チョイワルビッキーと一途な393   作:数多 命

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「ただストーリーに沿うのでは面白く出来なかった」などと供述しており・・・・。



・・・・いや、本当にごめんなさい。
特にクロスオーバー抜きを楽しみにして頂いた皆様。


呪われた黄金仮面《ファラオマスク》
多分世界一有名な死神(失礼)


俺じゃない!

 

俺じゃない!

 

俺じゃない!

 

 

 

・・・・なんで誰も、

 

 

 

 

 

 

信じてくれないんだッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

・・・・みく、と、その。

い、っせん、をこぇて、しまって、から・・・・!

よっ、四日後、ぐらい!!!!!!

頼む!触れないで!!!!

油断すると顔面がトバ・カタストロフなの!!!!!

あと、エルフナインちゃんが無事快復してから、三週間経ってます!!!!

経過は良好!!イヤァーッ!めでたいッ!!!!

 

「・・・・それは何の顔?」

「愛よねぇ・・・・」

「何故そこで愛・・・・」

 

呆れるマリアさんと、なんだか察している様子の了子さんの声で持ち直す。

何とか切り替えようと、車の窓から外を見る。

晴れ渡った空の下、白波を立てる青い海。

まさに夏ともいうべき、最高のシチュエーションにある港に。

大きな船が停泊していた。

 

 

 

 

 

 

 

『ギリシャ・エジプト展』

とある二つの財閥が共同で企画した。

その名の通りギリシャとエジプト題材の、考古学の展覧会。

目玉は、ツタンカーメンの黄金のマスクと、船をまるごと博物館にしたことの二つだろう。

了子さんとマリアさんは、そこで行われるトークショーのゲストとしてお呼ばれし。

わたしは、事前の打ち合わせが行われる今日、そのお供としてついていくことになった。

・・・・まあ、ついていく理由はそれだけじゃないんだけども。

 

 

 

 

 

 

了子さんの車から降りて(ちゃんと安全運転だよ!)、停泊している船に乗り込む。

博物館として使われるだけあって、豪華客船もかくやという広さと内装だ。

・・・・なんだか場違い感を覚えてしまうのは、仕方のないことだと思う。

いや、こんなん。

普通乗る機会なんてなくない?

なんて考えている内に、待ち合わせの部屋に着いたようだ。

入っていく二人についていくと、もう何人か到着していたみたい。

 

「おぉっ!?」

 

その中の一人が、こっちにというか、わたしに気付くなり立ち上がって。

近寄ったと思ったら、脇を掴んでひょいっと・・・・って!?

 

「響ちゃんじゃないか!久しぶりだなぁ!!」

「うわっ、ととと・・・・!」

 

急なことだったんで、思わず倒れそうになったけど。

必死に踏ん張ったのと、抱き上げた張本人が支えてくれたのもあって。

何とか落ちずに済んだ。

 

「こないだ、アキの見舞いで鉢合わせて以来か!!」

「久しぶりです、譲二おじさん」

 

肩に乗っけられたまま、わたしが挨拶すると。

抱き上げた人物こと、『井出譲二(いでじょうじ)』さん。

もとい、譲二おじさんは、にかっと笑ってくれた。

 

「また、大きくなったか?ん?」

「それこの前も言ってたじゃないですか」

 

『現代のインディ・ジョーンズ』なんて呼ばれる考古学者の一人で、お父さんの学生時代からの親友。

通り名に負けないくらいの切った張ったを繰り広げて、確保、あるいは保護した遺物は数知れず。

二年、というか、三年前。

わたしの家族に、あの港町のセーフハウスを提供してくれた人でもある。

 

「ふふふ、そうしてると普通の女の子よねぇ」

「それ普段は普通じゃないってことですか!?」

「何をいまさら・・・・」

「マリアさんまでぇ!?」

 

抱えられてるわたしが面白いのか、なんだかあったかい目で見てくるマリアさんと了子さん。

その傍らで、了子さんは譲二おじさんの方を向いた。

 

「初めまして、今回対談をさせていただく、櫻井了子ですわ」

「これはご丁寧に、井出譲二です。教授との対面、楽しみにしておりました」

「こちらこそ、よろしくお願いしますね」

 

そう言って、片やがっしり、片やほっそりした手を差し出して握手する。

二人の手が離れたタイミングで、今度はマリアさんが前に。

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴです。今回は、お二人の講義を受ける、一生徒のつもりでお話させていただきます」

「はははっ、なら、眠らせてしまわないか心配ですな」

「そんな、研究の最前線にいる方のお話。むしろ目が冴えるくらいです!」

「それは嬉しいことだ」

 

そして、また握手を交わしていた。

・・・・というか。

 

「おじさん、そろそろ降ろしてほしいなー、なんて」

「おっと、悪い悪い」

 

謝るなり、またひょいっと持ち上げて降ろしてくれた。

ああ、地面の感触が懐かしい・・・・。

 

「しっかし、『櫻井教授の内弟子』とは聞いていたが、こんなに早く拝めるなんてなぁ」

 

・・・・おじさんには、そういう風に説明している。

一応、これまでのことは話しているけれど。

さすがにシンフォギアのことは話せない。

 

「そうだよー、貴重だからしっかり焼き付けてね!」

「言うねぇ!」

 

ちょっぴり罪悪感を抱きながら、何とかおどけてごまかした。

 

「っと、内輪もいいが、そろそろ紹介しないとな」

 

切り替えたおじさんが振り向いた先、まだまだ初対面の人が複数人いる。

言った通り紹介してくれるのかなと思いながら、そっちに注目していると。

 

「わぁ!ほんとに歌手のマリアさんだぁー!」

 

・・・・この場では聞かないだろうと思っていた、子供の声がした。

振り向くと、小学校低学年くらいの子達がぞろぞろ。

続いて、同い年くらいの女の子二人と、健康的な日焼けがまぶしい男の子。

最後に、大人が三人くらい来ていた。

 

「なあなあ!歌手ってうな重食べ放題か!?」

「それで喜ぶのは元太くんだけですよ」

 

で、小学生の中の、カチューシャをつけた活発そうな女の子が。

嬉しそうにマリアさんに駆け寄った後。

それに続いて小太りの男の子が、さらにやせ型の丁寧な口調の男の子もやってくる。

 

「ほら、そんなにいっぺんに話しかけちゃ、さすがの歌姫も困っちゃうわよ」

 

賑やかな三人組を、茶髪の物静かそうな女の子が。

やけに大人びた口調でたしなめていて。

・・・・極めつけは、

 

「おいお前ら!遊びにきたんじゃねぇんだからな!」

 

女の子に続いて、友達をたしなめたのは。

頭のてっぺんのはね毛と、メガネがトレードマークの男の子で。

 

 

 

 

 

 

あかん、(誰か絶対)死ぬぅ。

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

――――俺は高校生探偵の『工藤新一』!

ある日、同級生で幼馴染の『毛利蘭』と、遊園地に出かけた帰り。

黒ずくめの男の、怪しげな取引現場を目撃する。

現場を見るのに夢中になっていた俺は、背後からやってくるもう一人の男に気付けなかった。

頭を殴られて気絶してしまった俺に、男は毒薬を飲ませ。

そして、目が覚めると――――

 

――――体が縮んでしまっていた!

 

奴らに工藤新一が生きているとバレたら、再び命を狙われるだけでなく。

周りの人間にも危害が及ぶ。

そこで俺は、近所に住む『阿笠博士』のアドバイスで正体を隠すことになり。

蘭に名前を聞かれて、咄嗟に『江戸川コナン』と名乗った。

そして、奴らの情報を掴むために、父親が探偵事務所をやっている蘭の家に転がり込んだんだ。

 

 

超常現象を現実にしてしまう、異端技術が相手だって。

探偵が諦める訳にはいかないぜ!

 

 

たった一つの真実見抜く!

見た目は子ども、頭脳は大人!

 

その名はッ!

 

――――名探偵コナン!!!




お好きなバージョンのメインテーマを流してください(白目)
『ゼロの執行人』で殴られ、『紺青の拳』で燃料を追加されてしまったんです(喀血)
劇場版やイベントストーリーのつもりで、十話前後で完結させたいです。

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