「ラーの翼神竜が盗まれて、それを取り戻しにペガサス会長が…」
セブンスターズとの闘いで選ばれたメンバー、十代、万丈目、三沢、天上院は光の結社に。
カイザーは卒業し、無事なのはクロノス教諭ともこっちだけである。
「光の結社はインダストリアルイリュージョン社のカードデザイナーまで手が及んでいます。」
「光の結社に洗脳された決闘者が使う新規カードは、洗脳されたデザイナーが作ったものか。」
「ええ。これ以上増やさないようにペガサス会長が取り締まろうとした矢先に」
「グールズが複製したラーを奪った、か。」
校長室にて事情を聞くもこっち。
「あの、それでなんで俺まで…?」
「ペガサス会長の案内を。そして万が一、ペガサス会長が敗れた時は」
「え…」
カードゲームの創造主すら倒す相手に戦え、と言い出す鮫島校長に絶句する智貴。
「心配ありませーん。十代ボーイが洗脳されていたとは残念ですが、大人の不始末を子供にさせるわけにはいきませーん」
間近で最高レベルのデュエルが見られるのだから、断る理由もなく姉弟は案内する。
先導するもこっち。
「こちらにフランツが?」
「はい」
「なぜ分かるのですか?」
サイコ・ショッカーを先導させ、そこから得た情報で先回りしているというわけにはいかない。
「なぜ分かるのか、ということより神と戦うのですから心の準備をお願いします」
そのまま歩いていると、銀髪の眼鏡をかけた男に遭遇する
「?!な、何故ここが!」
「ミスター・フランツ!神のカードを返すのデース!」
「ぐっ、こうなったら仕方ない。デュエルだ、ペガサス会長!ここで貴方を倒し、私の優秀さを斎王様に認めてもらう!」
デュエル!
フランツ ライフ4000
手5 場
ペガサス ライフ4000
手5 場
「私の先攻、ドロー!手札から速攻魔法、光神化を発動!手札の天使族モンスター1体を攻撃力を半分にして特殊召喚する!
いでよ、ラーの使徒!」
「ラーの、使徒」
「ラーの使徒の効果発動!召喚、反転召喚、特殊召喚に成功したとき、デッキからラーの使徒を2体まで特殊召喚する!」
一気にそろった三体の生贄。残った召喚権。これが意味することが分からない者はここにいない。
「私は場の三体のラーの使徒を生贄に、いでよ、ラーの翼神竜!」
「くっ、いきなり出てきましたカ…」
想定していただろうが、予想以上に早く出てきたことにさすがに焦るペガサス会長。
「ラーの攻撃力は、生贄に捧げたモンスターの攻撃力・守備力の合計で決まる。よって攻撃力は3300、守備力は1800!」
「やめるのデース!神を従えられる者は神によってえらばれたデュエリストのみ!」
「その神を操るカードすら、私は開発したのだ!」
フィールド魔法のスロットが開かれる。それを見たペガサス会長は驚愕する。
「まさか、オレイカルコスの結界?!」
「発動せよ、神縛りの塚!」
ペガサス会長が予想したフィールド魔法ではないフィールド魔法が発動される。
突如として現れた鎖に、ラーが縛り上げられていく!
不遜な人間に神罰を下そうとするも、その身は縛り上げられ、動くことはかなわない。
「神を、従えた?」
「フハハハ!どうだ、ペガサス会長!最強最悪のラーですら、私のしもべに過ぎない!」
高笑いを上げている中、黒木姉弟は一歩後ずさる。
「ほう、どうやらそっちは私の偉大さに恐れをなしたようだな?」
気分が高揚しているフランツは、姉弟が見ている先が自分ではないことにすら気が付いていない。
そのすさまじい憎悪はさしものもこっちとて思わず後ずさるほどである。
「カードを伏せ、ターンエンドだ!」
フランツ ライフ4000
手1 場 ラーの翼神竜(3300/1800) 神縛りの塚 伏せ1
ペガサス ライフ4000
手5 場
「…私のターン、ドロー!私は永続魔法、トゥーン・ワールドを発動!」
ペガサス会長の場にコミック本が浮かび上がる。
「あれが、伝説のトゥーンデッキのキーカード…」
「自分の場のモンスターをすべてトゥーンモンスターとして扱い、トゥーンモンスターはトゥーンモンスター以外との戦闘では破壊されず、戦闘ダメージも受けない」
「…もしかして、スピリットバリアとアストラルバリアを内蔵している永続魔法?」
「そういう事になるな、トゥーンデッキでなくても、直接攻撃を得意とするテーマデッキが登場したら投入されるであろう一枚だ」
「姉ちゃん。どうやってトゥーン・ワールドのカードを手に入れるの?」
思わず言葉につまるもこっちを置いて、デュエルは続く。
「私は魔法カード、デビルズ・サンクチュアリを発動。メタルデビルトークンを特殊召喚。そしてメタルデビルトークンを生贄に、いでよ、トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール!」
「ブラックマジシャンガールのトゥーン版!」
「攻撃力は2000だが、トゥーンは相手の場にトゥーンがいなければダイレクトアタックが出来る。これなら」
「だがその攻撃力は2000、次のターンで」
「魔法カード、闇・エナジーを発動しマース!場の闇属性モンスターの攻撃力は二倍になりマース!」
「?!」
一気に巨大化するトゥーンブラックマジシャンガール。
「こ、これは…」
「ワンターンキルか。ラーデッキをワンターンキルで仕留めるとは…しかしいいな、あのカード…」
「バトルデース、ブラックバーニング!」
『イエス・マスター!』
巨大化したブラックマジシャンガールが魔法攻撃を放つ!その攻撃はフランツに直撃する!
「…終わったね、姉ちゃん。」
「まだ終わっていない。カードを発動する音が聞こえた」
煙が晴れる。フランツはまだ立っており、その身を守るように別のカードが出ている。
「…まさか、それを入れていたとは」
「ええ。」
フランツが使ったカードは
「アルカナフォースXIV-TEMPERANCE…」
「これが光の結社の力ですよ、ペガサス会長。クリボーみたいな雑魚などもはや時代遅れ!」
「防がれたが、今のブラックマジシャンガールは攻撃力4000、どうするつもりだ?」
「攻撃力で上回られたらどうしようもないね…」
「愚かな!ラーを従えている私は神も同然!」
「神に縋る愚か者が何か言っているな。神を無理やり従えたところで、気まぐれな神はお前を守ってはくれないぞ。特に自分を鎖で縛る相手はな」
「戯言を。メインフェイズ2、カードを一枚伏せ、ターンエンドデース」
フランツ ライフ4000
手0 場 ラーの翼神竜(3300/1800) 神縛りの塚 伏せ1
ペガサス ライフ4000
手1 場 トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール トゥーン・ワールド 伏せ1
「私のターン、ドロー!ライフを1000払い、ラーの翼神竜の効果発動!ラーよ、お前以外の雑魚モンスターなんて、すべて焼き払ってしまえ!」
縛り上げられたラーが放つ業火は、トゥーンブラック・マジシャン・ガールを焼き払う!
「ぐっ…流石神のカードデスネ、パーフェクトな生命体であるトゥーンすら破壊シマスカ」
「カードデザイナーなのに、カードを雑魚呼ばわりするなんて!」
「何を言う、弱いカードは強いカードに食われ、淘汰される定め。時代は常に強いカードを求めている」
「…その通り」
同意するもこっちを、非難する目で見る智貴とペガサス会長。
「ハハハ!君は分かっているな」
「同様に。弱いデュエリストは強いデュエリストに食われ、淘汰される。デュエルリーグは常に強いデュエリストを求めている」
意趣返しに鼻白むフランツ。
「貴様、この状況で私が負けるとでもいうのか!」
「千年アイテムに選ばれたデュエリストの底力を見るがいい。智貴、このデュエル勝つのはペガサス会長だ」
「え?でも現実には」
「彼はこのカードゲームの創造主。ラーを所持しているとわかっている相手に無策で挑むような決闘者ではない。
手の内がばれているのに通用すると思い込んでいる弱者の手には負えん」
「…いいだろう、ならこのターンで証明してやる!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!蘇れ、アルカナフォースXIV-TEMPERANCE!
効果発動!さぁ、カードの回転を止めるがいい!」
「…ストップデース」
「正位置だ。バトル!アルカナフォースXIV-TEMPERANCEでダイレクトアタック!アルカナ・ジャッジメント!」
「ぐっ!」ライフ4000から1600
まさかの素通りに驚く智貴。
「ハハハ!バトル!ラーの翼神竜でダイレクトアタック!」
「…罠発動!」
「無駄だ!神に罠は通用しない!」
「神ではない、その攻撃デース!ディメンション・ウォールを発動!戦闘ダメージはユーが受けまーす!」
「なっ?!ラーの攻撃力は3300、今の私のライフは3000…うゎああああああ!」ライフ0
ライフが尽き、倒れるフランツ。
「ミスター・フランツ!」
駆け寄ろうとするペガサス会長の前で、ラーが炎を纏ってフランツに襲い掛かる!
断末魔が木霊し…後には何も残っていなかった。
何一つ。
「…これが、神の裁き、か」
こみ上げる吐き気を全力で抑えながら、もこっちは神の怒りを体感していた。
グールズメンバーやリシドにすらあれだけ神罰下したのであれば、ここまでやるとガチで始末されると思います。本当、何故原作で無事だったのか謎です。王様が消えて多少丸くなったのか?