ARMORED CORE Phantasma Plase   作:SUNRISE

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ACT5 ~Shape Memory Alloys~

KRSW(Au-L-K29)カレンデュラ(Au-B-A04)を廃しC-H30とV-M05を。C-H30は弾切れが早いだろうからハンガーにV-G37。積載に余裕ができたな。ならジェネレーターをD-G23に。追加弾倉もつけよう」

受注した依頼内容を鑑みて、アセンブルを変えることにした。今はそのおおまかな設計をしている。依頼内容は「旧世代施設調査部隊の募集」だそうだ。

途方にくれていたとまでは言わないがSOUTH ISLANDSに来てすることもなかった自分にとってはありがたいミッションだ。自分の探しているモノやそれに関する情報も見つかるかもしれない。

 

島に移る前のミッション以降、世界中では騒ぎになっている。

旧世代の大型機動兵器がどこからともなく現れては暴れ周り、全てを焼き尽くして何処かへと消える。

そいつの名前は「00-ARETHA」と呼ぶらしい。タワー内部のデータベースで判明したそうだ。

死神部隊の生き残りがそれを操っているとも噂されている。

まぁその搭乗者は見知った人物であるのだが。

 

「大方のコンセプトとアセンブルは決まったな。よし。」

 

旧世代施設内部は確実に狭い。そのほとんどが地下にあるからだ。だから取り回しが悪くDPSの低いレーザーライフルとライフル、では苦戦することは必至だろう。外壁を利用しての機動戦が主体だろう。内部にはAMMONやSCAVENGERをはじめとした特殊兵器群が多いと予想される。ならば弱点であるCE系の武装で固めればいい。非常に長い作戦になる上、補給は施設入り口のキャンプに戻らなければならない。そのため弾数を意識したアセンブルに。

 

「ファットマン、アセンブリを手伝ってくれ。」

「あいよ。ちょいとまってな。」

「先に始めておこう。」

 

着ている服の袖をまくり、厚手の作業用手袋をつける。

ACをアセンブリモードに以降し、コア後部、ジェネレーター搭載部が露出される。

SUZUMUSHIのプラグ固定用ナットを大型レンチで解除し、抜き取る。他にも固定用アームやネジ、冷却液用金属性パイプを解く。

SUZUMUSHIをアセンブリ用クレーンに係留し、クレーンをコンソールで操作してコア内部からSUZUMUSHIを取り出す。取り出したSUZUMUSHIはACパーツ運搬用補助動力付台車に慎重に置いてクレーンから切り離し、固定する。ジェネレータは軽いものでも4トンもの重量がある。

別の台車でD-G23をクレーンに係留し、クレーンを操作してコア後部のジェネレータ搭載部に近づける。

 

「待たせたな。俺は何をすればいい。」

「クレーンを操作してくれ。細かい指示は追って出す。」

 

クレーン操作をファットマンに任せ、ジェネレータ搭載部に近づく。こうしてみるとタ固定用アームやネジに焼けた埃や煤、砂などが付着している。プラグにもやや溶けた絶縁用ゴムやスムーズな接続をするためのグリスが少なくなっている。近々細かい整備もしなければならないな。

 

「少しづつ下げてくれ。」

 

ファットマンに指示を送る。手でジェネレータを適切な位置に調整する。8トンもの重量のためほんのわずかにしか動かないが、微調整程度であれば可能だ。しかしそれでもややずれている。大凡10cm左だろうか。

 

「右10cm。」

「あいよ。」

「ストップ、いい感じだ。下げてくれ。」

 

固定用アームに乗せ、上の固定用アームとネジを留める。冷却液パイプを接続、最後にエネルギープラグを接続する。

安全用のストッパーをトライウィングドライバーで解除する。

エネルギーが供給され、OSが起動する。OSがジェネレータ出力、利用可能コンデンサ、ラジエータシステム、F.C.S、脚部システム、腕部システム、頭部システムをチェックし、オールグリーンを示す。

 

やはりアセンブルというのは心が躍り、大きな満足感を得られる。ACの良さの一つでもある。自分で作り上げたものが実際に動くと考えると尚心が揺さぶられる。

だがまだやることは残っている。コックピットに乗ってコンソールを操作し、コア後部を閉じた。

 

「ファットマン、設計図に書いてある武装を持ってきてくれ。」

「先に他の武装を取っておく。ACの手を緩めてくれ。」

「ああ。」

 

まずは右手のKRSWから。こいつが武装の中で一番重い。約10トンもある。

いつの間にかファットマンが作業を進めていたらしく、クレーンに係留されている。

コンソールを操作し、手からKRSWが離れる。卓越した操作で、運搬用台車に載せられる。こういった操作ならファットマンのほうが技量に長ける。

 

左手も同じようにしてその武装を外し、ハンガーは一度動かしてから取り外した。

 

コックピットを降りて。取り外した武装をどかし。また別の台車を用いてC-H30を持ち出す。

クレーンに係留し、コックピットに乗り込む。適切な位置に上げられた武装のグリップを掴む。係留用のフレームが開いた。

コックピットのコンソールには武装のドライバを最適化していることが表示されている。

この間にも左手の武装を取り替える作業をする。同じような作業を繰り返す。

 

何度組みかえられようと何度コンセプトが変わろうと何度も同じモノに戻ることができる。まるで形状記憶合金(Shape Memory Alloys)のように。

コア構想から成るアーマード・コアはその汎用性から最強の兵器と名高かったそうだ。今際の時代においては量産性までをも身に付け、通常兵器の域を出なくなったが。

この構想は兵器としては少々破綻していた。昔は各々の兵器で特性が違いそれぞれに長けた役割を担うからだ。

これは効率のいい作戦を実現している。汎用性があるということはつまり中途半端であるからだ。

 

だがACは違った。規格外ともいえるほどの汎用性は、驚異的な特化さえ可能にしたからだ。

よって最強の兵器として成り立ったわけだ。

 

「組み終わったか。」

「ドライバは正常、腕部にも問題はない。エネルギー供給も既定値だ。」

「そうか。やーっと一仕事終わったな。」

 

そう言ってファットマンが首を鳴らし、腰に手を当て大きく伸びをした。子気味いい骨の鳴る音が聞こえた。気付けばすでに日は傾き、町には光が灯っている。ACのシステムを通常モードに移行し、シャットダウンする。

 

「いでで」

「歳食ってるんだから無理はすんなよ。ジジイ。」

「まだ現役だ。それに、お前さんの目的が達成するまではやめられんよ。」

「そうか。まぁ、今後も頼むぜ。」

 

コックピットから出て手袋を外し、作業台の上に放り投げる。

明後日に依頼の調査が行われる。詳しいことは当日説明するそうだ。まだ時間に余裕は有り余っている。町に繰り出すとしよう。

身体にこびりついた油やグリス、煤などを洗い流すため、シャワールームへ向かった。

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