ARMORED CORE Phantasma Plase   作:SUNRISE

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ACT1 ~Armeria~

「大丈夫、あなたなら勝てる。」

 

そう言ってくれたのはどれほど前になるだろうか。

時たま囁くそのやさしい声が、耳に直接響いてくる感覚が心地よかった。

あの時の声は、哀しげな雰囲気がにじみ出ていたが。

それでも、俺にとってはこの荒れ果てた世界における、唯一といってもいい癒しだった。

 

「ごめん。行くわ、私。」

 

そう言って俺達の元から離れて行った彼女は。傭兵としての道を選んだのだ。

左腕を失い。それでも尚、あきらめる事のできないほどに。

焦がれていたのだろう。

戦いに。戦場に。

 

「ここが!この戦場が!私の魂の場所よ!」

 

あれでよかったのかは分からない。

だが傭兵として。俺は対等に向き合わなければならなかった。

手を抜くなどという事は。

戦場に生きることを決め。肉体を、全てを捨てた彼女に対する侮辱でもあるからだ。

尚も、そのような事をして俺は彼女を倒せたのかは疑問だったが。

 

あの後。俺は立ち止まってなどいられなかった。

彼女を含め、死神部隊、ひいては電子化された魂(ファンタズマ・ビーイング)が駆る黒い鳥(N-WGIX/v)を倒した俺は、彼女の憧れた黒い鳥(レイヴン)とも言えるのだろう。

だから立ち止まるわけにはいかなかった。彼女に合わせる顔が無いからだ。

 

「君が例外(イレギュラー)であるというのなら。」

「生き延びてみるがいい。君にはその権利と義務がある。」

 

だが。やはりこれでよかったのかは分からない。

振り向いてはならないのに。

 

俺は・・・。

 

「そんなに、後悔してるなら。探せばいいじゃねぇか。」

「探すって、何をだ。」

「そらぁマギーの事に決まってんだろ。あの機体から遺体はでてねぇんだし。」

「だから、あれは財団の連中に電子化されたと考えるのが正当だろう。声にもノイズがかかっていた。死神と同じように。」

「それでもよ、探してみようとはおもわねぇか?世の中いろんなことが起こる。奇跡なんてことも起こるかもしんねぇ。」

「・・・」

「タワーの中だってわかんねぇことが目白押しなんだ。もしかしたらその中にいるかもしれん。」

「・・・」

「それによ、あいつは最後になんて叫んでた?」

「・・・」

「だからよ、やってみようじゃねぇか。可能性って奴に賭けて見ようじゃねぇか。」

「・・・わかったよ。やれるだけやってみるさ。」

「そうと決まれば早速探しにいくか。ハッハッハ」

「ちょっと待てそれはノープランすぎるだろう。」

「じゃあどうするってんだ?そんなこと言って渋ってたら。いつまで経っても状況はかわんねぇぜ。」

「そういうことじゃなくてだな。金はどうするんだってことだよ。」

「そりゃおめぇさんが稼いでくりゃいいだろう。おめぇさんはもう巷じゃ有名な傭兵だ。働き手はどこにでもあるさ。」

「ハァ・・・わかったよ。で、最初はどこに行くんだ。」

「先ずは情報収集からだな。情報の集積している場所ってーとどこにある。」

「EGFは他の勢力と比べてタワーの解析が進んでいるし。ヴェニデは武力介入で世界中転々としてる連中が多い。シリウスは民間人の受け入れが多いから多種多様な人間がいる。まずは情報量の多いシリウスから行くか。」

「一番近いシリウス勢力圏はMID-CONTINENTか。とりあえずはそこに行くか。しばらくはそこで傭兵業をやればいい。」

「あぁ。」

 

永い旅になるだろうが。それも良いかも知れないな。

 

マギー・・・俺はロクデナシだよ。

お前には示しが付かないが。それでも、俺も諦めることができなかった。

お前は人間をやめてまで俺に銃を向けた。だが俺は人間としてのお前が好きだ。

あの時のように。優しい声で、俺を励ましてくれ。

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