契約の帰り道、謎のシスター、アーシア・アルジェントと出会ったイッセー。
アーシアを送り届けるため町外れの教会まで案内してから別れを告げ、イッセーはオカルト研究部へと帰っていくのだった。
「二度と教会に近づいては駄目よ...」
オカ研の部室でイッセーはリアスに叱られていた。
「い?なんでだ?オラ別に何ともなかったぞ?」
イッセー自身なぜそのようなことを言われるのか見当がつかないらしく首を傾げている。
そんなイッセーを見てリアスは軽くため息を吐いて答える。
「いい?イッセー、教会というのは元々神聖な者たちが集う場所なの、そんなところに私達のような悪魔が立ち入ればどうなると思う?」
そう聞かれてもイッセーには全くピンと理解出来ていないのか首を傾げる。
「そもそも私達悪魔は教会に近づいてはならないの、もし近づけばすぐさま光の槍が身体を貫くわ...私達にとって光は猛毒...掠ってしまうだけでも致命傷にもなりえるのだから...あなたも下手をしたらその場で光の槍に貫かれていても不思議ではなかったのだから...」
そこまで言われてようやくイッセーは自身がどれほど危険な綱渡りをしていたのかを理解する。
「ひえっ!オラそんなに危なかったんか...」
「今後は気を付けてちょうだい、あなたは悪魔ではないけれど、それでも刃物で体を貫かれれば死んでしまうのだから...本当に、あなたが無事でよかった...」
そう言ってリアスは優しくイッセーを抱きしめる。
「......すんません」
流石のイッセーもここまで心配されているとは思わなかったのか若干頬を赤くしながらも素直に謝っていた。
その言葉を聞いたリアスはそっとイッセーから離れると不意に口を開いた。
「そういえばあなたに聞いておきたいことがあったのよ」
「?オラに聞きてえこと?なんだ?」
「えぇ、これを見てくれるかしら」
そういってリアスは自身の机の上から小さなオレンジ色の小さな玉を持ってきてイッセーに見せる。
「ッ!?そりゃあ...」
それを見たイッセーは驚愕をしたように表情をする。
「やっぱり知っているのね...これはあなたを転生させたときにあなたの中から飛び出したものよ、多分、転生の時に使った
リアスの言葉にイッセーは表情を引き締めて神妙に頷き話し始めた。
「あぁ、オラは確かにソイツの事を知ってる...。ソイツはの名はドラゴンボールっちゅうて七つ集めて呪文を唱えっとどんな願いでも一つだけ叶えてくれる不思議な球だ」
あまりの予想外な答えにリアスは目を見開く。
「どんな願いも叶えてくれる...ですって?」
「あぁ、だが、ソイツはもうずーっと
イッセーが続けてそう話すがリアスの耳には届いていないようであった。
「願いを...なんでも...」
うわ言にように呟きながらじっとドラゴンボールを眺めるリアス。
「?おーい部長?聞いてっか?」
リアスの様子がおかしいことに気づいたイッセーが顔を近づけ、少し大きめに声をかける。
「キャッ!な、なに?」
声をかけられ正気に戻ったリアスはイッセーはの顔が近くにあることに小さく悲鳴を上げるが、すぐに冷静さを取り戻しそう問いかけた。
「いや、なんか様子が変だったから声かけたんだけどよ...でえじょうぶか?」
そう告げられてリアスは今しがたの自分の行動にハッとする。
しかしそれを表には出さずあくまで冷静の応える。
「大丈夫よ、少し信じられない話で考え込んでいただけだから...それで、そのドラゴンボールがなぜあなたの中から出てきたの?」
その問いにイッセーは首を横に振って答える。
「それはオラにもわからねえ...なんでこんなことになってんのかさっぱりだ」
「そう、それじゃあ仕方ないわね...とりあえず、この球は私が預かっておいていいかしら?」
「おぉ!そんなに小っせえとオラ無くしちまいそうだかんな!」
「じゃあ私が預かっておくわね、これが必要な時は言ってちょうだい」
「わかった!」
そうしてドラゴンボールはまた机の上に戻される。
そのすぐ後に声がかけられた。
「あらあら、お話は済みましたか?」
二人は声のした方を振り向く、そこにいたのは副部長の朱乃であった。
「あら、朱乃。どうしたの?」
リアスが問いかけると朱乃はニコニコした笑顔から一転真面目な表情となって言った。
「大公から依頼が届きました...」
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その日の夜中...。イッセー達はある廃家に来ていた。
奥に進んでいくとオカルト研究部のメンバーであり、イッセーの後輩である塔城小猫が不意に足を止めボソリと呟いた。
「......血の匂い」
それを聞いたイッセーもそれには気づいていた。
転生してサイヤ人としての力が目覚めたからだろうか、イッセーは生前の孫悟空であった頃の嗅覚が戻っていた。
気を引き締め、辺りを警戒する。
するとリアスが不意に声をかけてくる。
「イッセー、良い機会だから悪魔としての戦いを経験しなさい」
「悪魔としての戦い?」
「そう、悪魔は基本的に戦い方に役割があるのよ、今日はあなたは見学ね、他の子たちの戦いを見て覚えなさい。ついでに下僕の特性も教えるわ」
難しい単語ばかりでイッセーの頭はもはやパンク寸前だった。
だが、それは奥から感じ取った気で一瞬の内に覚める。
「こっちに何かいる...」
「ちょっイッセー!?待ちなさい!どこに行くの!」
リアスの制止を無視し、イッセーはどんどん奥へと進んでいく。
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最奥の部屋に来るとそこには得体のしれないナニカが蠢いていた。
ナニカはイッセーに気が付き不気味な低い声を漏らす
「不味そうな匂いがするぞ?でも、遠くに旨そうな匂いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
そう話すナニカの言葉は一切無視してイッセーは辺りを見回す。
そこには、夥しい血だまりやおそらく人間だったのだろう肉片が転がっていた。
「...これはおめえがやったんか?」
「うん?あぁそうさ...私が全部食い殺してやった...」
下卑た笑みを浮かべ、ナニカは笑う。
イッセーは何かを睨みつけると叫ぶ。
「罪のねえ奴を次から次に殺しやがって...許さんぞ!貴様ぁぁぁぁ...!!」
イッセーは憤怒の形相でナニカに向けて突っ込んでいく。
「界王拳!!」
【ドンッ!!】
『Boost!!』
突っ込みながら界王拳と無意識に己の中に宿る神器を発動させ、全身を赤く光らせながら渾身の力で何かをぶん殴る。
「だりゃぁぁぁぁッッ!!」
【ドゴンッ!!】
「グオァッ!」
下品に笑っていたナニカは勢いよく吹っ飛ばされていく。
【ギュンッ!!】
『Boost!!』
二回目に機械音と空気がこすれる音がした直後、イッセーの拳がナニカの背中に突き刺さっていた。
「ふっ!でりゃぁぁぁぁ!!」
【ドゴォッ!!】
「ゴハッ!!」
何が起きているのかも理解できずにナニカは再度吹っ飛んでいく。
その後もイッセーによる界王拳ラッシュは続き...。
「・・・なんなの...これ...」
「あらあら、イッセーくんがバイサー相手に無双してますわね」
「はぐれ悪魔相手が手も足でないなんて...」
「......あっちの方が化け物です」
後から来たオカルト研究部のメンバーたちはその光景を驚愕、または唖然としながら見守っていた。
「でぇりゃりゃりゃりゃ!だりゃあぁぁぁぁ!!!!」
「ガッハァ!!」
ラッシュを決めていたイッセーが不意に天高くバイサーを殴り飛ばす。
そして両手を腰のあたりで構え...。
「かぁ...」
「めぇ...」
「はぁ...」
「めぇ…」
すると、イッセーの手の中に蒼く輝く光球が現れる
「っ!みんな!急いでここから離れて!」
リアスが何かを感じ取り、急いで指示を出しメンバーは離れた場所へと非難する。
「波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
【ドンッ!!】
イッセーが両手を空に向けて突き出すと、青い巨大な閃光がその手から撃ちだされる。
その先にいるのははぐれ悪魔バイザー。
先程までイッセーに下卑た笑みを浮かべていた残忍な悪魔...。
「グッ!ガァァァァァ!!」
バイサーはいとも容易く閃光に呑み込まれその体ごと消し飛ばされていくのだった。
閃光が止み、イッセーは両手を降ろすと肩で息をしながら空をじっと眺めているのだった
オッス!オラ悟空!
アーシアの奴に再開したぞ!
ん?おめえなんか困ってんか?ならオラが助けてやっぞ!
ん!?なんだおめえ!
次回!DragonBall D改!
アーシアの涙!友人を救え兵藤一誠!
ぜってえ見てくれよな