう、出来たらその方のことも聞きたかったけれどそういう事なら仕方ないわね」

 

リアスもそれ以上は聞こうとはせず、部屋の中に沈黙が降りる。

 

 

「なあ、昨日の話はしたし、オラもう帰っていいか?」

 

そう言って一誠が帰ろうとした時だった。

 

 

「少し待って、まだ用があるのよ…。」

 

 

「ん?まだあるんか?」

 

その言葉に足を止め振り返る一誠。

 

しかし次に飛んできた言葉はとんでもないものだった…。

 

 

「えぇ、あなた、悪魔になってみる気はない?」

 

その言葉を聞いて、一誠は警戒を高める。

 

そう、一誠は過去に悪魔と呼ばれる者達と三度戦ったことがあるのだ…。

 

一人は神の悪の心が分離した、ピッコロ大魔王…。

 

もう一人は父のあとを継ぎ、世界を征服しようとしたガーリックJr.…。

 

そして最後は自身を悪魔と言い、自らの親に手をかけ、悟空達に襲いかかってきたサイヤ人、ブロリー…。

 

そんなやつらと戦ってきたことがある一誠からすれば、悪魔には良い印象は持っていない。

 

 

警戒しながらも一誠は聞いてみる

 

 

「…悪魔っちゅうんは、世界を征服しようとしたり、見境なく人を殺したりするんか?」

 

それを聞いたリアスは嫌悪の表情を浮かべて言う。

 

 

「そんなわけないじゃない…私達悪魔はそんな通り魔みたいなことはしないわ」

 

その答えに一誠は警戒を解く…。

 

 

「そっか、オラは強えやつらと戦えんなら悪魔になってもいい」

 

一誠の言葉にリアスは笑顔で頷いて

 

 

「えぇ、その辺りは保証するわ、

じゃあ、少しじっとしていてね」

 

そう言ってリアスは立ち上がると懐から小さな小物を取り出して一誠のもとまでやって来る。

 

よく見ると、それはチェスで使われる駒だった。

 

そしてそれを一誠の胸辺りにを当てながら話す。

 

「これは゛悪魔の駒(イーヴィル・ピース)というものよ、今からこれであなたを転生させるわ」

 

そう言ってリアスは何やら呪文を唱え出した。

 

すると一誠の足元に魔方陣が浮かび上がる。

 

 

「我が名リアス・グレモリーによって命ずる…

この者を悪魔へと転生したまえ」

 

すると、悪魔の駒が少し紅色の光を放ったが

 

すぐに光は消えてしまった。

 

 

「一個じゃ足りないのね…」

 

それなら、とリアス先輩は駒を二個、三個と数を増やしていき、八個目になった。

 

 

「まさか、兵士の駒全部使うことになるなんてね…

まあいいわ、我が名、リアス・グレモリーによって命ずる…

この者を悪魔へと転生したまえ」

 

そう言って再度呪文を詠唱するリアス

 

すると今度は光が消えることはなくスゥッと

 

一誠の中へと入っていった。

 

すると同時に一誠の身体も金色の輝きを放ち出す。

 

 

「な、なに!?」

 

驚いているリアス達を他所に場面はどんどん進んでいく…。

 

金色の輝きが一層強まり部屋全体を包み込む…。

 

 

【ポポポポポポポンッ!】

 

まるで何かが射出されるような音がすると、光は唐突に収まる。

 

 

「いったい、なんだったの?」

 

困惑するリアスにポニーテールの女がある物を見つけてリアスに見せる。

 

 

「部長、これを…」

 

 

「え?何…これ?」

 

それは悪魔の駒(イーヴィル・ピース)程の大きさのオレンジ色をした小さな玉であった…。

 

良く見ると、なかに小さな星が幾つも描かれている

 

更に困惑するリアス達を他所に木場達も困惑していた。

 

 

「あの…君、一誠くん…なんだよね?」

 

 

「……まるで別人」

 

 

「ん?何言ってんだ?おめえ達」

 

一誠は気付いていないようだが、その姿が変わっているのだ…。

 

体つきや顔立ち等は変わってはいないが、髪型が前世での悟空のものになっているのだ…。

 

 

「……大丈夫ですか?先輩、すごく光ってましたけど…ッ!?」

 

小柄な少女がそこまで言いかけて言い詰まる。

 

 

「?どうかしたんか?」

 

 

「……せ、先輩…それ…」

 

信じられないものを見るかのように一誠の腰辺りを指す少女…。

 

一誠も疑問符を浮かべながら腰の辺りに目をやる…。

 

 

【フリフリッ】

 

なんと、そこにはとても見覚えのあるものがついていた…。

 

 

「いいっ!?し、尻尾だ!なんでこいつが!?」

 

驚く一誠の頭に不意に声が聞こえてくる。

 

  

『おい、孫悟空、聞こえるか?』 

 

と、なんとも聞きなれた声が聞こえてきた。

 

 

(この声は一星龍か、どうしたんだ?)

 

 

『ようやく繋がったか…超神龍(スーパーシェンロン)から話は聞いている…。お前がそちらに向かってから

何度も連絡を入れたのだが全く繋がらなかったのだ…。

とりあえずは繋がってよかった』

 

一星龍が安心したように話している。

 

(そんなことよりどうしたんだよ?何かあったんか?)

 

 

『いや、お前の今の身体についての説明だ…

いいか?一度しか言わんからよく聞け』

 

そう言って一星龍はゆっくりと話し出した。

 

 

『先ず、今のお前は人間ではあるが

もう1つ眠っている力がある』

 

 

(もうひとつの力?)

 

 

『お前もよく使っていただろうサイヤ人の力だ…

その力は人としての生が終わると自然と覚醒するようになっている…因みに尻尾の方は収納可能にしてある

それが外に出ているときは大猿化出来るが

理性は保てるようにしておいた』

 

 

(ひえっ!?大猿化しても理性がとばねえんか!

すっげえなぁ!)

 

 

『そのくらいの細工などワシにかかればお手の物よ

では、そっちでの生活を楽しめ』

 

 

(あぁ!ありがとな!)

 

それだけを伝えると、一星龍の声は遠ざかっていき消えた。

 

一誠が意識を戻すと少女がが心配そうに

 

一誠の事を見ていた。

 

 

「……あの、本当に大丈夫ですか?」

 

 

「あぁ、大丈夫だ問題ねえさ!」

 

そう言って一誠は少女の頭を軽く頭を撫でる…。

 

 

「えっと…イッセー?その腰から生えているものはいったい何?」

 

リアスが不審げに聞いてくる…。

 

一誠は転生は上手くいったこと、そして、サイヤ人として覚醒した事、なぜ駒が飛び出したのかを説明した。

 

 

「なるほどね…イッセーの中にはまだ他にも眠っている力があったのね、その力が悪魔の駒の力を弾き飛ばしたのね…

朱乃、少しイッセーを調べてみてもらえる?」

 

リアスは納得したように頷いてから朱乃先輩に告げた

 

 

「はい、部長 うふふ、一誠くん少しだけじっとしていてくださいね」

 

そう言うと朱乃と呼ばれた女が一誠に近づいて何かを探り始めた。

 

何かを調べていく朱乃、しばらくして手を離し…。

 

 

「部長、分かりましたわ。一誠くんは確かに人間に良く似た種族と悪魔になっていますわ、ですが、少しだけ違うところがありました」

 

朱乃の言葉に首を傾げる一誠…。

 

 

「どういうことかしら?」

 

リアスの問いに朱乃は真顔で答える。

 

 

「一誠くんは九割がサイヤ人で一割が悪魔になってますわ…。簡単に言ってしまうと今の一誠くんは限りなく悪魔に近い人間といったところなのですわね」

 

 

「??」

 

一誠が良くわからずに首を捻っていると

 

 

「要するに一誠くんは悪魔という定義には当てはまらないのですわ。あくまで悪魔に近い人間ということです」

 

それは一誠が完全に悪魔にはなってないということだった。

 

 

「こんなことは始めてよ…まさか転生したのに

悪魔にはならないでそのメリットだけを持った

人間になるなんて…いえ、サイヤ人だったわね」

 

リアスが頭を抱えて溜め息をついている…。

 

 

「とりあえずグレモリーの眷属にはなっているのよね?」

 

 

「はい、部長の下僕にはちゃんとなっていますわ」

 

朱乃のその言葉にリアスは頷いて一誠の方にみる。

 

 

「イッセー、転生は成功よ、とりあえず悪魔としての仕事を覚えてもらうからこのチラシ配りをお願いね」

 

そう言って一誠に大量のチラシの束を渡してくる

 

 

「いいっ!!これ全部配るんか!?」

 

 

「これも立派な仕事よ?お願いね」

 

可愛げにウインクをしながら話すリアス

 

 

「仕方ねえ!いっちょやってくっか!と…その前に朱乃…先輩、悪りいんだけどこの服と同じ柄で重い物を作ってくれねえかな?」

 

 

「え?この制服と同じ柄で重い物…ですか?」

 

 

「あぁ、出来っか?」

 

 

「えぇ、出来ますわ…。どのくらいの重さにすれば良いかしら?」

 

 

「そうだな、とりあえず二十キロくれぇで頼む」

 

 

「分かりましたわ」

 

そう言うと魔力で二十キロの制服を作り上げる朱乃。

 

 

「はい、これでよろしいですか?」

 

 

「サンキュー!そんじゃ、こいつに着て…んぐぐッ!!やっぱ重めぇなぁ…ッ!!」

 

制服の上から更に制服を着ると

 

一誠は二十キロ制服とチラシの束を抱え夜の町へと走っていくのだった。

 




オッス!オラ悟空!

悪魔になってから一週間が経ったぞ!

身体の方も少しずつ重りに慣れてきた!

ん?あれ誰だ? 


次回!DRAGON BALL D改!

麗しのシスター!追放の魔女アーシア・アルジェント!

ぜってえ見てくれよな!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。