魔法使いと黒猫のウィズ 異界戦争   作:烏零

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7話

「あなたたちはいつもこんな乗り物で移動してるの?」

「うん!ソフィの箒はわたしの杖なんかよりずっと早いし便利なんだよ!」

 

元の世界へ戻る方法を探す組であるリフィルたちは、ソフィの黒塗りのリムジン箒にのって移動していた。中には飲み物まで用意してある豪華さだ。メアレスの三人は経験したことのない乗り物に興奮、あるいは困惑している。

 

「子供のころを思い出すわねぇ。こんな立派な箒はさすがに想像できなかったけど。リフィルもこういう魔法を使えるのかしら?」

「箒をどうこうするなんてのは専門外ね。こんなことが出来るなんてそれこそ本の中の物語だと思ってたわ」

「わたしも箒を持ちたいんだけどねー。この杖があるからかさばっちゃって」

「小娘、貴様黙って聞いていれば勝手なことばかり言いおって!」

 

リルムの持つ杖が突然喋った。メアレスは、これはさすがに予想できず驚きを隠せない。

 

「自己紹介してなかったな。我は魔杖エターナル・ロアだ。ロア様と崇め……小娘!振るな!酔う!」

「うるさいしゃべるな変な杖!」

「……本当に世界は広いな」

 

そんなことをしゃべっていると、リフィルが咳払いし今後の方針を話し始めた。

 

「私達は元の世界に戻るための手がかりを探さなければならない。あの街には教会と塔以外にめぼしい建物は無かった。アーシア達によると異界に詳しい人もいないみたいだしね。だから、とりあえず街を襲ったっていう野盗を追って後をつけ、出来れば情報を聞き出す」

「わかりました。とりあえず野盗が逃げた方向を……きゃっ!?」

 

リムジン内に大きな衝撃。箒の中が揺れ、草原に不時着した。外に出たリフィルたちを待っていたのは、影のような魔物たちだった。

 

「なによこいつら。こんな魔物見たことないわよ」

「わたしもないなー。とりあえずグレートザッパー!」

 

リルムが魔法を放つ。すると魔物はどろどろと崩れていった。

 

「柔らかいのか?ならば速攻で叩く!」

 

一瞬で装備を纏ったラギトが次々と魔物を倒していく。魔物はどれも脆く、一撃を加えたところで崩れ去っていった。だが、魔物は崩れ去った直後に新しく生まれてくる。

 

「キリがないわ。全部一撃で吹き飛ばしましょう。リルム、合わせて!」

「よくわかんないけどおっけー!」

 

リフィルが高速で陣を組むのに合わせ、ロアに魔力を込めるリルム。そしてリフィルは雷を上へ放つ。

 

「目覚めよ神雷、空の静寂打ち砕き、あえかな夢を千切り裂け!」

「超超グレェートザッパァー!!!」

 

リルムの放つ魔法がリフィルの雷を巻き込み、雷と炎の雨をあたりに降らせた。その威力はすさまじく、魔物の一掃に成功する。

 

「いえーい!」

「なかなかやるわね。リルム」

 

ハイタッチする二人。急いで箒に乗りなおそうとするが、また魔物が湧いてくる。

 

「しつこいわね!みんな。先に乗って!」

「ルリアゲハさんはどうするんですか!?」

「私は殿を務めるだけよ。飛ばす準備しといて!」

 

次々魔物を打ち抜いていくルリアゲハ。後ろを任せ急いで箒に乗る。

……リムジン箒の上、そこに、見知らぬ人影が座っていた。

 

「困るんだよ。あそこから出られると」

 

言葉を聞くや否や、リフィルが雷で人影を打ち抜く。しかし、人影には当たらずすり抜けていった。

 

「血の気が多いね。君たちはあの街から出てはいけない。……ほら。また新しい敵が攻めてきてるよ?」

 

街の方を振り向くリフィル。町の方角から、煙と大きな音が響いてきた。

 

「貴様……!」

 

再び攻撃の構えをとる。しかし、人影は消えていた。いつの間にか魔物も消えている。

 

「リフィル!ラギト!何があったの?」

「事情が変わったわ。急いで街に戻る」

 

戻ってきたルリアゲハ。街の方を見てすぐに察して、急いで箒に乗った。箒は高速で街の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

箒が去っていくのを見て、近くの岩陰から人が出てくる。フードで顔は隠れて見えないが、口は明らかに笑っている。……その横で、猫が鳴いた。

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