魔法使いと黒猫のウィズ 異界戦争   作:烏零

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エンディング

「……キミ、わかってるにゃ?」

 

みんなは元の世界に……いや、精霊としての使役から解き放たれ、魔力を使い切りカードの中へ戻っていった。いるのは、この世界に一緒に来たクレティアとフラクタルだけだ。

 

「ごめん、二人とも。もう少し付き合ってくれないかな?」

「いーよ?仕方ないなぁ」

「全部終わらせないと、不安だからね。付き合うわ」

 

三人と一匹は互いに顔を見合わせ、頷き合う。崩れゆく世界の中から、巨大な悪魔が現れる。燃えるように赤い悪魔は、闇を思わせる黒い目で三人を見る。

 

「あれは、お前が精霊を盗んだんだにゃ」

『盗む?違うな!あれは元々俺のだ!』

 

悪魔は吠える。別世界で、アスモデウス・トビトと呼ばれた悪魔だ。

 

『悪魔の名を持ち蔑まれる俺をクォ様は認めてくれた!お前みたいなウィズに頼ってばかりでウィズを救えないやつとは違う!その力も俺が持つべきなんだ!』

「……お前に力を与えたのは、クォか」

『ああそうだ!奪う力、いや元に戻す力さ!これを使ってお前の精霊を奪ってここに誘い込んだ!お前も俺の糧にするためになあああああっ!』

 

アスモデウスと完全に同化したトビト。先ほどまでのウラガーンやバシレイデとは違い、自分を核として召喚しているため魔力が段違いだ。その腕から地獄の業火が放たれる。しかし、その火はクレティアにより曲げられる。

 

「魔法使いさんの邪魔はさせないよ!」

「私も手伝うわ!」

 

フラクタルから魔力を受け取り、カードに魔力を込める。選んだのは、アスモデウスと対をなす天使。

しかし、黒猫の魔法使いと同じだけの精霊の知識を持つトビトは食い止めようともがく。しかし、その攻撃は全てクレティアがかろうじて防いでいた。

 

『邪魔だガキ!どけよ!殺すぞ!』

「星を壊せるもんなら壊してみなよ!」

 

一歩も引かないクレティア。その時間稼ぎのおかげで、カードに魔力を込め終わる。

 

「これで終わりにゃ……トビト!」

「お願いします……アウラさん!」

 

カードをかざし、魔力をあふれさせる。溢れた魔力は天使の姿を成し、神々しい白と黒の翼を広げた。

 

「貴様は、アスモデウスではない」

 

天使は告げる。それは、死刑宣告のようなものだった。

 

「貴様のような真似事では、世界はおろかそこの魔法使いすら倒せぬよ」

『黙れ……黙れ黙れ黙れえええええええええええええっ!!』

 

怒りのままに手を拳を振りかざすトビト。しかし、アウラが手を広げ、神々しき光を放つと体が崩れ去っていく。

 

『なぜ……何故だ!何故お前ばかりが!俺は!俺は……』

 

再び塵へと返るトビト。その最後の残りのひとかけらが、トビトの元の顔を映し出す。それは、魔法使いと似ても似つかない顔だった。

 

「………俺は………お前みたいに………………」

 

トビトの最後の一部が消え去ると、崩れゆく世界の崩壊が加速する。フラクタルに急かされ異界を飛ぶ前に、魔法使いはトビトだったものが飛ぶ場所へ向け小さく礼をした。

 

 

 

 

 

クエス・アリエスへと戻ってきた魔法使いたち。全員やり遂げた顔だが、魔法使いだけは浮かない顔をしている。

 

「ここが魔法使いさんのいる世界かー。ちょっと見学……」

「だめよクレティア。すぐ帰るわ。ヒカリ達も心配してるでしょ」

「ええー。仕方ない……魔法使いさん。じゃあね!」

 

帰っていくクレティア達を見送り、一人黄昏る魔法使い。ウィズが、その肩に乗る。

 

「僕は、彼のことを知りませんでした」

「私もにゃ」

「……僕も、彼みたいになっていたかもしれないんでしょうか」

「さあにゃ」

 

知らんと答えるウィズ。しかし、

 

「けどこれだけは言えるにゃ。キミは今まで多くの人を救ってきた。これからもきっとそうだと思うにゃ」

「……そうですね」

 

諭され、笑う魔法使い。遠くで、バロンの声がした。

 

「また厄介ごとかにゃ?」

「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ師匠。さあ、行きましょう」

 

歩き出し、ポケットに入ったカードを見る。映った今までの仲間たちの顔が、少し微笑んでいる気がした。

 




全然戦争できなかった……
初めて長めに書いたんですがかなり難しいです。
もう少し内容しっかり描きたいなぁ。と思いました。
ここまで読んでくださった方、このような駄文ですがありがとうございました。
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