DRAGON BALL D改   作:榛猫(筆休め中)

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前回までのあらすじじゃ...

昨晩のことを説明するためにオカルト研究部へと向かったイッセー

そこで悪魔へと転生してしまう...。

そしてさらに強くなるため重りを付けてチラシ配りへと向かうのだった。

そんなことでいいのかイッセー!?


麗しのシスター!追放の魔女アーシア・アルジェント

 

一誠が悪魔に転生して一週間が経とうという頃...。

 

 

「よし!んじゃ、部長!オラ行ってくっぞ!」

 

大量のチラシの箱を背負い、ニ十キロ重り制服を着込んだ少年、兵藤一誠が立ち上がる

 

しかし、それはすんでの所でリアスに呼び止められる。

 

 

「イッセー、待って...もうチラシ配りはしなくていいわ」

 

不意にそう言われイッセーは足を止め振り返る。

 

 

「チラシ配りしねえでいいって...じゃあオラ何すりゃいいんだ?」

 

頭に疑問符を浮かべながら問いかける。

 

 

「あなたにもそろそろ契約を取ってもらわないとね♪それに、本来チラシ配りは使い魔の仕事なのよ...。イッセーは悪魔になりたてだったから慣れてもらうためにやってもらってたけれど...」

 

 

「そうだったんか、っちゅうことはあれか?オラもうチラシ配んなくていいってことか?」

 

 

「まあ、そういうことになるわね」

 

 

「そっか、アレ結構良い修行になってたんだけどなぁ...」

 

一誠がそんなことを呟くとリアスは苦笑、朱乃はクスクス笑って話す。

 

 

「あらあら、相変わらず修行がお好きなんですのね...」

 

 

「あはは…さすがは戦闘民族...だね」

 

 

「......修行バカです」

 

三者三様に好きなことを言っている。

 

 

 

「ひっでえなぁ!おめえ達...」

 

まあ、お主の事じゃからあながち間違ってはいないがの...。

 

 

『界王さまもかよぉ...』

 

と、そんなやり取りでひとしきり笑った後、リアスが不意に切り出した。

 

 

「それじゃあ、そろそろ本題に入るわね、今回イッセーに行ってもらうのは依頼なんだけど、実は小猫宛のものだったのよ...。けど、小猫の方も先に依頼が入ってしまっているからあなたにお願いしたいのよ」

 

 

「そうなんか?わかった!」

 

 

「......よろしくお願いします。先輩」

 

 

「おぉ!任せとけ!」

 

 

「それじゃあイッセーくん、この上に立ってください」

 

呼ばれて朱乃の方を見ると、そこには大きめの魔方陣が展開していた。

 

 

「ん?ここに乗ればいいんか?」

 

 

「はい、それで依頼主の所まで一息で飛んで行けますわ」

 

 

「へえ!!すっげえなぁ!んじゃ、行ってくる!」

 

そう言うと、一イッセーの姿は魔方陣の光に包まれ見えなくなる。

 

 

「ッ!!」

 

あまりの眩しさにイッセー自身も目を瞑る。

 

しかし、次に目に写り込んだの依頼主の部屋ではなく、困ったようにしているオカケンメンバーの姿だった。

 

 

「...あり?」

 

事態がよく理解できず首を傾げるイッセーにリアスが説明してくれる。

 

 

「イッセー、残念だけれどあなたは転移できないみたいなの...」

 

 

「へ?ってことはオラはどうやっていけばいいんだ?」

 

 

「・・・歩いて向かうしかないわね」

 

申し訳なさそうに言うリアスだが、イッセーは大して気にした様子はない。

 

 

「そっか、ならそうすっかな!んじゃ、行ってくっぞ!」

 

まるで何事も無いかのように窓の方へ向かうとおもむろに窓を開け足をかけるイッセー。

 

 

「い、イッセー?何をしt...」

 

そこまでリアスが言いかけたところでイッセーは窓から飛び降りる。

 

 

「「「「イッセー((くん))(先輩)!?」」」」

 

メンバーたちは驚いて慌てて窓の所に駆け寄る。

 

すると、今しがた落ちたはずのイッセーがフワフワと浮かんで窓の所まで上がって来ていた。

 

それを見たメンバーは驚きで声が出ない。

 

 

 

「飛んだ方が早そうだかんな、んじゃ、またな!」

 

それだけ言うとイッセーは夜の空に飛んで行くのだった。

 

 

 

 

_____________

 

 

 

 

しばらく飛んでいたイッセーは依頼主の家に到着した。

 

家の前に降り立つと戸を軽くたたいて声をかける。

 

 

「えっと、リアスんとこの使いで来た悪魔だけんど!開けてくれっか?」

 

声をかけてから少しして戸が少し開いて中から男が一人出てきた。

 

 

「・・・なんだって?」

 

 

「オッス!だからリアスの使いで来たんだって...おめえ、悪魔呼んだんだろ?」

 

 

「キミが悪魔だって?嘘つけ!悪魔は魔方陣から来るはずだろ?戸を叩いてくる悪魔がどこにいるんだ」

 

 

「んなこといわれても仕方ねえじゃねえか...オラ転移できねえんだからさぁ」

 

そう話すイッセーに男はため息を吐きつつ話す。

 

 

「はぁ、とりあえず入ってくれ...中で話を聞くから」

 

 

「あぁ、サンキュー!」

 

男の後に続いてイッセーも中へと入っていく。

 

 

「それで?君が悪魔だというのは百歩譲って納得するとして、僕が呼んだのは小猫ちゃんだ。君じゃない」

 

 

「小猫はちっと別の仕事が入っちまって来られねえんだよ、だから代わりにオラが来たんだ」

 

 

「別の仕事か、それなら仕方ないか...それより君は何ができるんだい?」

 

その言葉でイッセーは少し考え込んでから答える。

 

 

「オラ気なら使えっぞ」

 

 

「ッ!?気...だと!じゃ、じゃあドラゴン波は使えるのか!?」

 

『気』という単語に食いついてきた依頼主。

 

 

「ドラゴン波?どういう奴だ?」

 

 

「こういうものだよ!」

 

若干興奮気味に依頼主は一冊のマンガの一ページを見せてくる。

 

そこには悟空そっくりの青年とベジータそっくりの青年がエネルギーの打ち合いをしているというものだった。

 

 

「どっちのがドラゴン波なんだ?」

 

 

「ボサボサ髪の方だよ」

 

どうやらドラゴン波を撃っているのは悟空似の方の人物らしい。

 

 

「おぉ、これなら多分できっぞ?」

 

 

「ほ、本当かい!是非見せてほしい!」

 

 

「分かった!なら外に行こうぜ、ここだと危ぶねえかんな」

 

 

「あぁ、それもそうだね」

 

そうして二人は外に向かうのだった。

 

 

 

 

___________________

 

 

 

 

二人が訪れたのは近くの空き地であった。

 

 

「ここならいいか、そんじゃ、ちっと離れていてくれ」

 

依頼主に指示を出し、先程漫画で見た通りの動きをしていく。

 

構えながら手に気を集中させていく。

 

思い描くのは先程の一場面...。

 

あの作品の主人公になりきってイッセーは叫ぶ。

 

 

「いくぞ!ドラゴン波!」

 

その台詞と共に左腕を空へと突き出す。

 

 

【グオォォォォォォォォォォォッッ!!】

 

すると、真っ赤な竜の形をしたエネルギー波が夜の闇を照らすように放たれる。

 

やがて龍は雲を突き破り空の彼方へと消えていった。

 

 

 

「おぉ…これが本場のドラゴン波...凄い...」

 

近くで感動している依頼主の声がする。

 

 

「なんとかできたみてえだ、んでおっちゃんこれでいいんか?」

 

 

「あぁ、満足だよ!ぜひ契約させてくれ」

 

こうしてイッセーの記念すべき初契約は見事成功に終わった。

 

余談だが、その後イッセーがいきなり契約を取ってきたことで部員たちはかなり驚いていた。

 

 

 

_____________

 

 

それからさらに数日後のこと...。

 

 

イッセーが依頼主のもとに着くと依頼主はなんと漢女であった。

 

漢女、自身をミルタンと呼んだその男は魔法が使えるようになりたいと言った。

 

魔法の心得がないイッセーは変わりに気の使い方を教えた。

 

その特訓が気に入ったのかイッセーはミルタンに朝方までその特訓に付き合わされてしまった。

 

おかげで無事に契約は取れた様ではあるが...。

 

 

「くぁ...眠みぃなぁ...まさか朝まで続けるなんて思わなかったぞ」

 

契約の帰り道、イッセーは欠伸をしながら部室へと戻っている最中だった。

 

 

「早く帰って寝ねえと...「はわうっ!(ドサッ)」ん?」

 

イッセーが足を速めようとした時、声が聞こえてきてイッセーはそちらを向く。

 

するとそこには盛大にズッコケているシスターの姿があった。

 

 

「うぅ...何故転んでしまうのでしょう...」

 

涙目になりながらもなんとか立ち上がろうとしてまた転ける。

 

あまりに盛大に転ぶせいでスカートの中が見えてしまっているシスター。

 

 

「おーい、おめえでえじょうぶか?」

 

その姿に流石に見かねたのか、イッセーは声をかける。

 

 

「え?は、はい!大丈夫です!」

 

イッセーに気が付いたシスターが立ち上がり振り向く。

 

しかし、その拍子に被っていたローブが風で飛んで行ってしまう。

 

 

「あっ!」

 

 

「おっとぉ!(パシッ)」

 

イッセーは一跳びで跳び上がりそのローブをキャッチしてシスターに渡す。

 

 

「ほれ、おめえんだろ?」

 

 

「あっ!ありがとうございます!助かりました」

 

 

「気いつけろ?オラはいいけんどさっきみてえなこと他の奴にやってたらどうなるか分かんねえかんな」

 

 

「さっきの事...?」

 

ピンとこないのかキョトンとしているシスター。

 

 

「おめえさっき盛大に転んでたろ?そん時に下着が丸見えだったぞ」

 

 

「へ?・・・・///(ボンッ)」

 

瞬く間に顔をトマトの様に染め上げるシスター。

 

あせあせとスカートを押さえるとはにかみながら言った。

 

 

「あはは...お見苦しいものをお見せしました...」

 

 

「おぉ、気にすんな!…にしてもおめえ見ねえ顔だけど、どこから来たんだ?」

 

そう聞いたところでシスターは思い出したような顔をする。

 

 

「えっと、実は私、イタリアから来たばかりで右も左も分からなくて...」

 

 

「イタリアァ!?ってどこだ?」

 

と、ここですかさずイッセーのボケが投げ込まれる。

 

 

「え、えっと...ここよりずっと遠くにある大きな町です」

 

そんなイッセーの天然のボケに健気に説明してくれるシスター。

 

 

「へぇ!そんな遠くから来たんか!そんじゃどこかに行く途中だったんじゃねえか?」

 

 

「はい、この街の協会に行きたかったんですけど、道を聞こうにも言葉が通じなくて...」

 

 

「教会?ならオラ一個知ってから案内してやっぞ!」

 

その言葉に目を輝かせるシスター。

 

 

「本当ですか!?これも主のお導きですね!」

 

そう言って祈るように手を合わせる。

 

普通の悪魔ならばここで頭痛に苛まれるはずだがイッセ-は別段気にした風ではなくそれを見守っていた。

 

 

「......それでは行きましょうか、案内お願いします」

 

 

「あぁ!」

 

そうして二人は教会へ向けて歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていた二人は町外れの教会の前にいた。

 

 

「あ!ここです!間違いありません!」

 

 

「お、そりゃあ良かったぞ」

 

 

「はい!お礼をしたいので中でお茶でも」

 

そこまで言いかけたところでシスターの言葉はイッセーによって遮られる。

 

 

「悪りい...オラ用があっからさ...そいつはまた今度にしてくれ」

 

そう言うとシスターは残念そうに肩を落とす。

 

 

「そうですか...それは残念です...。じゃ、じゃあ!あなたのお名前だけでも教えてください」

 

 

「オラか?オラ孫ご...じゃねえやオラ、兵藤一誠だ!イッセーって呼んでくれ!」

 

 

「イッセーさんですね、私はアーシア・アルジェントと申します。いつかまた必ずお会いしましょう!イッセーさん!」

 

こうしてイッセーはアーシアと別れ今度こそ部室へ戻っていくのだった。

 

 

 




オッス!オラ悟空!

けえったら(帰ったら)部長が激怒してたぞ...

どうやらオラは相当危なかったらしい。

ん?またどっかいくんか?

次回!DragonBall D改!

はぐれ悪魔討伐!バイザーVSイッセー!

ぜってえ見てくれよな!

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