チョイワルビッキーと一途な393   作:数多 命

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大変長らくお待たせしました。
とってもボリューミーです(笑)

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誠にありがとうございます。
誤字報告も大変助かっております。
この場を借りて、お礼とお詫びを申し上げさせていただきます・・・・!


あげておとす

――――雨が降っている。

耳を傾ければ、大人しい騒音。

近くを意識すればしとしとと、遠くを意識すればざあざあと。

じっとりとした湿気に汗ばませながら、未来は食堂への廊下を歩いていく。

 

「響、あれからどんな?」

 

席に着いた未来へ、弓美が遠慮がちに問いかける。

未来は一瞬動きを止めた後、柔く微笑んで首を横に振った。

響がシンフォギアをまとえなくなった現場にいただけあって、気になっていたようだ。

 

「あれから何度かがんばってるみたいだけど・・・・」

「そっか・・・・」

「重症ね・・・・」

 

あれから響は業務をこなす傍ら、シンフォギアを再び纏うべく何度も挑み続けている。

しかし結果は芳しくないようで、日に日に憔悴していく響を未来は気にかけていた。

シンフォギアを纏えない罪悪感、守らなければならないという義務感。

そのどちらもぬぐえない状況にある響は、今まさに暗がりの中を傷つきながら歩いているのだろう。

・・・・気がかりは、それだけではない。

あの日以来、毎晩魘される様になった。

汗ばみながら漏れる苦悶の声に交じる、『ごめんなさい』という謝罪を聞いてしまえば。

どんな悪夢を見ているのかなんて、想像しなくても確信できた。

 

「・・・・ビッキーが歌えなくなったのってさ」

 

天気に流され、気分が暗くなりかけた中。

創世が呟く様に口を開いた。

 

「理由が、分からなくなったからじゃないかな」

 

他人の目と耳もあるからだろう。

言葉が抜けている部分もあったが、言わんとしている事は伝わった。

 

「理由?」

「うん」

 

未来が鸚鵡返しに聞くと、創世はこっくりうなづく。

 

「だって、ビッキーは今まで、ヒナのために、守るために戦ってきたんでしょ?でも最近は、翼さんとかきねクリ先輩とか、頼れる人達が増えたから」

 

そこで創世は、一度飲み物を口にして、自身を落ち着けて。

 

「気を張らなくてよくなった、もう誰も疑わなくてよくなったから」

「そっか、余裕ができた分迷っちゃってるのかな」

 

未来にも心当たりはあった。

二課に出会うまでの響は、未来に対しては笑っていたものの。

どこかピリピリした気配を纏っていたように思う。

まるで静電気のように控えめだったそれは、未来を傷つけられることをトリガーに。

嵐のように高まり荒れ狂った。

そして触れるもの全てを、絶命させていったものだ。

だが、それも二課と関わるようになってからは薄れていった。

未来を、何より響自身を傷つけない温もりは。

誰よりも何よりも、響を癒してくれていたのだ。

しかしその温もりは今、毒となって響を蝕んでいる。

手に入れて当たり前の日常が、持っていて当たり前の安堵が。

強い光となって、響の罪を浮き彫りにしているのだ。

『この人殺し』『汚れきった罪人め』と。

 

「・・・・何にも分からない私達が言ったって、軽く聞こえるかもしれませんけど」

 

自分のことのように落ち込む未来を見かねてか、詩織が口を開く。

未来が顔を上げれば、薄く微笑んでいるのが見えた。

 

「早く、元気になるといいですね、立花さん」

「・・・・うん」

 

気遣いは十分に伝わったからこそ、未来もまた微笑みを返したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨はまだ降っている。

再び現れた不穏な影への不安を、如実に表現しているかのようだ。

 

「――――響?」

 

そんな天気の夕方。

帰路に就いた未来は、響を発見する。

コンビニの軒下に佇む響は、ぼんやりと雨を眺めていた。

 

「――――みく?」

 

いつのまに凝視してしまっていたのか。

視線に気が付いた響が、こちらを見る。

最近目立ってきた目の隈が、店内から漏れる明かりに照らし出されていて。

響が今抱えている不安を、言葉ではない決定的なものとして伝えていた。

 

「響、かえろっか」

「・・・・うん」

 

こっくり頷いたその顔は、まるではぐれたのを反省する子どものようだった。

未来は笑みを浮かべて、響のすっかり冷え切った手を取る。

暖を取らせるようにやや強く握れば、響もまた弱々しく握り返してきた。

静かな雨音と、水溜りを踏みしめる不規則なリズムをBGMに、並んで帰路に就く。

 

「今日は寒いから、スープでも作ろうかなって。響は何がいい?」

「・・・・たまご、かな。中華系の」

「かき玉汁?いいね、おいしそう」

 

膿んでしまった傷を癒せるように、慎重に言葉を選びながら。

寄り添って歩いていく。

ペースをこちらに合わせてくれる優しさが、愛おしい。

それと同時に、泣きたくなってくる。

響だって本来は、もっと『普通』でいられたはずだ。

あのライブさえなかったら、戦う力が無かったら。

明るくて、優しくて、ちょっと大人っぽい。

そんな普通の女の子でいられるはずだった。

これからでも、なれるはずだった。

なのに、過去が、周囲が。

何気ない道を、何気なく歩くことすら許してくれない。

 

(・・・・どうして)

 

どうして?どうして?

確かに殺した、奪った。

だけど、お釣りがくるほどの命を守った、救った。

罪なんて、他でもない響自身がとっくに自覚している。

だから、味も、温度も、目も、声だって。

命以外の全部を削って。

さらには、その命すらも犠牲にしかけて。

頑張りすぎるくらいに頑張った。

罰だって、十分すぎるくらいに受けた。

なのに、なんで、また。

響は、こんなに苦しんでいるのだろう。

 

「未来?」

「ッ、どうしたの?」

 

不意打ち気味に呼ばれ、思わず顔を跳ね上げる。

見れば、どこか心配そうな響と目があった。

 

「いや・・・・寒いのかなって、手、強いから」

「ぁ、えっと、うん、うん・・・・そうなの、もう梅雨なのにね」

「・・・・風邪、ひかないようにしなきゃね」

「うん、なら、早く帰ろう?」

 

さりげなく身を寄せて、温めてくれようとする響。

未来は甘えるように肩に頭を乗せてから、一歩先へ出た。

――――こんなことで、自分まで暗くなってはダメだ。

 

(だって、響が本当に甘えられるのは)

 

今でもどこか気を張ってしまう立花響が、本当に気を抜くことが出来るのは。

小日向未来の隣、ただ一つなのだから。

未来が笑みを浮かべれば、思ったとおり。

響も遠慮がちに笑ってくれる。

 

(やっぱり響は、笑ってるほうがいいなぁ)

 

やっと掴んだ平穏を、手放すことがありませんようにと。

未来は、そっと祈りを捧げようとして。

 

「――――待っていたゾ」

「――――ッ!!」

 

その矢先の、敵意。

響が傘を薙ぎ払い、視界を確保。

見上げれば、真っ赤な衣装の少女がいる。

その手元はとても人間のそれとは思えず。

彼女が生身ではないことを、ファラやレイアよりも素直に物語っていた。

 

「心配する必要はないゾ、ワタシはガリィみたいに賢くないからな。『さくりゃく』とか、『わな』とか、そういうものは苦手だゾ」

 

『ただ』と。

雨粒に打たれながら、凶悪な笑みを浮かべて。

 

「お前が、ガングニールが、大人しく解体されてくれれば。誰も傷つけないゾ」

「っだ、だめ!!」

 

響へ向けられた、明確な害意。

先ほどまでの心境も相まって、未来は思わず前に出てしまう。

 

「未来」

「響はだめ、絶対にだめ・・・・やらせない!」

「未来、ダメだ。それじゃ相手を刺激する!」

 

響の制止も、意味を成さず。

 

「――――なら、解体ショーだゾ」

 

二人の目の前には、完全に『スイッチ』が入った人形が降り立った。

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

「新たなオートスコアラーか!?」

 

敵の出現は、S.O.N.G.本部も検知していた。

司令部のモニターには、アルカ=ノイズを従えた、赤を基調としたオートスコアラー。

それから逃げ続ける響と未来が映し出されている。

 

「戦闘に特化した最後の一体、ミカまで目覚めていたなんて・・・・」

 

一緒になってモニターを眺めていたエルフナインは、不安げに口を開く。

 

「ッ強化型シンフォギアの進捗は!?」

「45%、技術班(うち)をフル稼働させてるけど、これが限界よ・・・・!」

「っくそ!!」

 

響は今戦えない状態。

当然放っておけないと、翼が修復状況を確認したが。

了子の返事は芳しくないものだった。

やりきれない悔しさを、クリスは壁を殴ることでなんとか発散させる。

本当は誰もが分かっている。

逼迫した状況で、手を抜いているものなど一人としていないことを。

シンプルに『敵が強大すぎる』という、それだけの理由だからこそ。

手も足もでない状況に、悔しさを滲ませるしか出来なかった。

そうやって苦い顔を晒している間にも、戦況は変化していく。

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

「未来、もっと奥へ!」

「響は!?」

「いいから早く!!」

 

ミカに追われ、廃墟へ飛び込んだ二人。

振り切れないと読んでいた響は、せめて未来だけでもと奥へ追いやる。

そして自身は迫ってきたミカを見据えると、静かに構えを取った。

一度、この緊急事態ならと期待して歌おうとしてみたが、予想通り失敗。

落ち込む心を奮い立たせながら、前を見る。

 

「歌わないのか?てっきり歌える場所に動いてたんだと思ったゾ」

「あいにく、調子が振るわなくてね」

「そっか、なら歌えるようになるまで遊ぶゾ!」

 

言うが早いか、アルカ=ノイズに号令をかけ、自らも突進してくるミカ。

響は慌てることなく、まずは手近な瓦礫を引っつかんで投擲。

アルカ=ノイズに次々投げつけ、怯ませていく。

ノイズのキモである位相差障壁が、炭化させる個体と比べて弱いのはエルフナインから聞き及んでいる。

だからこその行動だった。

動きが止まったアルカ=ノイズの合間を縫うように駆け抜け、ミカの頭上へ。

 

「っだあぁ!!」

 

身を捻って回転をかけ、脳天へ踵を叩きつける。

難なく防御するミカ。

しかし、腕にかかる予想以上の『重み』に、また笑みがはっきり刻み込まれて。

 

「にゃはっ!」

「っ、ぅわ!?」

 

足首を引っつかんで投げ飛ばす。

身を翻した響は、一度着地したものの。

勢いを殺しきれずに転がっていく。

雨で元から濡れていた所為で、真っ黒になるほど汚れてしまう。

 

「響!」

「・・・・ッ」

 

あちこちを酷く擦り剥いていたが、怯んでいる暇はなかった。

間髪入れず、ミカが突っ込んでくる。

人間なんて簡単に引き裂ける爪が迫り、響は服を犠牲にして回避する。

出来たであろう引っ掻き痕を見ずに確認して、当たらないようにしようと決心する響。

そんなことお構い無しに、ミカは次々攻撃を繰り出してくる。

柱や壁、床を巻き込み、泥まみれになりながら回避しつづける響。

時折合間を縫って打撃を繰り出しているものの、ミカには効果がないようだった。

それなら、と、ミカが破壊して出来た小石を蹴り飛ばしていく。

 

「おっ?」

 

一つがクリーンヒットし、ミカの頭が傾く。

しかし首をかしげるように傾いただけで、大して効いている様子はなかった。

石なので生身より威力があるはずなのだが、丈夫なことだと内心で舌打ち。

足元の障害物が少ない場所へ、さりげなく移動しながら。

響は油断なく構え続けた。

そして、

 

「――――まだか?」

 

目の前の人形、その力の一端を。

身を以って思い知ることになる。

相変わらずのとぼけた顔のはずなのに、異様な『圧』を感じて仕方が無い。

ビリビリと肌を蝕む殺意に、神経を尖らせていた響は。

 

「まだ歌わないのか?」

 

次の瞬間。

胴に、打撃を叩き込まれていて。

 

「――――え?」

 

痛みを自覚した、刹那。

全身を灼熱が蝕んだ。

 

「ぐああああああああああああああああああああッ!?」

 

悲鳴をあげ、きりもみしながら転がっていく響。

何事かと混乱する耳に、じゅうじゅうという音が聞こえる。

 

「響ィッ!!!」

 

何が何だか分かっていない状態の響だったが、視点の違う未来には全てが見えていた。

叩きつけられたミカの手から炎が噴き出し、響を火達磨に変えたのだ。

幸い天候が雨だったため、水溜りですぐに消えたものの。

これが晴天などの水が無い状況だったらと思うと、ぞっとしない。

そんな未来の不安を嘲笑うように、ミカはゆったり響に近づき。

首を掴み上げた。

 

「あ、っぐ・・・・!」

「いい加減にしてくれないと困るゾ、ワタシは早いとこシンフォギアを壊さなきゃいけないんだゾ」

 

きちきちと機械的な音を出しながら、ミカはさらに力を籠める。

 

「どうしたら歌ってくれる?どうしたら本気になってくれる?」

「ぐぅう、あ・・・・!」

「全力のお前を分解しなきゃ、ダメなんだゾ」

 

『それとも』と。

ミカは空いた片手の指を伸ばす。

それが示すのは、上階からこちらを見守る未来。

 

「あいつか?あいつを分解すればいいのか?」

「っ、やぇ・・・・ぅぐう・・・・!」

 

焦燥を覚え、体を跳ね上げる響。

当然無意味であり、むしろ苦痛を助長させる結果になった。

 

「あいつの後はこの街だゾ、その次は人、その次はネコ。みんなみんなバラバラにしちゃうゾ」

 

ミカの合図を受け、上階にノイズ達が集合する。

逃げる間もなく、あっという間に包囲された未来。

それを目の当たりにした響は、何とか拘束から逃れようともがく。

 

「本気になってくれないのなら、本気にさせるしかないゾ」

「――――ッ」

 

響の背筋を、悪寒が走る。

失う恐怖に全身が悲鳴をあげ、硬直する。

なのに頭だけはいっちょ前に高速回転し、どうすれば、どうすればと無意味なループを繰り返し始めた。

その時だった。

 

「響ッ!!!」

「・・・・ッ!?」

 

思考を打ち切らせるには十分な一声。

目を向ければ、未来が必死な顔でこちらを見ている。

 

「響の手は、もう傷つけないよ!」

 

響に見られるのと同時に、搾り出すように叫ぶ未来。

 

「だって、響のお陰で、命が今日に繋がっている人は、たくさんいる!殺した数なんかより、ずっとずっと、たくさんある!」

 

一呼吸おいた未来は、どこか泣き出しそうで。

それでいて、懇願するような顔をしていて。

 

「わたしだって、その一人だよ・・・・!」

 

握り締める、胸元を。

 

「響が、ずっと、ずっと、一生懸命、守ってくれた、命だよ・・・・!!」

 

そこに確かにある、鼓動(いのち)を。

 

「だから、響!もう怖がらないで・・・・!」

 

また、一呼吸。

溢れた涙を堪えるように、喉を振るわせる。

 

「――――生きるのを、怖がらないで!!!」

 

そして最後の一押しと言わんばかりに、声を張り上げた。

 

「――――」

 

目を見開いた響の脳裏は、まっさらになっていた。

あらゆる思考が停止し、だけど呼吸音だけはやけにはっきり聞こえていて。

 

「何を言っているのかよく分からないゾ、バラバラになれば何にも関係なくなるゾ」

 

その横で、ミカは無情に号令を出す。

アルカ=ノイズが飛び掛る。

未来は咄嗟に避けたものの、崩落する足元に巻き込まれる。

自由落下を始めてもなお、未来の顔に浮かんでいるのは。

信じていると言いたげな、清々しい笑顔で。

 

(――――いやだ)

 

火が、灯る。

 

(なくしたくない、なくしたくない、なくしたくないッ・・・・!!)

 

いやだ、いやだと、心が泣き叫ぶ。

無くすのはいやだ、失くすのはいやだ、亡くすのはいやだ・・・・!

大切で、大好きで、愛している陽だまりを。

こんなところで、こんなことで。

――――失くして、たまるものかッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――Balwisyall」

 

 

「Nescェル」

 

 

「ガングニール・・・・・!」

 

 

「トロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ?」

 

ぎごん、と鈍い音。

軽くなった感覚にミカが目をやれば、圧し折れて放り出される自らの片腕。

視界の端には何かが翻るのが見えて、それを目で追う。

 

「おおっ?」

 

瓦礫と雨水がなだれ込む中、そいつはいた。

まるで縋るように『陽だまり』を抱きしめ、蹲るそいつ。

マフラーを靡かせる響は、強く閉じていた目を開くと、安堵しきった笑みを浮かべた。

 

「――――ありがとう」

「――――ううん、いいよ」

 

泣き出しそうな顔をあやすように、そっと身を寄せた未来。

響も頬を寄せ返すと、早々に未来を降ろす。

真っ直ぐミカを見据えた響は、振り返らずに一言。

 

「――――いってくる」

「待ってる」

 

未来もまた、慣れた様子で笑って見送った。

瞬間、響が構えると同時に、重々しく展開する手甲のパイルバンカー。

 

「おおぉ・・・・おっ?」

 

楽しそうに笑うミカが行動を起こす前に、懐へ飛び込んで。

 

「おおおおぉぉわああああああああッ!!!」

 

重く、深く。

拳を叩き込む。

今度はミカがきりもみしながら吹き飛び、柱に衝突。

降ってくる瓦礫をもろに受けながら、砂埃に包まれる。

油断なく躊躇いなく構えた響は、追撃を加えようと再び手甲を展開。

今度はエンジンを噴かせながら、重々しい一撃を加えようとして。

 

「――――え」

 

突撃した砂埃の中。

予想だにしない光景が。

 

 

 

響によく似て、だけどどこか違う少女がいて。

 

 

 

「――――」

 

間に合わず、そのまま拳を振りぬいてしまう響。

弾けとんだ『水』が、まるで生暖かいように錯覚して。

我に返った視界。

満面の笑みを浮かべたミカの向こうに、柱に隠れたガリィを見つけた。

ミカの手は喉下、回避も防御も絶望的。

無情にも、赤い結晶が打ち出されて。

 

「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」

 

未来が顔を強張らせる前で、響の体は木の葉のように。

高く、高く、舞い上がった。




あげておとす(物理)

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