チョイワルビッキーと一途な393   作:数多 命

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AXSはニコニコでぼちぼち見ています。
賢者の石・・・・材料は生きた人間味ですね分かります(ハガレン感


繋ぐ手と手、臆病なわたしのため

「あああ■■■ああ"あ■■"あ"あ"■■■アア"ア"ア"ア"―――――ッッッッッ!!!!!」

 

濁流が押し込まれる。

身構え何てあっという間に意味が無くなり、意識が持って行かれそうになる。

思考が犯される、心が蹂躙される。

真っ黒く暴力的な流れは、『わたし』という意識を休まず抉り取っていく。

ここまでだなんて正直予想外で、でもやめるわけにも行かなくて。

必死に繋ぎとめる頭の中で。

黒い、シミのような単語が浮かび上がる。

 

 

 

――――憎い。

 

 

 

はっとなったときには、遅かった。

・・・・憎い、憎い。

憎い!憎い!憎い!

何が憎いって、この世のありとあらゆるものが憎いッッ!!

何でわたしなんだ!?どうしてわたしなんだ!?

他でも良かったじゃないか、他にもいたじゃないかッ!!

死ねばよかった!?生きてちゃダメだ!?

神様でも仏様でもないお前らに、そんなこと言う資格ねーよ!!バァーカッ!!!

わたしのせいじゃない!わたしは悪くないッ!!

お前たちだ!お前たちの所為だ!!

わたしが屍を踏むのも、未来が迷惑被ったのも、家族がバラバラになってしまったのもォッ!!!

何もかも!お前たち(せかい)が悪いんだッ!!

あああああああああああああ!壊してやりたい潰してやりたい殺してやりたいッッッ!!

お前たチが、わたシに向けテキた、悪意ノ何もカモッ!!!!

何倍ニモ、何ジュウ倍ニモ、ナンビャク倍ニモシテェ・・・・!!!!!

ワタシタチガウケテキタイタミノ、ナニモカモヲ!!!

オモイシラセテヤルウウウウウウウウウウッッッッ!!!!!!

 

「ヴオオ■■■オオ■■■■■■■―――――ッッッッ!!!!!!」

 

ドウデモイイドウデモイイドウデモイイドウデモイイ!!!!

ナニモカモガドウデモイイ!!

メニウツルナニモカモガメザワリダッッッ!!

マンマエノドダイガメザワリダ、アノブヒンガメザワリダ、シュウイヲカコムコノクウカンガメザワリダ!!!

コワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワコロススコワスコワスコワスコロスコワスコワスコロスコロスコワスコワスコワスコワスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!

アアジャマダジャマダジャマダワタシニフレルナチカヨルナミルナハナレロォ!!!!

 

「――――響ッ!!」

「――――ッ、グアアッ!!」

 

――――その一声に、一瞬引き止められた。

マタ濁流にさらさレルけど、さっキヨりハ余裕だ。

改めて見レバ、未来が手を握ッテくれていタ。

さっきワタしニサれたミタイに、優しく撫でてクレテいる。

ダケド、いつまでモツか。

ちょっトデも気を抜けバ、すぐ仕留メてしまイソウで。

わりとヤバい。

早く、はやく、ハヤク。

コイツをせいギョかにオカナイト・・・・!

みく、ガ・・・・!

 

「あが、グウウウゥ・・・がる、る・・・・!」

 

ダメ、ダ。

ダメダ、ダメダ、ダメダ。

ダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダダメダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ

ミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミクミク―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――アア、コノテデ

 

――――コロシタイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――正念場だァッ!!踏ん張り所だろうがッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ッ」

 

瞬間。

未来ごとがっしり掴まれる。

何かと思えば、弦十郎さんが大きな手を未来の手に重ねていた。

 

「切り札はあんたなんだから!しっかり決めなさいよねッ!!」

 

弓美ちゃんが。

 

「強く自分を意識してください!」

「怖がらないで、自分を信じて!」

「俺達だってついてるから!」

 

緒川さんが、友里さんが、藤尭さんが。

その時、轟音。

瓦礫と砂埃が舞う。

現れたのは、さっきのトカゲ。

デュランダルをかぎつけてきたらしい。

でもその進撃は、銃声と剣戟に止められる。

トカゲがひるんだ隙に、二つの影が駆け寄ってくる。

 

「屈するな立花ッ!!お前の覚悟はその程度じゃないだろうッ!!」

「今回ばっかりは信じてやるッ!!だからお前も、自分を信じろォッ!!」

 

翼さんと、クリスちゃんが。

みんな、みんな。

わたしを、信じてくれている。

わたしに託してくれている。

――――ああ。

なんて尊いんだろう、なんてありがたいんだろう。

この手を握ってくれる人達が、この身を信じてくれる人達が。

こんなに、たくさん・・・・!!

 

(ダ、からァ・・・・!!)

 

こんなに、こんなに。

信じてもらっている、託してくれている。

お前は元より、守るために生まれたんだろう?

だったら、今力を発揮しなきゃ意味無いだろ・・・・!!

答えろ、答えろ、答えろ・・・・!

手を握ってくれる人達に、信じてくれる人達に。

――――明日を、繋げッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンフォギアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――ッッッッッッ!!!!!!!!!!!」


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