ARMORED CORE Phantasma Plase   作:SUNRISE

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ACT6 ~HIGH FEVER~

旧世代施設入り口のフェンスゲート前にAC4機が集結している。

それ以外にも戦車や防衛型、支援型、仮設されたであろうテントや宿舎が見える。

 

「内部での通信環境は・・・」

「予備砲弾の総数と燃料・・・」

「先遣隊の現在の状況は・・・」

「ハッキングポストは正常に・・・」

 

あらゆる情報が飛び交い、ひとつに纏め上げられ、作戦が完全なものへ昇華する。

飛び交う声に耳を傾けてみると、予想したとおり内部は特殊兵器が占めているそうだ。狭いことも相まって予備に引っさげておいたレーザーブレードも無駄にはならなそうだ。

 

『これより旧世代施設探査および制圧作戦を開始する!各ACパイロットは出撃準備を完了せよ!』

 

今作戦の司令官であろう男がマイクを通じて司令部全体に作戦開始を告げた。今作戦では4体のAC、タンクを中心とした戦車部隊編成と後続の戦車や防衛型を護衛につけたハッキング部隊によって構成される探査部隊での行動となる。

・・・構造も不明でどこから攻撃が来るかわからない施設内で戦闘力に乏しい後続とACで構成された前衛に分かれるのはどうかと思うが。

 

アイドリング状態にしておいた自分のACに乗り。システムを戦闘モードに移行する。

他のACはタンク型、重量二脚、軽量二脚だ。

タンクは両手にオートキャノン、両ハンガーに弾数の多いガトリングを持っているAC名がトリガーハッピーということからおそらく追加弾倉を両肩に内蔵しているだろう。

重量二脚は右手にハウザー、左手にレーザーライフル、右ハンガーにバトルライフル。重装型のSCAVENGERを意識してハウザーを用意したのか。重量二脚にしては兵装が少ないことから両肩にCEタイプの武装を積んでいるだろう。AC名は「シールドバッシュ」

軽量二脚は両手にに連装型パイルバンカーを持ち、両ハンガーにも連装型パイルバンカーを持っている。いくら狭いといっても飛び回る特殊兵器に当てるのは至難の業のはずだが・・・。AC名は「撃」

 

尚今作戦においてはAC部隊に一人司令部からのオペレーターが就く。さらに個別でペアのオペレーターが就く。俺の場合はファットマンということだ。もっとも完全個人で傭兵をやっているのもいるが。

 

 

『フェンス開け!施設内部へ侵入する!正面に大型リフト3機がある。2部隊はそれぞれ2機づつに乗り地下47階へ降りろ。』

 

地下46階まではEGFの戦力のみで攻略できたそうだ。だが地下47階からは施設が大掛かり且つ複雑になり、特殊兵器による攻撃も激しくなったため、傭兵の雇用を決定したそうだ。

 

大型リフトは非常に大きく頑丈なつくりをしているらしく、戦車や防衛型、超大型トレーラーを含む総勢10機、おおよそ500トンほどを乗せてもびくともしなかった。

 

先にリフトのハッキングを済ませていたらしく、ACのコンピュータ経由で操作できるようだ。目的地は地下47階、最下層は地下50階と表示されている。

先遣隊からの報告や解析によれば地下48階49階はさらに大きなつくりをしているらしく、地下50階は非常に巨大で、未知のACパーツや旧世代の技術が多く眠っているだろうとのことだ。

 

『目標の階層に到達。探査を開始する。』

『周囲の警戒を怠るな。どこから沸いてくるかもわからん。』

「なら輪形陣にしろよ・・・。」

 

愚痴を零す。悪い予感しかしない。このまま何もないことを祈る。

 

『熱源確認、前方から接近してきます。迎撃!』

『撃ちまくるぜええええ!ひゃっはああああああ!』

 

うるさい。すごくうるさい。トリガーハッピーとはこのことか。

しかし両手のオートキャノンによる弾幕は非常に心強く、近づく特殊兵器たちを次々と落としている。

 

しかしその中から高速で突撃してくる大きな影が見える。SCAVENGERだ。

そのSCAVENGERは止まることなく正面に陣取っていたタンク型に突き刺さった。運よくコックピットは外れていた。

 

『ぐ・・・その程度じゃきかねーぞぉぉぉぉぉおおおお!』

 

トリガーハッピーはその体躯を振り回しチャージブーストを当てようとするが当然当たらず。追撃に放ったオートキャノンも厚いKE装甲によってほとんどが弾かれていた。

 

『下がって。私がやるわ。』

「援護する。流れ弾には注意しろ。」

『何言ってんだ!俺はまだ戦えるぞ!』

「戦車小隊の要はタンクだ。簡単に死なれては困る。」

『後退を援護しよう。早く下がれ。』

『チッ。つまんねー・・・。』

 

これほどまで無鉄砲でよく生き残ってこれたものだ。ある意味感心する。

撃がグライドブーストで突撃し。中距離で自分がバトルライフルやHEATマシンガンで援護する。

シールドバッシュが迫り来る突撃型AMMONをレーザーライフルで的確に墜とす。愚痴を零しつつもタンク型も迎撃してくれている。

こちらに引き付けられているSCAVENGERの体躯に撃の連装パイルバンカーが的確に突き刺さる。見事に貫通している。かなりの腕前だ。

 

「お見事。よほど練習したと見える。」

『一撃で仕留めれるところに惹かれてずっと使い続けてただけよ。慣れればどうってことないわ。』

『ここの制圧は完了したようだな。特殊兵器も途絶えている。』

『ハッキングポストを展開。ここは防衛型に任せて他の地点を探すぞ。』

「了解。できれば死神部隊に関するデータがあれば教えてほしい。」

『勢力戦での戦略に影響がないのであれば許可しよう。』

 

 

 

あれから時間が経ち現在は最下層まで進行している。結論から言えばあの後も敵襲はあったが特に難儀することなく進めることができた。強いて言うならやはりトリガーハッピーが無鉄砲すぎて少々肝を冷やされた程度か。

しかしいまだ死神部隊などの情報が皆無で、今後の展望が見えなくなってしまいそうだ。

 

『最下層に到達。探査を開始する。』

『順調に進んでいるな。もう一分張りだ。頼んだぞ。』

 

リフトのドアが開き、最下層の構造が顕わになる。

 

「・・・でかいな。」

『これだけ大きければ面白そうなものは見つかりそうね。』

『敵さんもたくさんいるがね。迎撃!』

 

狙撃型が砲撃を開始し、重装型がブースターを限界まで噴かして突撃してくる。

シールドバッシュが砲撃を受け止め、トリガーハッピーが弾幕を張る。装甲の薄い撃は後方に控える。自分は突撃し。狙撃型に狙いを定める。

弾幕は効果があり、重装型は突撃をやめ。頭上を通り抜けた自分に狙いを定めた。その隙にシールドバッシュが接近して構え、ハウザーをばら撒いた。

自分は凄まじい相対速度で迫る砲撃を直前で避けて着実に接近していく。射程距離に入り攻撃を開始する。

 

『左右から熱源多数!うわっ・・・』

 

ノイズとともに通信が途切れた。悪い予感は的中した。これほど広いのだから挟撃など想定しておくべきだった。

 

『SCAVENGERが二体!援護を!』

『待っていろ。盾くらいにはなろう。』

『周りの連中が鬱陶しい!面倒だ!』

 

ハウザーを用いて一瞬で重装型を仕留めたシールドバッシュが反転し、ハウザーをパージ、両肩からHEATロケットをばら撒きながらグライドブーストで接近する。

自分も左手の武器をレーザーブレードに切り替え、わずかな隙を見て狙撃型を切り伏せて味方の元へ向かう。

 

軽量二脚は装甲が薄いにもかかわらず多数の被弾を許したようですでに左腕がなくなっており、見るからに活動限界間近だ。

 

「撃!下がっていろ!限界が近いだろう!」

『俺だって限界が近いぞ!』

 

タンク型が喚くがどう考えても装甲の薄い軽量二脚とは比べ物にならないので無視する。

シールドバッシュの立ち回りがうまく、SCAVENGERを引き付けてくれている。時折撃ち出すHEATロケットも相まってAMMONをいくらか吹き飛ばしてもいる。

自分は翻弄されているSCAVENGERに狙いを定め、右手のバトルライフルを撃つ。が、すぐに弾切れを起こした。

即座にパージし、左手もHEATマシンガンに切り替えて連射し続ける。すぐに1機が落ちた。

もう1機を見れば狙いを後退している撃に定め、攻撃を加えていた。わずかに被弾しながらもすべての攻撃を紙一重で躱している撃は非常に危なっかしい。

左手をブレードに切り替えて一気に接近し、無防備な背中を大きく袈裟斬りして両断した。

 

『危なかった・・・っはぁぁぁぁぁぁ。』

「大丈夫・・・なわけはないな。」

『こちらも殲滅が完了した。が肝心のハッキング部隊が全滅している。』

『これからどうするんだよ!これじゃあ報酬なんてもらえねえぜ?』

『ACにもハッキングする機能はある。幸いハッキングポストは二つ無事だ。二手に分かれてハッキングを再開せよ。』

「二手に・・か。」

『私であれば積載に余裕はあるし一人でも行動できる。撃はその二人についていってくれ。』

 

シールドバッシュがハンガーに器用にハッキングポストを引っ掛け。自分たちの逆方向へ進んでいった。

 

「俺は積載に余裕がないがトリガーハッピーならタンクデサントが可能だろう。撃は論外だ。」

『まぁ異論はないな。』

『私はどうすればいい?』

「周辺にリコンをばら撒いて警戒してくれればいい。行くぞ。」

 

 

 

『作戦開始から約4時間経過・・・』

 

非常に巨大なためハッキングの必要な地点が多く、ここだけですでに1時間も消費している。疲弊が溜まって集中力も切れてきた。

 

『そういやさ。お前って死神部隊倒した奴だよな。』

 

ハッキングポストを展開し、撃が周辺の警戒に赴いている時にふとトリガーハッピーがそう言った。

 

「だとしたらどうするつもりだ?そういうことはどうでもいいだろう。」

『どうでもよくないんだなぁそれが・・・アンタを倒せば名声が手に入る・・・』

 

はぁ・・・やっぱりこいつは単細胞だ。何故雇用されている身で粗相を起こそうとするのか。

タンクの近づく音がする。激しいブースターの音が聞こえた。即座にハイブーストで距離を取り。両手のHEATマシンガンで応戦する。腕の耐久性能が高いためになかなか攻撃が通らない。

 

『へへっ。アンタの今の武装じゃ俺にはきかねーぜ。レーザーブレードにさえ気をつけておけばな。』

 

この後に特殊兵器がこないとは限らない。できる限り弾は温存したいがそううまくいかないだろう。

先の戦闘で奴はかなり耐久性能にガタがきているだろう。連射していればいずれは貫通できる。

両手のHEATマシンガンのトリガーを引き続けた。弾が際限なく撃ち出される。銃身が発射時の高熱(HIGH FEVER)で赤熱していた。

 

想定よりも耐えている。弾数も心もとない。物陰に隠れて奴の動向を伺っていた。ふと遠方に撃の姿が見えた。ライトのモールス信号で何かをこちらに伝えている。

自分はそれを受けて通路に躍り出た。

 

『観念したか!腰抜けやろうが!』

 

威勢のいい言葉が吐き出される。奴がブーストチャージを発動した瞬間に回避、距離を取る。

 

『まだやろうってのか!いい加減あきらm・・・』

 

眼前のACからの無線が途絶えた。そのコアの中心からは2本の杭が突き出ていた。撃のパイルバンカーだ。

しかしパイルバンカーを撃ち出した衝撃からか即座に撃のACは活動を停止してしまった。爆発を起こしていないことからパイロットは無事だと見える。

コアのコックピットが開いた。

 

「無茶をする。」

 

機外スピーカーでそう言う。

 

『あーあ。これでジリ貧だ。ハッキングポストも壊れちゃったし。』

 

ACのマニピュレータに彼女を乗せてコアに近づける。コックピットを開いた。

 

「何故俺に加担した。」

「ああいう自分勝手なのが嫌いなのよ。てか、よくそんな無防備に同業者を招き入れるのね。」

 

彼女を乗せてより狭くなったコックピットを閉める。正直言って息苦しいが女性と触れ合えるは少々嬉しい。彼女が小柄なのも助かった。

・・・マギーのことも忘れちゃイカンが。

 

「さぁな。気分だ。」

『一悶着あったようだな。外周部分は全部ハッキングし終えた。』

「あとは中心部だけか。俺にやらせてくれ。少々気になることがある。」

 

中心部はエネルギーパイプが集まっており、エネルギー光がそこに向かって進んでいる。

ハッキングポストを展開し、ハッキングを開始する。自分の頭部パーツはハッキング性能が悪いため、非常に時間がかかる。

 

「なんかお尻に違和感あるんだけd「しゃべるな」・・・クスッ」

 

ハッキングが完了し、データベースが閲覧可能になる。

そこを開いて。死神部隊に関する情報を検索する。すると。

 

デザインドやファンタズマ・ビーイングなどの情報とその改造処置のログ、原型となった人物の身体保管場所のデータが見つかった。

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