ARMORED CORE Phantasma Plase 作:SUNRISE
「大丈夫、あなたなら勝てる。」
そう言ってくれたのはどれほど前になるだろうか。
時たま囁くそのやさしい声が、耳に直接響いてくる感覚が心地よかった。
あの時の声は、哀しげな雰囲気がにじみ出ていたが。
それでも、俺にとってはこの荒れ果てた世界における、唯一といってもいい癒しだった。
「ごめん。行くわ、私。」
そう言って俺達の元から離れて行った彼女は。傭兵としての道を選んだのだ。
左腕を失い。それでも尚、あきらめる事のできないほどに。
焦がれていたのだろう。
戦いに。戦場に。
「ここが!この戦場が!私の魂の場所よ!」
あれでよかったのかは分からない。
だが傭兵として。俺は対等に向き合わなければならなかった。
手を抜くなどという事は。
戦場に生きることを決め。肉体を、全てを捨てた彼女に対する侮辱でもあるからだ。
尚も、そのような事をして俺は彼女を倒せたのかは疑問だったが。
あの後。俺は立ち止まってなどいられなかった。
彼女を含め、死神部隊、ひいては
だから立ち止まるわけにはいかなかった。彼女に合わせる顔が無いからだ。
「君が
「生き延びてみるがいい。君にはその権利と義務がある。」
だが。やはりこれでよかったのかは分からない。
振り向いてはならないのに。
俺は・・・。
「そんなに、後悔してるなら。探せばいいじゃねぇか。」
「探すって、何をだ。」
「そらぁマギーの事に決まってんだろ。あの機体から遺体はでてねぇんだし。」
「だから、あれは財団の連中に電子化されたと考えるのが正当だろう。声にもノイズがかかっていた。死神と同じように。」
「それでもよ、探してみようとはおもわねぇか?世の中いろんなことが起こる。奇跡なんてことも起こるかもしんねぇ。」
「・・・」
「タワーの中だってわかんねぇことが目白押しなんだ。もしかしたらその中にいるかもしれん。」
「・・・」
「それによ、あいつは最後になんて叫んでた?」
「・・・」
「だからよ、やってみようじゃねぇか。可能性って奴に賭けて見ようじゃねぇか。」
「・・・わかったよ。やれるだけやってみるさ。」
「そうと決まれば早速探しにいくか。ハッハッハ」
「ちょっと待てそれはノープランすぎるだろう。」
「じゃあどうするってんだ?そんなこと言って渋ってたら。いつまで経っても状況はかわんねぇぜ。」
「そういうことじゃなくてだな。金はどうするんだってことだよ。」
「そりゃおめぇさんが稼いでくりゃいいだろう。おめぇさんはもう巷じゃ有名な傭兵だ。働き手はどこにでもあるさ。」
「ハァ・・・わかったよ。で、最初はどこに行くんだ。」
「先ずは情報収集からだな。情報の集積している場所ってーとどこにある。」
「EGFは他の勢力と比べてタワーの解析が進んでいるし。ヴェニデは武力介入で世界中転々としてる連中が多い。シリウスは民間人の受け入れが多いから多種多様な人間がいる。まずは情報量の多いシリウスから行くか。」
「一番近いシリウス勢力圏はMID-CONTINENTか。とりあえずはそこに行くか。しばらくはそこで傭兵業をやればいい。」
「あぁ。」
永い旅になるだろうが。それも良いかも知れないな。
マギー・・・俺はロクデナシだよ。
お前には示しが付かないが。それでも、俺も諦めることができなかった。
お前は人間をやめてまで俺に銃を向けた。だが俺は人間としてのお前が好きだ。
あの時のように。優しい声で、俺を励ましてくれ。