東京喰種 そこそこ強い(自称)捜査官   作:ディルク

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第2話

「白石上等来ねーなー」

 

「本局のほうから呼び出しがかかったんだとさ」

 

「えっ、じゃあこの飯代俺達が払うの?」

 

「いない人がどうやって払うんだよ」

 

白石達の行きつけの店で白石の部下3人はそれぞれ注文した品を食べながら話している。話題は勿論たかろうとしていたのに急に来れなくなった白石のことだ。

 

「やっぱ、他班を完全に無視して勝手に討伐したからかな?」

 

「でもよー。他班と組んだらこんな直ぐには討伐できなかっただろ」

 

「建前の問題じゃないか?結果がどうこうではなくて」

 

そもそも捜査会議すら参加していないのだ。問題にならないほうがおかしい。

 

「白石上等誰に怒られてるのかな?」

 

「聞いた話によると鬼ツネ」

 

「マジか。上等も大変だなー」

 

彼等は今頃お叱りを受けているであろう自分達の班長の姿を想像して合掌した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また合同捜査を無視して1人で討伐に赴いたらしいな」

 

直立不動で立っている白石の前には喰種対策局総議長和修常吉が椅子に腰掛けながら鋭い視線を向けていた。

 

「他の班と仕事をしているようでは喰種を討伐するのに無駄な時間がかかりますので」

 

白石のどこか不貞腐れたような態度に常吉の額がピクリと動く。しかしまだ言いたい事があるのか怒りをあらわにすることはせず話を続ける。

 

「前にも言ったがお前にかしている合同捜査は他班との連携を学ぶためのものだ。特例でアカデミーを出ていないお前はそのようなことを経験する機会もなかった。それゆえにこうして機会をもうけているのだ」

 

「いらないお世話です」

 

白石の反抗的な態度を見て、とうとう常吉の堪忍袋の緒が切れる。

 

「お前は一度でもはいとは言えぬのか!」

 

その後切れた常吉によって1時間にもわたり説教が続いた。さすがにこれには白石もこたえたのか目の焦点が定まっていなかった。

 

そんな白石の様子を見て満足したのか、本来もっと早く伝えるべきだったことを白石へと告げる。

 

「今回の命令無視によって白石上等は期限付きで一等へと降格させる。また白石班は一時的に解散し、現在の班員はお前の期限付き降格が終わるまで他班へと移ってもらう」

 

「はい、総議長」

 

何を言っているのか聞いていなかったが怒鳴られるのを嫌がり白石は返事をしておく。

 

「お前を誰の下につけるのかは後日通達する。それまではどこでもいいからおとなしくしていろ。いいか、絶対に喰種狩りには行くな」

 

「はい」

 

今度はちゃんと聞いていたのでしっかりと返事を返す。内心では何故か誰かの下につけられるという話に混乱していたが。

 

話が終わったと思い白石は部屋から出ようと頭を下げて後ろを向いて歩き出す。扉まで歩いていき出ていこうとしたその時、総議長から声がかかる。

 

「白石、過程はどうであれ結果は上出来だ。よくやった」

 

「……。ありがとうございます」

 

今度こそ扉をあけて部屋をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降格を告げられた次の日、家で寝ていた白石に直ぐに本局まで来いと電話がかけらたので寝起きで機嫌を悪くしながらしぶしぶと白石は本局を訪れていた。

 

「すみません。出頭しろと言われた白石一等なんですけど、どこに行けばいいんですかね?」

 

いかにも不満が有りますという雰囲気で受付に自分の上司がいる場所を尋ねる。

 

「しゅ、出頭ですか?白石一等ですね。ありました。第3会議室です」

 

「ありがとうございます」

 

受付の人から自分の目的地を聞き、そこへ向かうために歩き始める。

 

(さてさて、俺の上司には誰がなるのかね?)

 

疑問を胸に第3会議室へと歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、期限付きで一等になりました白石です。よろしくお願いします。黒磐特等」

 

「うむ」

 

白石が目の前にいる特等捜査官黒磐巌に頭を下げる。総議長は彼の独断専行を止められる、そして彼をきちんと指導することができる人物、黒磐特等を彼の上司としたのだった。

 

黒磐特等にはすでに五里二等捜査官がパートナーとしているのだが白石の教育のために3人で行動することになったのだ。

 

「五里二等です。よろしくお願いします。白石一等」

 

厳つい雰囲気を放つ高身長の女性、五里美郷二等捜査官が白石に対して挨拶をする。彼女の睨み付けるような視線に思わず白石は一歩後退してしまった。

 

(彼がわずか16歳にしてSSSレートを討伐したCCGの生ける伝説)

 

憧れていた白石に会えて感動を覚えていたのだが緊張が上回りつい威圧感が出てしまい、睨み付けるような視線を送ってしまっていた。

 

「よろしく。五里二等」

 

無口な上司、目付きの悪い威圧感のある部下、白石は本当に自分はここでやっていけるのかと不安でしかたなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔合わせが終わった日から10日後、白石達の姿は13局支部にある会議室にあった。周囲には白石達の他に3人の捜査官がいた。

 

「我々の捜査対象はジェイソンと呼ばれる喰種です。この喰種は非常に危険性が高く、つい最近上等捜査官が率いるチームがやつによって全滅させられています」

 

「現在までの捜査状況はどうなんだ?中津二等」

 

白石が捜査資料を読みながら、前で説明をしていた対策Ⅱ課の中津二等に質問をする。捜査資料にはジェイソンに対する基本的なことしか載ってなかったからだ。

 

「現在までに分かっていることはその資料に書かれていることが全てです。未だやつの潜伏場所も活動範囲も何も分かっていません」

 

元々喰種の活動が活発な13区では補食事件が多く起きる。ジェイソンが捜査官を殺したことでさらに喰種の活動が活発になり、補食件数も増え始めていた。そのせいでどれがジェイソンの喰場なのか判別するのにも時間がかかっていた。

 

「ジェイソンが暴れているせいで他の喰種も活発に活動していますのでそちらにも人員を割かなければならずジェイソンの捜査を担当するのはここにいる我々だけです」

 

そう言われて白石は周囲を見回す。白石と行動を共にしている、黒磐、五里、そして黒磐のチームの中津と柿沢、田中の6人のみだ。この人数でジェイソンの捜査をしているのでは探すのにどれだけ時間がかかることやら。

 

「どうしますか黒磐特等、13区は喰種の喰場が多すぎて範囲を絞り込めませんよ。そもそもジェイソンは喰場をあまり固定しない見たいですし」

 

「うむ」

 

どうやら黒磐特等も解決策が浮かばないらしい。

 

「とりあえず監視カメラ等で潜伏場所や喰場を特定していきましょう」

 

その後中津二等からそれぞれ役割を言い渡されて会議は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よりにもよって俺は張り込みかよ」

 

会議が終わってその日のうちから白石は張り込みをすることになった。まだ13区に来たばかりで喰種達に顔も知られておらず、万が一捜査官だとばれても問題なく対処できるであろうということでこの人選となった。

 

現在の白石の張り込み場所は喰種達行きつけのクラブだった。ここには数多くの喰種が出入りしており、ここでならジェイソンを見つけることができるのではないか、ということで張り込み場所になったのだ。

 

ちなみに白石はクラブの近くにある建物の一室を使って監視をしている。

 

「12時から開始して現在23時、ジェイソンらしき人物の姿は確認できず」

 

今日はもう無理だろうとモニターから目を離そうとした瞬間、モニターにオカマっぽい何かが写った。なんだか強烈だったので思わずモニターに目が釘付けになってしまった。

 

「オカマの喰種なんて初めて見たな」

 

眠気も吹き飛んだのでしばらく監視を続けているとさっきのオカマが出てきた。それを見た瞬間に思わず笑みがこぼれる。なぜならオカマは一人で出てきた訳ではなかったからだ。

 

「もしかしてジェイソンは男好きなのかもしれないね」

 

オカマと腕を組みながら楽しそうにクラブから出てくる大男、ジェイソンを見ながらそう呟いた。

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