魔法使いと黒猫のウィズ 異界戦争   作:烏零

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10話

リヴェータたちは、ほかの異界から来た男たちの話を聞いていた。

天界・魔界というところから来た天使と悪魔。アルドベリク。ルシエラ。そしてイザークとミカエラの双子。

スザクというところから来た不思議な箱を持つ者たち。キワム、ヤチヨ、アッカ。

 

「目が覚めたらこの世界にいてな。とりあえず魔界に戻るために周りを探したところでこいつらに出会った」

「わたしたちも同じ。目が覚めたらここにいた。他にも仲間はいるはずなんだけどこの三人だけ呼ばれたみたいでね。どうしようか悩んでたらこの人たちに出会ったの」

 

そこから、キワムたちが持っていたフォナーという機会にルシエラが興味を示し、さらにクロというキワムのガーディアン――使い魔のようなものだろうか?――が巨大化すると知りさらに興味を示し、大きくなったアウデアムスを見たところ、アルさんとどっちが強いのかという力比べを提案したという。

 

「だから争ってたってわけじゃないんだ。ただの遊びというか……なんだろうな?」

「私達としても、珍しいものが見れたので良かったです」

「ふーん。そう」

 

興味ないとリヴェータ。さっそく本題に入る。

 

「この異界から出るための手がかりがあるわ。けどそこに行くためには街を防衛している敵を倒さなきゃいけない」

「その敵とやらとは戦わないといけないの?話し合いで解決したりとかしないのかしら」

 

ヤチヨが質問する。リヴェータは、そんなこと考えなかったという顔をしていた。

 

「試していないのか?」

「……ええ。攻め入った方が早いわ」

「脳筋ですねぇ」

「何よ、悪い!?」

 

煽るルシエラと諫めるアルドベリク。それをみてリヴェータは苛立っていた。

 

「そもそもあの時はあそこを攻める以外の考えが浮かんでなかったわ。なぜかは知らないけど」

「ふむ、お前達が異界に来たときはどんな感じだったんだ?」

 

イザークの質問に、少し考えるリヴェータ。

 

「……異界に来た。っていう感覚がなかったわね。あの街の調査をして、怪しかったから突撃。それだけ」

「ふむ、なんにせよその街とやらにしか手がかりはなさそうですね」

 

ミカエラがまとめる。どうやら全員協力してくれるらしい。

 

「とりあえずあんた達全員手伝ってくれるってことね。とりあえず私の仲間があの街えお調査しに行ったから結果を待って――――」

「リヴェータ!大変じゃ!」

 

話の場に乗り込んできたのは、ガンドゥという巨大な猫だ。その慌てように対し、リヴェータは冷静に対処する。

 

「何があったの?」

「ゲルデハイラが戻ってきたんじゃが、とにかく来てくれい!」

 

明らかに何かがあった。そう思い急ぎ駆けるリヴェータ。そのあとを新たな異界の仲間はついてゆく。外にいたのは、ぼろぼろになり体中から血を流したゲルデハイラがいた。傍へ駆け寄るリヴェータ。

 

「すまないのうリヴェータ。ちとミスったわい……」

「どうしたの!?誰にやられたの!?」

 

息が荒い。医療班が近づいて治療しているが間に合うか……

 

「私も手伝います!」

「私も!」

 

アッカとヤチヨが治療に回る。ゲルデハイラは、息も絶え絶えに声を絞り出す。

 

「あの……塔上部にいたのは、黒猫の魔法使いじゃ……あやつは、ワシに容赦なく魔法を打ってきおった……」

 

その言葉に、全ての人間が驚いた。アルドベリクとキワムがそろってゲルデハイラに詰め寄る。

 

「黒猫の魔法使い……?そいつは喋る猫を連れた男か?」

「お前らも知り合いなのか?それより魔法使いに襲われたってどういうことだよ!おい!」

「うるさい!……ゲルデハイラ、それは本当?」

 

無言で頷くゲルデハイラ。リヴェータを前に、嘘をつくようなまねはしない。そもそも、冗談でも笑えない。

 

「……あんたたちも、あの魔法使いを知っているのね」

 

声は冷静を装っているが、顔は怒りを隠しきれていない。他の面々も、困惑を隠しきれていない。

 

「話しあうことが増えたわ。あの魔法使いのことについて話しなさい。元の世界に戻るためのカギはアイツが握ってる。場合によっては――――」

「待ってくれよ!……アイツは、俺たちを救ってくれたんだ。アッカを、みんなを……そんな、そいつがお前たちを急に襲っただって?そんなの……」

「信じられない?」

 

その言葉は、鋭くキワムを刺す。殺意しか籠っていない。

 

「私もね。あの魔法使いには助けられたわ。あいつのおかげで私はルドヴィカと向き合うことが出来た。……でもね」

 

リヴェータが振り向く。その眼には、焔が燃えている。

 

「……仲間を傷つける奴は、絶対に許さない」

「……わかった。話を聞こう。俺もその話は悪いが信じらないからな。この目で見極めさせてもらう」

「俺は、まだ信じられない。だから、自分で確かめる」

 

アルドベリクはまだ大丈夫のようだが、キワムは揺れていた。話は、黒猫の魔法使いについて進んでいく。

――――話に上がる思い出の中の彼は、間違いなくヒーローだった。

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