チョイワルビッキーと一途な393   作:数多 命

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連載に切り替えてから、お気に入り・アクセス数ともにどっと増えた件について。
ランキングにも、週間・日間ともにいさせてもらってしまい。
恐れ多さと感謝で震えが止まりませんガタガタ

何度も申し上げますが、この小説は、いきあたりばったりですッ!!(
どこにいきつくかもわからぬ稚拙な文章を気にかけて下さり、誠にありがとうございます。


会うなよ!?絶対に会うなよ!?

あー、ちくしょうめ・・・・。

あ、どうも。

ぼっちを心がけている自分こと、立花響です。

どうにか日本からのエスケープを試みたわけですが。

空港はもちろんのこと、港まで警備が強化されてしまい。

もどかしく二の足を踏んでしまってます。

完全に出遅れた感が半端ないですね!どうぞ大いに笑ってくださいな!

なんてヤケになったところで、状況が好転するわけでもなし。

さーてどうしたもんかなと、頭を抱えている次第でござる。

このままだと二課に確保されるのも時間の問題。

・・・・せっかく、家族や未来から離れられたのに。

もう少しで独りになれるところだったのに。

世の中ままならないもんだよ・・・・。

 

「・・・・ぁぐ」

 

夜の街を見下ろしながら、りんごを一口。

・・・・盗品じゃないよ、ちゃんとお金払って買ったよ。

未来と別れて以来どうも食欲がわかなくて、そのお陰かお金がいくらか浮いてたんだよ。

相変わらず味はしないけど、この瑞々しさは喉にありがたい。

芯・・・・は、その辺の植え込みに埋めればいいかな。

生ゴミだからほっときゃ消えるだろうし、うん。

 

「・・・・ん?」

 

なーんて呑気に考えていると、お空になんかあった気がして見上げてみる。

すると、光の筋がいくつも流れていくのが見える。

・・・・ああ、『流れ星』か。

確かこと座流星群だっけ、『原作』で『響』と『未来』が見ようとしてたのは。

・・・・『(この子)』が『(わたし)』でさえなかったら。

今頃未来に平謝りしながら、ノイズ退治に向かっていたことだろう。

嘘をつくことに胸を痛めながらも、あの子を守る使命に燃えて。

尤も、こうやって生きている(にげられない)以上は、考えたところで無駄なことなんだけど。

そんなことより今後だよ今後。

関東近郊がダメなら、いっそ北上して北海道からロシアに渡るか・・・・?

未来がいない今なら、懸念無しに極寒の地に行けるし。

それにもたもたしていると、そっちにまで手を回されるかも。

・・・・いや、この場合既に回っていると考えた方がいいかもしれない。

だったらなお更だ。

影響がなるべく少ないうちに行動を起こさないと、今度こそとっ捕まる。

そうと決まれば、実行あるのみ。

これまでの旅のお陰で、徹夜なら慣れてるし。

何より侵食されまくってるこの体なら、ちょっとくらい無理したって平気。

ガングニール先生ばんざーい!

 

「――――『ファフニール』だな?」

 

振り向く。

ネオンに照らされた、白銀の鎧が立っている。

・・・・たわわ、いや、たゆん?

ボインでもいいかも。

立派なモノをお持ちですね。

 

「蟻一匹殺せなさそうな、呑気な面だなぁ?」

「むぐ・・・・能ある鷹は爪を隠すっていうじゃない?」

 

りんごを食べきって、芯を放る。

ビルの管理人には申し訳ないけど、こっちは緊急事態なので大目に見てもらいたい。

 

「鷹と思い込んでる鳶じゃなきゃ・・・・いーがよッ!!!」

 

じゃらりと、鞭が鋭く振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

「流れ星?」

「そそ!こと座流星群、今度日本で見られるってさ!」

 

『だから一緒に見に行こう』と、弓美に誘われたのが数日前。

いつもの二人組みに、最近仲良くなった『寺島詩織』と『安藤創世』も加えた四人で。

女子高生四人だけの、ちょっとした冒険に出かけることになった。

夕方。

未来はちょっと子どもっぽいイベントに、期待を膨らませていた。

 

(これが寮とかだったら、出かけ難かっただろうな)

 

なんて考えながら、いそいそと出かける準備。

温かい飲み物や防寒具、財布やスマホなどの最低限の貴重品。

他にも軽くつまめるおやつや、防犯ブザーにスタンガン。

それからバタフライナイフ。

・・・・後半は少し物騒な気がしたが、これまでの経験がある以上持っていないと落ち着かない。

 

(わたしって、『普通の女の子』から結構離れてるかも・・・・)

 

防犯アイテムのラインナップを改めて見た未来は、苦笑い。

平和に慣れるには、まだ時間がかかりそうだ。

ふと時計を見れば、待ち合わせの時間が迫っている。

バッグに荷物を放り込み、家を出た。

 

「小日向さーん!」

「こっちこっち!」

 

待ち合わせ場所に駆け寄れば、出迎えてくれる仲間達。

 

「ごめん、お待たせ!」

「きょよーはんい!きょよーはんい!」

「ヒナが最後って珍しいね」

 

それからほどなく歩き出して、バスに乗る。

揺られること十分。

ほどよいくらいに灯りが減った郊外で降りた。

 

「いやぁ、流れる時間がちょうど良くてよかったよ」

「だね、バス少ないけど、無いわけじゃないし」

 

スマホで流れ星についてのアレコレを調べながら、賑やかに目的地の高台についた。

レジャーシートを敷いて、持ち寄った飲み物やおかしを口にしながら。

それとなく夜空を気につつおしゃべりしていると。

 

「あ、来た!」

「え、どこどこ!?」

「あの辺に・・・・ああ、ほらほらほら!」

「見えた!わぁ!」

 

始めに弓美が、次に創世が見つけて。

続けざまに詩織も見つけたようだ。

未来も慌てて見上げると、かすかに、次々空を彩る光。

 

「綺麗ですね」

「うん、でも結構はやいよ」

「これで願いごと三回とか間に合わないって」

 

キラキラ瞬く流星群にはしゃぐ友人達。

年頃の少女らしいワンシーンを感慨深く思いながら、ふと。

未来の脳裏に、いつも見ていた後姿が蘇る。

 

(響と来たかった・・・・なんて、わがままか)

 

こっそり自嘲の笑みを漏らしたときだった。

 

「あ、あれおっきいよ!」

「ほんとだ、っていうかアレ流れ星って呼んでいいの?」

 

弓美と創世が指差す先。

橙と白銀の光が、尾を引いて走っている。

他の星よりもはっきり見える明るさと大きさは、確かに流れ星というより彗星の方が近いかもしれない。

 

「なんて言うんだろうね?ハレー彗星?」

「バキュラ、それしかしらないだけでしょ」

「バレたか」

 

思っても見なかった『大物』にはしゃぐ面々。

未来も内心わくわくしながら食い入るように見つめていると。

 

「・・・・あの」

 

か細い声。

隣を見てみると、詩織の顔が引きつっている。

 

「どうしたの?」

「えっと、気のせいだったら大変申し訳ないんですけど・・・・」

 

そう、震える指で、夜空を指差して。

 

「――――近づいてません?」

「え?」

 

一瞬、呆ける。

膨大な量の思考が一瞬で過ぎ去り、詩織の言葉を飲み込む。

そして弾かれたように、未来が振り向けば。

轟音。

 

「きゃああああああああ!?」

「わあああああああ!?」

 

地面が揺れ、突風に煽られ。

四人は咄嗟に抱き合って身を守る。

目も耳も聞かないかな、ぐっと耐えていた未来の耳へ。

忘れもしない声が聞こえた。

 

「――――ッ!?」

 

顔を跳ね上げれば、もうもうと立つ土煙。

突然の、非日常的な出来事なのに。

何故か怖いとは思わなかった。

()()()()()()()()と感じていた。

だって、そこにいるのは。

 

「・・・・ッ」

 

煙が翻る。

中で発生した風に払われる。

残った砂埃を纏いながら、飛び出してきたのは。

 

「――――ひびき」




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