妖精の尻尾 -王の器-(一時凍結)   作:さまそくん

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六魔将軍
【vs六魔将軍】


 

 

 

 「マスター一体…どういう事ですか?」

 

 

 ぞよめきだす妖精の尻尾。それも無理はない。

 

 

 「先日の定例会で何やら六魔将軍が動きを見せている事が議題に上がった。無視はできんという事になり、どこかのギルドが奴等をたたく事になったのじゃ」

 

 

 マカロフは言う。だが、妖精の尻尾だけではそれは無理難題だろう。

 六魔将軍というのは6人で形成されているギルドだ。だが、その力は強大。例え、エルザやマカロフが本気で戦ったとしても、五分五分の戦いを強いれることになる。それに、妖精の尻尾単体で挑んでしまえば、バラム同盟────六魔将軍・悪魔の心臓・冥府の門で構成された闇の最大勢力────に狙われる事になる。

 

 

 

 

 

 「そこでじゃ。我々は連合を組む事になった」

 

 

 

 

 

 

 △▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 同盟…妖精の尻尾、青い天馬、蛇姫の鱗、化猫の宿の4つのギルドが各々メンバーを選出し、力を合わせて奴等、六魔将軍を討つとの事であり、妖精の尻尾からはナツとハッピー、ルーシィとグレイ、そしてエルザの5人が選出された。

 

 それだけで終わりと思っていたが、エルザと戦った俺の実力を見計らってか、マカロフは、5人が去った後に俺に頼み事をしてきた。

 

 

 「ノクティス。ワシらからはナツとハッピー、ルーシィにグレイ、そしてエルザを選出した。だが、幾ら数で有利を取っていたとしても、奴等は腐っても六魔将軍じゃ。そこで、ノクティス。お前にも向かってもらう」

 

 

 「…へー、俺はいいけど。マカロフさん、アンタの権限でそんな事できんのか?」

 

 

 気になった俺はそのまま伝えた。定例会?の議題だ。マカロフ単体で全てが決まるわけではないだろう、と見込んでの質問。

 

 

 「馬鹿言うでない。人数制限なんかあらんわ」

 

 

 「はは、そーか。んじゃ、俺も行くわ」

 

 

 回答を貰い、俺は妖精の尻尾を後にしようとする。無論、同盟が集う所へ向かうつもりだ。これはマカロフさんの依頼であり、俺への試練だ。俺の初めての依頼。胸がドキドキするだとか、緊張で脚が震えるだとか、そんな物は一切無い。

 

 嫌な予感というものが俺の背筋をひんやりと伝い、かつて無い魔力を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 △▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 シフトを繰り返し、同盟が集う場所へ着いた。思い切りドアを蹴り破る勢いで開け、中を見やる。

 

 

 「…誰も、いねーのか?」

 

 

 誰もいなかった。まだ着いていないのか、とも思ったが、他のギルドも集まる筈だ。そんな訳が無い。

 そんな事を考えていると、地面を引き摺りながら歩く大柄の男が現れた。

 腹部からは血を流し、その目には焦りが、額からは数多もの汗が滲んでいた。

 

 思わず、俺は飛躍する勢いでその人物の元へ駆けた。

 

 

 「大丈夫かアンタ!」

 

 

 「っ…お主は…?」

 

 

 「俺はノクティス…ノクティス・ルシス・チェラム。アンタは?」

 

 

 「…ジュラと申す。すまない、恩に着る」

 

 

 ジュラと名乗ったこの男は、聖十大魔道の1人らしい。計り知れない魔力が肌を突き刺すように刺激し、ピリピリとした空気を生み出していた。

 

 

 「それよりも…彼等が…!!すまぬ、今は一刻も早く彼等の元へ参ろうノクティス殿!」

 

 

 「ん、ああ…、?訳わかんねーけどついてくぞ、おっちゃん」

 

 

 「…おっちゃん…?」

 

 

 

 

 

 

 △▼△▼△

 

 

 

 

 

 

 「よせよ。ミッドナイトは起こすと怖ェ」

 

 

 戦いの真っ最中だ。…いや、これは戦いとは言えない。一方的過ぎる。六魔将軍はたった6人…実質5人で、同盟をねじ伏せている。エルザは蛇の男と戦い、ナツはサングラスをかけたとても速い男と戦い、リオンやシェリー達はカクカクな男と戦っている。その中で一際異彩を放つのが、青髪の少女だ。岩の陰に隠れて、目に涙を貯めてその場から動こうとしない。怯えて震えてすらいる。

 

 俺はその少女の元にシフトした。

 

 

 「ひっ────」

 

 

 「まて、俺は味方だ。助けに来た」

 

 

 明らかに俺に怯えた少女に、自身に敵意がないことを表した。よく見てみると、もう決着がついている。シフトを多様してここへ来てしまった為、ジュラの姿は見えない…影も形もない。

 

 この青髪の少女の名はウェンディと言うらしい。天空の 滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるが、自身は戦闘能力が虎穴しているとの事。

 

 久々に守ってやりたい、と思う相手ができた。

 

 考えるよりも動く方が早く、気がつけば俺は六魔将軍の前に立っていた。

 

 

 「ノクティス…っぅああっ!?」

 

 

 「ノクト!?」

 

 

 「何でここに?」

 

 

 「あの人誰だ…イケメンだけど」

 

 

 「…あいつ誰だよイケメンだな」

 

 

 「…悍ましい魔力だ」

 

 

 「凄い…っ」

 

 

 妖精の尻尾からは驚きの声が、青い天馬からは歓喜の声が、蛇姫の鱗からは唖然とした声が。

 その中で一際異彩を放つのがエルザだ。顔色は悪く、苦しそうに腕を抑えている。フー、フー、と眉間にシワを寄せ、今も尚荒々しい息を小刻みに刻んでいる。

 

 …見ていられなかった。仲間がここまでやられたのだ。

 

 

 「…随分と、ウチのメンバーが世話になったみてーだな。」

 

 

 自分でも分かるくらいに、声質が冷たい。ゾワ、と、皆の背筋が震えるのを確認した。空気が変わったのだろう。

 

 

 「…うぬは誰だ?」

 

 

 ニヤリ、と口角を釣り上げて言い放つ、褐色肌白髪の男。コイツが、コイツらがやったのかと怒りが込み上げてくる。

 

 それより、エルザの様態が気になって仕方が無い。コイツらを倒すか、エルザを治すか。

 

 答えはすぐに出た。

 

 

 

 

 ────倒す。

 

 

 

 

 「てめーらに名乗る名前はねーよ!!」

 

 

 召喚した剣を闇雲に投げる。それを呆気ないと思わせる様子で見つめる蛇使いの男。だが、すぐに様子が変わり、叫んだ。

 

 

 「避けろ!!」

 

 

 「「「!?」」」

 

 

 俺は投げた剣の元へシフトし、そのまま修羅王の刃を叩き込んだ。叩き込むよりも先に、男が危機を感じた為か、当たりはしなかった。

 

 だが、俺はこの程度では終わらない。ファントムソードを召喚し、そのまま、更に攻撃を叩き込む。

 

 自身の体を纏うように回るファントムソードの一つ、聖王の杖を掴み、それを露出の高い女目掛けて投げる。

 

 

 「ふふっ」

 

 

 だがその女は、不敵に笑って、精霊を召喚した。その精霊はグレイに変身し、アイスメイク【盾】(シールド)を使用し、聖王の杖を圧殺した。

 

 だが、あくまで聖王の杖は【盾】(シールド)に突き刺さっているだけだ。俺はそこにシフトし、ファントムソードを全て投げ込んだ。

 

 「!?」

 

 女は精霊ごと吹き飛ばされ、木に衝突した。そこに更にシフトしようとファントムソードを投げようとすると、サングラスをかけた男がそれを阻止してきた。武術の心得があって、それに魔法がプラスされているのか。空中で、人間には出来ないであろう動きを繰り返す。

 

 

 「なんっつー動きしてんだ…ッ!!」

 

 

 俺はファントムソードで何回も男を捉えるが、狙いを定めていても、圧倒的な速さで退けられてしまう。一撃を叩き込むよりも、コイツには速さだ、と本能的に実感し、速度を上げる。それに比例し、男もまた、スピードを上げる。

 

 グングンと、お互いの速さが上がり、空中で掛け合いを行う。

 

 

 「早いな。でもまだおせえ」

 

 

 急に男の速度が上がり、後ろに回り込まれる。殺られる、と察し、俺は無造作に後ろに剣を振るったが、その剣は空を切るだけで、男の姿など捉えやしない。速すぎる。

 昔相手にしたヨルムンガンドなんて目じゃない位速い。

 

 だが、それは俺もだ。今のは剣を無造作に振るっただけだ。

 

 俺はエアステップを繰り返し、斬撃を避けたサングラスの男に攻撃を叩き込む。

 

 

 「!」

 

 

 俺の速さに驚いた様子のサングラスの男。縦横無尽に、空中を舞う俺が放つ防御無視攻撃(シフトブレイク)は不可避にして不可視。

 

 

 「チィっ!、」

 

 

 自身の速さを底上げし、何とか俺の攻撃を退けるサングラスの男。距離を取ってしまえば、迂闊にこちらへ攻撃は出来ない。

 

 

 先程からチラチラとこちらを見ている紫色の髪の蛇男に攻撃を叩き込む。

 

 

 「聴こえてるぜ、その動き」

 

 

 蛇男はそんな攻撃を諸共せず、逆に反撃で、遠慮なく鋭利な攻撃を刻む。剣で圧殺し、拳で圧殺され、剣でまた阻止する…それの繰り返し。聴こえてる、とは言っているが、俺は自身の攻撃を口に出している訳では無い。かと言って、わざわざ相手がわかる様な大沙汰な動きはしていない。瞬間的に、鋭利に、命中するのが必定的になる様な剣技の筈だ。だとしたら、蛇男は【心の声を聴く力】を持っているのではないか。

 

 そこまで仮定した上で、無心になってみる。

 

 

 「…あぁ?」

 

 

 苛立ちを覚える蛇男。俺の考えは見事的中したみたいだ。考えが聴こえなくなり、苛立ちが見える。無心が通用するのなら、遠慮なく攻撃できる。案ずるより産むが易し。俺は剣を投げた。

 

 

 「っ」

 

 

 少し焦った様子で躱す。一瞬の焦りは隙を生み、一瞬の隙は油断を齎し、一瞬の油断が命を脅かす。

 

 無論、俺はその隙を見逃さない。現在進行形で展開しているファントムソードを、投げ付ける様に飛ばす。

 

 

(よし、これで────ッ!?)

 

 

 そのファントムソードは、紫色の光線に弾かれ、その勢いを消さずに俺の方へと向かってくる。

 

 

(まずっ────)

 

 

 反応が遅れた────いや、出来なかった。ファントムソードを盾のように構えてみたが、盾ごと貫通して俺に迫ってくる。

 

 そして、光線が俺の肩を貫いた。




内容ペラペラですみません
眠いんです(言い訳)
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