MOKOCCHIが行く遊戯王GX   作:交響魔人

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融合次元の決闘者相手に、幻魔の扉を使ったら何と言われるのでしょうか?



機械仕掛けの巨人VS吸血鬼!

 セブンスターズの最初の一人。それは行方不明になっていた天上院吹雪だという。

 

「…意識が戻らないのでは、情報を聞き出す事も出来ない、か」

 

 手の施しようが無い。しかも天上院の兄となれば、無理矢理尋問する事も出来ない。

 どうしたものか。思考を巡らしていると。

 

「おい、聞いたか?」

「え?何を?」

「湖の近くで絶世の美女を見た人がいるんだって!」

「ええ~。」

「しかし、見た、次の瞬間…」

「次の瞬間?!」

「口元から牙が!!」

「またまた~、何言ってんの?吸血鬼じゃあるまいし!」

 

 

 吸血鬼の噂、か。

 

「失礼。田中、その美女について一つ確認したい」

「黒木さんか。と言われても直接見た訳では無いから…」

「その人物は金髪のショートだったか?」

「え?」

 

「なぁ、黒木。金髪のショートって随分と具体的に聞くが、心当たりでもあるのか?」

「一人居る。ヴァンパイアデッキを使うカードプロフェッサー、ティラ・ムーク。」

「へぇ…その人は金髪ショートなのか?」

「そう聞いて居る。興味があるのか?加藤」

「ああ。吸血鬼といえば、金髪貧乳だろう」

 

「はぁ?吸血鬼と言えば銀髪巨乳だろうが!」

「なんだと!」

 

 話が明後日の方向に行き出した馬鹿を放置し、もこっちはその場を立ち去る。

 貴方が落としたのは、この金髪の吸血鬼ですか?銀髪の吸血鬼ですか?

 正直者な貴方には、二人とも差し上げましょう。

 直後に二匹の吸血鬼に襲われて、正直者な木こりは馬鹿をみました。

 薄れゆく意識の中、木こりが見た物は泉から脱出しようとして女神に

 引きずり込まれる、自分が落とした吸血鬼の姿だったそうな。

 

 

 自分自身、明後日の方向に思考が飛んだ為、大きく深呼吸をする。

 吸血鬼であるならば、アンデットデッキか?

 効果破壊しても蘇るヴァンパイアロードは戦闘破壊、

 戦闘破壊で蘇るカースオブヴァンパイアは効果破壊。

 しかるべき対処をすれば倒せない相手では無い。

 というより、しかるべき対処をして倒せない相手など居ないか。

 

 

「ふむ…絶世の美女か、興味深い」

 

 何やら一人で納得している三沢に、絶対零度の眼差しを向けるもこっち。

 

「おっと、いけない。黒木、校長先生が俺達を呼んでいる。校長室へ行こう」

 

 

 

 

 

 校長室にて。

 

 

 

「明日香!兄さんの様子はどうだ?」

「医務室で休んでいるわ。意識は無いのだけれど、命には別条ないという話なので、これからの経過を見守っていくわ。

でも良かった。生きていてくれて。もうじき、きっと目を覚ますわ。」

「そうだな。きっと目を覚ますぜ。」

「うん。いつまでこんなデュエルが続くのかしら…」

 

 

 意識は無い、か。これでは聞き出す事も出来ない。

 焦燥感を抑え込み、鮫島校長を待つもこっち。

 

 

「良く集まってくれました、皆さん。今、この学校には湖に現れる美女、というか吸血鬼の噂話で持ちきりのようです。」

「吸血鬼?!」

「吸血鬼と言えば、闇を好む。」

「そうか。闇のゲームの使い手、セブンスターズの可能性は高い、と言う訳か。」

「ええ。皆さん、充分注意してください。」

 

 

「丸藤先輩の容態は?」

「良くありません…。今度のセブンスターズは」

「この実技担当最高責任者、クロノス・デ・メディチに任せるノーネ!」

 

 

 クロノス教諭が勝ったとして、手傷を負えば今度は自分達の番、か。

 何故一度に襲撃しない?

 

 

 

 

 深夜。もこっちはインカムを起動する。

 

 

『仕掛けてきたぞ?湖からやってくる』

「今回はクロノス教諭が相手をする。私の出る幕は無いだろう」

『だといいのだが、な。奴からは幻魔の力を感じる。』

「?!三幻魔は封印されているはずだ!」

『三幻魔の恐ろしさは、カード効果による物だけでは無い。

奴らとの契約で使えるカードは、命を対価にすさまじい力を発揮するぞ』

「命を対価に…」

 

 

 

 画面を見つめるもこっち。

 

 

 

 湖にて。

 

「ようこそ、赤き闇への道へ…あら?貴方が相手なの?」

「いかにも、なノーネ!」

「ふぅ…いいわ、相手になってあげる。」

 

 

 

クロノス ライフ4000

手5 場 

カミューラ ライフ4000

手5 場 

 

 

「私の先攻、ドロー!私はピラミッドタートルを守備表示で召喚!

カードを一枚伏せて、ターンエンドよ!」

 

 

 

クロノス ライフ4000

手5 場 

カミューラ ライフ4000

手4 場 ピラミッドタートル 伏せ1

 

「私のターン、ドロー!私は永続魔法、古代の機械城を発動!

そして古代の機械兵士を召喚!古代の機械城により攻撃力は300ポイントアップするノーネ!バトル!ピラミッドタートルを攻撃なノーネ!」

 

「ふっ、ピラミッドタートルの効果発動!デッキから守備力2000以下の

アンデット族モンスターを特殊召喚!出でよ、ヴァンパイア・ロード!」

「ふふん、想定内デスーネ。カードを一枚伏せて、ターンエンドなノーネ」

 

 

クロノス ライフ4000

手3 場 古代の機械兵士 古代の機械城 伏せ1

カミューラ ライフ4000

手4 場 ヴァンパイアロード 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!永続魔法!一族の結束を発動!この効果により墓地に存在するモンスターと同じ種族の攻撃力が800ポイント上昇するわ!

ただし、墓地に存在するモンスターの種族が複数存在している場合はこの効果は適用されないけれどね。

私の墓地にはピラミッドタートルが存在していてアンデット族、そしてフィールド上のヴァンパイアロードもアンデット族!よって攻撃力は800ポイントアップするわ!」

「?!という事は、シニョーラカミューラのモンスターは…」

「そう、攻撃力2800よ!」

 

 

「何というカードだ、恐ろしく強いぞ」

 

 

 アンデット族を次々と強化するデッキか。しかし…一族の結束か。

 ダークネスこと天上院吹雪も使用していたが…

 奴らと戦う時は永続魔法を除去する、ツイスターや魔法効果の矢、

 砂塵の大竜巻でも入れた方がいいのか?

 

 

 

「さらに、ヴァンパイア・バッツを召喚!これにより、私の場のアンデット族モンスターの攻撃力は200ポイントアップするわ!」

「攻撃力、3000?!」

 

「バトル!ヴァンパイア・ロードで古代の機械兵士を攻撃!」

「くうううっ?!こ、この痛みーハ?!まさか本当に闇のゲームは…」ライフ4000から2600

 

 クロノス教諭が吹き飛ばされ、激しく体を打ち付ける。

かなりの衝撃だったが、立ち上がると罠カードを発動させる。

 

「ですーが、罠発動!ダメージコンデンサー!手札を一枚捨て、デッキから攻撃力1400以下の古代の機械兵士を守備表示で特殊召喚するノーネ!」

「ヴァンパイア・バッツで古代の機械兵士を攻撃!」

「くううっ」

 

「ターンエンドよ」

 

 

 

 

クロノス ライフ2600

手2 場 古代の機械城 

カミューラ ライフ4000

手3 場 ヴァンパイアロード ヴァンパイア・バッツ 一族の結束 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!古代の機械城の効果発動!モンスターが通常召喚される度に、このカードにカウンターを1つ置くノーネ。

「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターを生け贄召喚する場合、必要な生け贄の数以上のカウンターが乗っていれば、このカードを生け贄の代わりにする事がデキール!既に、古代の機械兵士とヴァンパイア・バッツが召喚されたこと―で、カウンターは二つ乗っているノーネ!出でよ、古代の機械巨人!」

 

「攻撃力3000!クロノス先生の切り札!」

 

 

「古代の機械戦車を装備!これで攻撃力は3600!バトル!

覚悟シニョーラカミューラ!

古代の機械巨人でヴァンパイア・ロードを攻撃!アルティメット・パウンド!」

「くうううっ?!」ライフ4000から3400

「一枚カードを伏せて、ターンエンドなノーネ!」

 

 

クロノス ライフ2600

手0 場 古代の機械巨人 古代の機械戦車 伏せ1

カミューラ ライフ3400

手3 場 ヴァンパイア・バッツ 一族の結束 伏せ1

 

 

 

「私のターン、ドロー!ならば、私はこれを使うわ!

フィールド魔法、不死の王国ヘルバニア!」

「へ、ヘルバニア?!アンデット族の切り札なノーネ!」

 

「手札のアンデット族を捨てる事で、場の全てのモンスターを破壊する。

手札のアンデット族が実質、ブラック・ホールになる恐ろしいカードだ。

だがその効果を発動したプレイヤーは、そのターン通常召喚出来なくなるリスクを

背負う」

「隼人の親父さんが使った、ちゃぶ台返しみたいなものか」

「ちゃぶ台返しが分からんから何ともいえんが、

一つ確かなのはこのままではクロノス教諭が…」

 

 

「手札のカースオブヴァンパイアを捨て、ヘルバニアの効果発動!

場の全てのモンスターを破壊するわ!

でも、私のヴァンパイア・バッツは同名カードをデッキから墓地に送る事で

破壊されないわ!」

「マンマミーア!我が古代の機械巨人がー?!しかし、古代の機械戦車が

場を離れた事で、シニョーラに600ポイントのダメージを与えるノーネ!」

「小癪な!」ライフ3400から2800

 

 

 古代の機械戦車が爆発して、その大きな破片が結構大きな音と共に

 カミューラの頭に直撃する。

 「『避けろよ』」

 思わず突っ込む主従。

 

 

 

「そして最終兵器の出番なノーネ!罠発動!古代の機械再生融合(アンティーク・ギア・リバース・フュージョン)!発動なノーネ!」

「なっ?!古代の機械の、融合モンスター?!」

「罠カードでの融合召喚だと?!」

 

 

「私の場の古代の機械モンスターが相手のカード効果でフィールドから離れた場合、その対象のモンスターが融合カードに指定された融合素材モンスターの場合、

その融合モンスターを融合召喚出来るノーネ!我が勝利の為に、起動するノーネ!古代の機械究極巨人!」

「古代の機械巨人の、融合モンスター?!」

 

 巨大な古代の機械の融合体が現れ、

 

「生徒相手に、これを使う事は無いノーネ、でもシニョーラカミューラ。貴女のような危険な決闘者の相手を、私の教え子にさせるわけにはいかないノーネ!

何故なら、デュエルとは本来、青少年に希望と光を与える物でアーリ、恐怖と闇をもたらす物では無いノーネ!」

「そうか、だから闇のゲームは存在しないと」

「存在してはならないと言っていたのか…」

 

 

「くっ…ならば!魔法カード、幻魔の扉!相手の場の全てのモンスターを破壊するわ!」

「くううっ?!またしテーモ!ですーが、古代の機械究極巨人が破壊された場合、墓地の古代の機械巨人を特殊召喚出来るノーネ!」

 

「破壊された時のリカバリーまで…すげえ、すげぇよクロノス先生!」

「でも、幻魔の扉の効果はまだ終わっていないわ!あなたがこのデュエル中使用したモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚出来る!

最終兵器、古代の機械究極巨人は貰ったわ!」

「わ、我が古代の機械究極巨人が…」

 

 

「く、クロノス先生ッ!」

 遊城が悲痛な声で呼びかける、だが、この状況を耐えるカードは、場にも墓地にも、ない。

 

 

「……諸君、よく見ておくノーネ。そして約束するノーネ」

「約束……?」

 

 最終兵器まで持ち出して勝てなかった事。奪われた究極巨人を前にしてもなお、クロノス教諭は毅然とした態度で言葉を紡ぐ。

 

 

「例え闇のデュエルに敗れたとしても、闇は光を凌駕できない。そう信じて、決して心を折らぬこと。ワタシと約束してくだサーイ」

「クロノス先生…」

「最後の授業は終わったかしら?クロノス先生!」

「いつでも来いなノーネ!」

「ふふっ、古代の機械究極巨人で、古代の機械巨人を攻撃!アルティメット・パウンドッ!」

「くううううううっ!!まだまだ!私は闇のデュエルに屈さないノーネ!」ライフ2600から1200

 

「トドメよ、舞えっ!ヴァンパイア・バッツ!ブラッディ・スパイラルッ!」

 

「クロノス先生ッ!」

「ボーイ!光の、デュエルを…」ライフ0

「やっと一つ。さて、次は誰にしようかしら、ふふふっ、アーッハッハッハ!!」

 

 高笑いと共にカミューラは霧になって闇夜に消えていく…

 

 

 

 

 ブルー女子寮の自室にて、もこっちは沈痛な表情を浮かべていたが、

 毅然と目を見開く。過ぎた事は仕方ない。

 

 

「サイコショッカー。あれが幻魔の力か?」

『そうだ。ちなみに、あれを使うためにはプレイヤーの魂を捧げねばならない。』

「そうまでして勝ちたい、か。命を賭けている相手程厄介な物は無い。さて、どうしたものか…」

 

 




吸血鬼と言えば、金髪ですか?銀髪ですか?
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