魔法使いと黒猫のウィズ 異界戦争   作:烏零

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6話

「……なるほど。全員の共通点は黒猫の魔法使いと知り合いってことくらいしかないのね」

 

街を襲う脅威を退けた後、リフィルたちは全員集まって街の大きな協会のような場所にいた。ここが一番この街で拾いとアーシアが言ったためだ。全員、一通りの自己紹介をすませていた。

 

魔法の盛んな異界から来た女の子たち、アリエッタ・トワ。エリス=マギア・シャルム。レナ・イラプション。リルム・ロロット。ソフィ・ハーネット。

アーシア達の先祖でありクロム・マグナを建てた中心人物。ヒビキ・マスグレイヴ。サツキ・ワイアット。アメリ―・ベネット。エマ・ユーイング。

夢を無くした者が戦う都市から来たサンセット=リフィル。ガンダウナー=ルリアゲハ。ダイトメア=ラギト。

そして、最初からこの街にいたと思われるアーシア・ベネット。イツキ・マスグレイブ。

 

アーシアとイツキ以外は元の世界へ変える方法を探しているが、手がかりは何も得られなかった。ただ、敵がいつ来るかわからないため遠くに手がかりを探しに行くわけにはいかない。

 

「私がぜーんぶやっつけるからみんな探しに行けばー?」

 

アリエッタがそんなことを言う。みんなが冗談だと思っていたが、エリスだけはそんなアリエッタに真面目に接する。

 

「アリエッタ。敵は今回みたいに多方向からくるかもしれないのよ。結界もないのにどうするの?街に被害を出さない方法を考えなさい」

「えー?うーん。とりあえず隕石落とす!」

「ついでにわたしもグレートザッパーで!」

「じゃあ私も爆発魔法で援護しようかしら?」

 

次々と悪乗りしだす魔法使いたち。年長のヒビキがまとめに入る。

 

「じゃあこうしたらどうだ?嬢ちゃん達と俺達がこの街に残って監視と防衛を行う。えーとメアレスだったか?あんた達は外に行って元の世界に帰る手がかりを探す。それでどうだ?」

「私たちは別にいいけど、あなたたちはいいの?」

 

ルリアゲハが問う。全員この配置で問題はないというが、エリスがある提案をした。

 

「あなた達は移動手段がないでしょう?ソフィ、あなたの箒で彼らを手伝ってあげてくれないかしら?リルムも連れてってあげて。足手まといにはならないわ。」

「戦力が増えるのには歓迎だ。ありがたい。それにそこの魔法使いの強さもこの眼で見たからな」

 

話は早々にまとまった。メアレスの三人とソフィ・リルムが外を探すこととなり、他のメンバーは街の防衛を務めることにした。五人は、決まってすぐ街を出た。残されたメンバーで、魔法使いたちは引き続き海岸を、クロム・マグナのメンバーは街の国境を守ることに決める。

 

「では、私は今回のことをリーダーに伝えてきます」

 

そういってアーシアがイツキ達から離れる。残されたイツキは、先祖たちに囲まれ固まっていた。

 

「しっかしそーですかー。百年後も私は生きてるんですね」

 

エマが遠い目をしながら言う。エマにはクロム・マグナにいたころ出会ったことがあった。が、まさか百年前も生きているとは思わなかった。

 

「私の子孫もいるのですね。相手は……誰になったんでしょうか」

「サユリならいい相手に決まってんだろ。俺の息子たちもいずれ結婚すんのかー」

 

イツキからサユリの子孫がいると聞き、ヒビキのほうをちらちらと見ながらそんなことを言うサユリ。ヒビキはそれを軽く流した。イツキは、遠い先祖に対してどう接していいかわからず困惑していた。

 

「あの……イツキさん。聖樹クロム・マグナは、まだあの校舎にありますか?」

「あ、はい。えーっと。無事ですよ」

「そうですか。よかったです」

 

まるで親戚に囲まれたような気持ちのイツキは、答えもしどろもどろになる。そんなイツキを見て、ヒビキは感慨深い、何とも言えない気持ちになっていた。

 

「……イツキの振るう水の剣、俺の太刀筋と全く同じだったんだよ。こうして、技術とか、いろいろ受け継がれていくんだな」

「何処かで私の子孫も、同じように剣を振るっているのでしょうか」

「クロム・マグナでやったことは決して無駄じゃないし、こうして後世に伝わっていくんですね」

「エマは相変わらずアムベルの側近やってるらしいけどな」

 

冗談を言い合いながら、ヒビキは子孫を守る、元の世界に戻っても息子たちを守って見せると、決意を新たに拳を握り締めた。

 

 

 

 

「……以上で、報告を終わります。様々な異界の者がここを訪れており、彼らを元の世界に戻すために尽力するつもりです」

「ありがとうアーシア君。下がっていいよ」

「はい。……トビト様」

 

アーシアが塔から出ていく。リフィルたちがいた塔。彼女らがいた時には絶対になかった部屋がそこにあり、ローブを身に着けたある男がいた。リーダーと呼ばれている男だ。彼は、一人になった部屋で、笑う。

 

――――まだ、まだ必要だ。

――――もっともっと精霊を、力を。

――――全ての世界を、ここに。

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