タニアの一件から数日後。エントランスにもこっち達は集められていた。
「七精門の鍵を持つ、皆さん。皆さんに紹介したい人がおります。
警視庁からいらしていただいた、魔暮警部です。」
「警視庁だと!」
「いかにも。私が魔暮警部です。みなさんに警備の指導を行いに参りました。」
「おお~、カッコいい!」
「皆さんは大事な鍵を持っていると思います。しかし!ちゃんと保管してありますかな?」
「身に着けているわ」
「俺もだ!」
「同じく。」
「確かに、大事な物を見につけているのは、一見安全に思える。
しかし、それは同時に、その大事な物の場所を教えている事にもなるのです。」
「そうですよ。きちんと保管した方がいい場合もあります。という、魔暮警部の提案です。」
「そう言われると、不安になるわね。」
「わざわざ海を渡って、ちゃんと隠すように、指導しに来ていただきました。」
「なるほど。」
「プロなら安心なノーネ。」
「それでは、各自の部屋を回らせていただきます。」
「皆さんも一緒に、隠し場所を考えましょう。」
オシリスレッド寮にて
「俺はこの部屋の流しの下だ!」
「なるほど、意表をつく場所です。いいでしょう。」
ガタン、という物音が聞こえる。
「誰だ!」
「あ、ごめん。部屋間違えた…」
「チック、また部屋を間違えたんスか?」
「心配要らないよ、刑事さん。チックはオシリスレッドの一人だ」
「むむ…」
「俺は引き出しかな。他にすると本当に無くしちゃうから…。」
「なるほど、シンプルでいいでしょう。」
「お前らしい単純さだな。」
ドアが開けられる。
「誰だ!」
「んん?」
「管理人のゴーグさんッス」
「心配要らないって」
「そうですか…」
ラーイエロー寮にて
「俺は備え付けの金庫だな」
「頑丈そうでいいでしょう。」
突然、ドアが開かれる。
「む!誰だ!」
「クリフ警備員さんです、警部さん。」
ブルー女子寮にて
「私は宝石箱に。」
「無難な選択です。いいでしょう。」
「皆さん。この寮に男性の出入りは困りますね」
「む?彼女は?」
「ミーネ女医だ。心配要らない」
もこっちの自室。
「へぇ~、随分綺麗だな」
「ジロジロ見るな、デリカシーの無い奴め」
「私は…クローゼットの中にしまう。」
そう言ってクローゼットのドアに手を掛け、もこっちは冷え切った目を男性陣に向ける。
「衣類が入っている。しまう場所まで確認する必要はあるのか?」
「む、むむ…」
クローゼットの中に仕舞い、もこっちは自室から出る。
「取りあえず、今日はこんな所でいいでしょう。
皆さん、鍵の取り扱いにはくれぐれも注意してください。
私は数日このアカデミア島に滞在しますので、何かあったら連絡お願いします。
それでは今日は解散しましょう。どこで、誰が狙って居る事やら…。」
深夜、寝ているもこっちの所に電話がなる
「……」
「おい!黒木!起きてくれ!実は七精門の鍵が無くなったんだ!そういえば黒木!お前の鍵は盗まれていないんじゃないか?」
「……ああ、盗まれていない」
「何ぃ?!せっかく隠したばかりなのに、盗まれるなんて信じられないぜ。とにかく、一旦集まろう!」
「どこに?」
「万丈目の部屋に来てくれ!」
手早く身だしなみを整えて向かうもこっち。
万丈目の部屋にて
「なんて事なの、皆鍵を盗まれてしまうなんて」
「大変な事になりましたな」
「あっ、魔暮警部!」
隠せ、と言って置いて即日消える。となると隠すよう言って来た彼が一番怪しい。
「とりあえず、皆さんのお話しを一人ずつ聞きましょう。そうですね、黒木さん、別室でお話しを」
「そうだな、私も話があった所だ」
「ちょっと待った!」
「どうしたんだ、万丈目?」
「皆動くな!犯人は…この中にいる!」
軽く眉を上げるもこっち。
「この事件は俺が必ず解決して見せる!名探偵万丈目サンダーの名にかけて!
レッド寮だが、ドリルで穴があけられていた。そしてこの穴とあうのはチック!お前の電動ドリルだ!」
「な、何を根拠に!」
「俺がこの寮に入寮する際、お前から借りたから覚えて居たんだ!」
「ぐっ…」
「次に、ラーイエロー寮の金庫は開けられなかったときに備えてマスターキーがある。
それが今晩持ち出されていた。持ち出しには職員のIDカードを認証しないといけない。クリフ警備員の履歴が残っていた!」
「しまった!」
他人のIDを使えよ、と内心つっこむもこっち。
「ブルー女子寮だが、部屋に付け爪が落ちていた。鮎川先生に聞いた所、これはミーネ女医の物だと判明した!」
「そんなっ?!」
これを率いて戦わねばならないセブンスターズに同情するもこっち。
「そして、鍵を隠すように俺達に言って、その晩に無くなった。状況的にお前が犯人だ!魔暮警部!」
「ぐぐっ?!…ふ、ふふ、ふふふふふ。流石は名探偵万丈目サンダー!そう、私の正体はっ!黒蠍盗掘団の首領、首領・ザルーグ!」
「黒蠍盗掘団?!」
「セブンスターズの一人!」
「数年前から七精門の鍵を奪う為、私は警視庁の警部となり、この学校に来る機会を探っていたのだ!」
「そっ、そんな前から…。」
「それが黒蠍盗掘団!さて、鍵を奪ったのに三幻魔のカードが手に入らない。どうすればいいか、知っているなら答えて貰うぞ!」
「…鍵を奪えばいいのであれば、鮫島校長は生徒に鍵を預けたりしない」
「何?」
「私達はただの高校生。子供にそんな力づくで奪われたり、盗まれれば終わりの物は託さない。
デュエルで勝って奪うしか無い。万丈目、デッキの準備は良いか?出来て居ないなら私が」
「いや、逆上した犯人を打ち負かすのは名探偵の仕事。デュエルだ!」
「それは違うと思うが…」
デュエル!
万丈目 ライフ4000
手5 場
ザルーグ ライフ4000
手5 場
「私の先攻、ドロー!私は切り込み隊長を召喚!効果発動、手札の下級モンスターを特殊召喚!現れろ、切り込み隊長!」
「切り込みロックか」
「いかにも!そしてカードを二枚伏せる。ターンエンドだ」
万丈目 ライフ4000
手5 場
ザルーグ ライフ4000
手2 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ2
「俺のターン、ドロー!」
「罠発動!ダスト・シュート!お前の手札が4枚以上ある時発動!その中から一枚を選んでデッキに戻す!」
「俺の手札はデビルズ・サンクチュアリ、アームドドラゴンLv5、おジャマジック、リビングデッドの呼び声、仮面竜、闇よりいでし絶望だ」
「ふん、ならばアームドドラゴンLv5をデッキに戻して貰う」
「俺はモンスターをセット。カードを二枚伏せてターンエンドだ」
万丈目 ライフ4000
手2 場 セットモンスター 伏せ2
ザルーグ ライフ4000
手2 場 切り込み隊長 切り込み隊長 伏せ1
「私のターン、ドロー!ふっふっふ、場の切り込み隊長を生贄に、いでよ!黒蠍一番の力持ち!黒蠍-強力のゴーグ!」
「おう!」
「切り込みロックを自分から崩した?」
「三沢、一つ忘れて居ないか?これで戦士族が墓地へいった」
「…?!そうか、あのカードが既に!」
「永続魔法、一族の結束!これでゴーグの攻撃力は2600!おまけに切り込み隊長の攻撃力は2000!
バトルだ!切り込み隊長でセットモンスターを攻撃!」
「ぐっ、だが仮面竜の効果で仮面竜を守備表示で特殊召喚だ!」
「続け!ゴーグで仮面竜を攻撃!」
「俺は仮面竜の効果で」
「仮面竜だろう?」
「いいや。アームドドラゴンLv3を特殊召喚だ!」
「ほう、二枚しか入れてないのか?ハッハッハ。ターンエンドだ」
万丈目 ライフ4000
手2 場 アームドドラゴンLv3 伏せ2
ザルーグ ライフ4000
手1 場 切り込み隊長 ゴーグ 一族の結束 伏せ1
「俺のターン、ドロー!このスタンバイフェイズに、アームドドラゴンLv3はLv5に成長する!」
「ぬっ」
「俺はアームドドラゴンLv5の効果発動!手札を一枚捨て、ゴーグを破壊する!ジェノサイド・カッター!」
「うわぁあああああ?!お頭ぁ?!」
「ご、ゴーグゥ?!」
ぶちのめされるゴーグ。横で切り込み隊長が小馬鹿にしたような顔をするが。
「次はお前だ!バトル、アームドドラゴンLv5で切り込み隊長を攻撃!」
あ、やべ、といった顔に変わる切り込み隊長。剣を構えるがアームドドラゴンにぶちのめされて吹っ飛ばされる。
「ぐうっ?!」ライフ4000から3600
「この機は逃さん!永続罠、リビングデッドの呼び声!蘇れ、闇よりいでし絶望!ダイレクトアタックだ!」
「うわぁあああああ?!」ライフ3600から800
「ターンエンド、エンドフェイズにアームドドラゴンLv5はLv7になる」
万丈目 ライフ4000
手2 場 アームドドラゴンLv7 闇よりいでし絶望 リビングデッドの呼び声 伏せ1
ザルーグ ライフ800
手1 場 一族の結束 伏せ1
「これは…勝負あったか?」
「一族の結束は確かに厄介。デッキに戻してしまう、破壊する。色々あるが敵の戦力を上回る火力、が万丈目の答えか。」
「わ、私のターン、ドロー!よし!二枚目の永続魔法、一族の結束だ!
「二枚目だと?!」
「これで私の戦士族は攻撃力1600アップする!私は私自身、首領ザルーグを召喚!攻撃力は3000!
バトルだ!私自身で闇よりいでし絶望を攻撃!グレートスナイプ・ファーストショットォ!」
ザルーグに撃ち抜かれる闇よりいでし絶望。信じられない、といった顔をして崩れ落ちていく
「ええい、厄介な…」ライフ4000から3800
「そして私の効果発動!お前の手札からランダムに一枚、捨てさせてもらう!」
「…捨てられたのは、このおジャマジック。こいつが手札から墓地に送られた時、デッキからおジャマ三兄弟を手札に加える」
「ふん、攻撃力3000の今の私に勝てるはずが無い、ターンエンドだ!」
万丈目 ライフ4000
手4 場 アームドドラゴンLv7 闇よりいでし絶望 リビングデッドの呼び声 伏せ1
ザルーグ ライフ800
手0 場 ザルーグ 一族の結束 一族の結束 伏せ1
「俺のターン、ドロー!よし、リバースカードオープン!デビルズ・サンクチュアリ!メタルデビルトークンを特殊召喚!」
「ほう、二体の生贄か?」
「いいや。速攻魔法、エネミーコントローラー!場のメタルデビルトークンを生贄に、お前自身のコントロールを得る!」
「なっ?!何ぃ?!」
ソリッドビジョンのザルーグが万丈目の場に移動し、リボルバーを抜く。
「バトル!俺はお前でお前自身を攻撃!ダブルリボルバー!」
「うわぁあああああ?!じ、自分自身に負けるとはぁ…」
首領ザルーグが倒れると、あっという間にその姿が消えていく。
「…ミーネ女医も、チックもクリフ警備員も居ない。逃げたか?」
「いや、カードになっている。ただの盗賊だと思って居たが、カードの精霊だったのか」
とはいえ、女医が居なくなったブルー女子寮、管理人が居なくなったレッド寮はどうなるのか、と思考をもこっちは巡らしていた。