デュラリールドロップアウト!?   作:タキオンのモルモット

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引越しの作業してたらガヴドロ何処にしまったか忘れたマンです。


お前本当に臨也か!?

妖刀事件から何日か後、学園祭も無事に終わり、平和な日々が戻ってきた。⋯⋯はずだった。

 

その直後アストラルという不思議粒子の発見は全世界に広まった。

 

アストラル粒子という不思議粒子を見つけた科学者が東京近郊出身だからなのか。科学者がその結論に至るまでには時間がかからなかった。

 

『叶歩と平和島静雄はアストラル使いなんじゃないか?』

 

そこからの行動は速かった。アストラル粒子を操れる人間は超能力を使える(超意訳)ということが証明されてから、アストラル能力を使った犯罪は通常よりも重い。

 

だからこそ、これは警察等にとっては千載一遇のチャンスだった。あの平和島静雄をしょっぴける、若しくは行動を制限させる丁度いい要素だった。

 

すぐさま人がアストラルを使えるか否かを判別できる装置を開発した日本政府は速攻で二人を呼び出し検査した。

 

だが──────────

 

「⋯⋯お二人にはアストラル粒子を操れる因子は存在しませんでした。」

 

という結果に。そしてそれはより一層彼等の都市伝説のヤバさに拍車をかけることになり、結果として──────

 

 

 

 

 

 

「居たぞ!!平和島静雄と叶歩だ!!」

「アストラル使いといえどあいつを倒せれば英雄になれるって!!」

「唸れ俺の発火能力ぅ!!」

 

 

「連日連日襲ってきやがって人の都合考えろてめえらああああああああぁぁぁ!!」

 

「てめえら後で制服代請求するからなああああああああぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうしてこうなった』

 

 

ゴツッ、と鈍い音が露西亜寿司に響く。

 

流石の平和島静雄も叶歩も、連日の襲撃で疲れが溜まっていた。

 

「いやまあこの際俺達の化け物呼ばわりが加速するだけならまだ良いんだ。いや良くはないけど、それなら納得が行くんだ。アストラル能力は大多数の人間が使える訳じゃあないんだから、恐怖を感じる。それを持ってない俺達がそれを上回ることしてるんだから加速するのは納得が行くんだ」

 

「正直歩の理論もまあ不愉快極まりないが納得は行く。だがなぁ⋯⋯」

 

『なんで俺達を倒すことに繋がんの⋯⋯?』

 

「⋯⋯この二人がここまで疲弊してんの初めて見たぞ」

 

「まあ実際とんでもない事になってるからね⋯⋯」

 

今の池袋は魔境となっていた。

 

連日起こる叶歩と平和島静雄に対する襲撃。増える逮捕者。治安の低下。

 

一応アストラル能力者に関しては急拵えの法で厳しく裁かれ、例え俺達でも多少の物損やらは正当防衛の延長線上になっているのだが。

 

まあいざとなれば爺ちゃんに揉み消してもらえばいいし。

 

「⋯⋯つーかさ、コレお前ら殺そうとして躍起になってる奴がなんか起こしてるんじゃねえか?心当たりは?」

 

同席して大トロをぱくついているガヴがそんなことを呟いた。

 

はてさて、そんなやつ──────────

 

 

折原臨也とか折原臨也とか折原臨也とか折原臨也とか折原臨也くらいしか身に覚えがない。

 

「⋯⋯あのノミ蟲⋯⋯くらいだな⋯⋯?あのノミ蟲か⋯⋯」

 

「ねえガヴ、お前池袋滅ぼしたいの?静雄さんが割と激おこじゃん」

 

「⋯⋯正直すまんかった」

 

ガヴの失言により静雄さんのボルテージがどんどん上がっていく!

 

割とシャレにならないレベルで。

 

「やっほー、たいしょ⋯⋯」

 

「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいざああああああああぁぁぁやあああああああああぁぁぁ!!」

 

⋯⋯ああ、神様。なんで貴方はこうもトラブルが大好きなんですかね⋯⋯?

 

 

 

「まって、待って今回は本当に待ってシズちゃん、お願いだから待って!!」

 

「うるせえノミ蟲!!お前だろ!?どうせお前なんだろ!?連日の襲撃を裏で糸ひいてんのはお前なんだろぉ!?」

 

といういつものやり取りを終えて数十分、何とか静雄さんを抑え。⋯⋯なぜか臨也さんが俺らと同じ席に座ってきた。流石に隣り合わせにはせずに俺が臨也さんの隣に、ガヴが静雄さんの隣に座っているが。

 

「⋯⋯臨也さん今日はすぐ退散しないんすね?いつもならおちょくるだけおちょくってすぐ逃げるのに」

 

「今回逃げてない事が俺が今回に限っては誠実な証拠だよ。シズちゃんのこと大っ嫌いな俺が、今ここで正座をして君達と同じ席に座っている事が。」

 

「⋯⋯全っ然証拠になってねえんだが」

 

「落ち着いてください。今回に限っては、臨也さんが犯人だとは思えません。」

 

「⋯⋯なんだと?」

 

「よく考えてください。確かに今まで臨也さんは静雄さんと俺を色んな手を使って陥れ、どうにかしようとしてきました。そんな人が今更『超能力者ならこの二人殺れんだろ!!』とかいう思考に行き着くとは思えないんですよ」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯ちっ、今回だけだ。今回だけはお前の言い分を聞いてやる」

 

 

「いや本当に助かるよ、まさか俺もこんな事になってるとは思ってなくてね⋯⋯真っ先に疑われるのが俺だと思ったから今回は君達にタダで情報提供しに来た⋯⋯という訳さ」

 

「──────────」

 

いやまあ。正直ありがたい。ありがたいのだがそれは⋯⋯

 

「良いんですか?情報屋がタダで情報をばら撒くって⋯⋯」

 

「タダじゃないさ。少なくとも身の安全という金では買えないものを手に入れられるからね。俺から仕掛けるならまだしも、とばっちりで君らにやられて死ぬのだけはゴメンだよ」

 

成程。確かに筋は通ってる。通っているのだが⋯⋯

 

「なんか⋯⋯お前らしくねえな臨也」

 

そう、臨也さんらしくない。臨也さんならその状況すらも利用して立ち回り、俺達、主に静雄さんを斃そうとする人だ。

 

「言うなよシズちゃん⋯⋯それは俺が一番わかってる⋯⋯でも本当に今回ばかりは俺もとばっちり⋯⋯いや、この言い方は正しくないな。正しく言うならば────」

 

 

 

「直接的なターゲットは、俺を含めたここの男三人なんだ」

 

 

「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯は??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ははっ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!素晴らしい!!素晴らしいですよ!!この『アストラル』という力は!!」

 

「そうかそうか、気に入ってくれたようで私も嬉しいよ」

 

とある高層マンションの最上階。小太りの中年男性の高笑いが響いていた。そしてその隣には()()()()()()()()が立っていた。

 

「流石大悪魔だ⋯⋯!!こんな素晴らしいモノを与えてくれるとは!!正直最初は『何言ってんだこいつ』と思ったが⋯⋯謝罪しよう、申し訳なかった⋯⋯!!貴方は本当の大悪魔だ!!」

 

「気にするな。私はただ人間の可能性を引き出しただけ。と言うよりは貴方の従兄弟に知識を与えただけで。つまり私は貴方の野望を叶えるための手札を用意しただけ。後は貴方次第だ。」

 

淡々と述べる悪魔に、中年男は握り拳を胸の辺りで掲げ、欲望にまみれた顔でこう叫んだ。

 

「絶対に勝ってみせますとも!!選挙にも!!あの憎き怪物二人にも!!あの情報屋にもね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『詳しくはここでは話せないし⋯⋯ひょっとしたら黒バイクにも関わる話になるかもしれないから日を改めて新羅の家で話したいんだが⋯⋯空いてる日はあるかい?』

 

そんな言葉を吐いた臨也さんに二人揃って空いている日を伝え、今週の土曜日に新羅さんの家で、という事になり。帰り道。

 

「⋯⋯珍しく人が居ねえな」

 

「お前めっっちゃ狙われてたからな、つかの間の日常って感じ半端ないんだけど」

 

言われてみれば、ガヴとこんな風に帰り道に駄べりながら帰れるのは本当に久しぶりだ。最近は駄べる暇もない程だったのだ。

 

「⋯⋯というか暫く俺に近づかん方が良いって言ったのに」

 

「良いんだよ、いざとなったら神速通で逃げられるし。それに、こんなことが起きてるってだけで友達から離れんのも違うだろ?」

 

────────はー⋯⋯本っ当にこいつは⋯⋯

 

「お前イケメン度上がってない?どうしたの急に。一瞬女の子になりそうだったよ?」

 

「何言ってんだお前は⋯⋯⋯⋯私は昔からこうだぞ?」

 

「嘘こけ」

 

何よりも怠惰を優先し、娯楽を優先するナマケモノ。それが今のガヴリールだ。

 

昔は品行方正で誰にも優しく、人を導く立派な天使だったんだけどな⋯⋯。いやその期間短すぎて本当にそうなのかは知らんけど。

 

「なんて言うか変わったねお前」

 

「⋯⋯そうか?別にそんなに変わってないと思うんだけどな?」

 

「⋯⋯まあお前がそう言うならそうなのかもな⋯⋯さて────そろそろ現実逃避の脊髄反射会話をやめようか」

 

いつの間にか家の前、というか部屋の前に着いていた俺達。思わず足を止めてそんな会話をしたくなるくらい、異様な光景が。目の前にある。

 

「⋯⋯ガヴ、なんでお前のポストに矢文入ってんの?」

 

「⋯⋯天界からの手紙⋯⋯だと思うけど」

 

そう。ぶっ刺さっていたのだ。矢文が。

 

もう一度言おう。矢文が。

 

「天界って時代錯誤なんだな。テレパシーとかないんか?」

 

「そんなのあったらプライベートもくそもなくて私はとっくに天界に送り返されてるよ⋯⋯どれどれ」

 

ズポッ、と矢を外し、そこに結んであった紙を見る。と、ガヴの顔がみるみる青くなっていく。

 

「おい、どうしたガヴ────」

 

「どうしよう⋯⋯歩⋯⋯」

 

まるでこの世の終わりかの如く顔色を悪くしたガヴは。今にも消えそうな声でこう呟いた。

 

 

 

 

 

「姉さんが⋯⋯人間界に⋯⋯来る⋯⋯」




絶対に書きあげてやる⋯⋯(ガウドロ熱が再燃した顔)

デュラララSH続編早く出てくれ⋯⋯

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