Re:ゼロから始める異世界巻き込まれ生活   作:三月 妖山

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第5話です!お楽しみいただけると幸いです!


5話

 

「じゃあ準備はいいかい、リア?」

 

「うん。それよりもパック、時間は大丈夫なの?」

 

「...どうだろうね、思ったよりマナが少ないね。....だから、始めから全力で行くよ!」

 

パックの言葉とともに周囲に氷の塊が現れる。その数20本以上。リアの時とは比べ物にならない。

 

「それに僕の後にすごく頼りになる助っ人がいるじゃないか。でも、できるだけ僕たちだけで方を付けたいよね。」

 

リアは悟空を横目で見ると「そうね。」と一言呟くと相手の方を向きなおす。

 

「そういえば、まだ自己紹介もまだだったね、お嬢さん。僕の名前はパック。名前だけでも覚えて逝ってね。」

 

その瞬間、氷の塊が女に襲いかかる。その氷塊は普通の人にはもはや目視できる速度をはるかに超え、そんな速度で叩きつけられたら無事では済ままい。

 

「やりおったか!?」

 

「そのフラグ立たんな、ジジイ!!」

 

悟空にはパックの攻撃が全く効いていないことがわかっていた。

 

「備えはしておくものね。重くて嫌いだったけれど、着てきて正解だったわ。」

 

その攻撃に全くの無傷なのに悟空は驚いたが、女の発言からおそらくきていたコートがパックの攻撃を防いだのだろう。

 

女は直後いっきに近寄りリアに斬りかかる。

 

「精霊術の使い手を舐めないこと。」

 

リアが手を合わせ再び手を前に広げると氷の盾が生まれる。女の攻撃を防ぐと間髪入れずにパックの氷塊が襲いかかる。

それを確実に後ろに下がりながら避ける。

 

パックの矛にリアの盾、この絶妙なコンビネーションが精霊使いの強みだ。

 

「それにしてもずいぶん戦い慣れしてるなぁ。女の子なのに。」

 

「あら、女の子扱いされるのなんてずいぶん久しぶりなのだけれど。」

 

「それにしても、不備なほど強いね。君は...。」

 

「精霊に褒められるなんて恐れ多いわ。」

 

悠長に話しているように見えるがこの間、パックの氷の槍を避けつつ、ナイフで弾きつつその隙をつき攻撃を仕掛け、リアが盾で防ぐという、激戦が繰り広げられる。

 

髪をかきあげた青年は、

「このまま消耗戦に持ち込めばなんと勝てるんじゃないか?」

 

「いや、いつまで精霊を顕現できるかが勝負じゃ。」

 

「っ!!そういえばあともう5時を回るか!?」

 

2人の会話を聞き悟空はパックから感じるものが「気」ではないことに気づく。そしてそれがだいぶ小さくなっていることにも。おそらくこれがバックが言っていた時間のリミットなんだと悟空は思う。

 

「あら、せっかく楽しみになっていたのにつれないわ。」

 

女の言葉は強がりなどではない。氷を弾く姿は最初より確実に余裕が見える。

 

「モテるオスの辛いところだよね。女の子の方が寝かせてくれないんだから。でもね....。」

 

その言葉を後に女の動きが止まる。

 

「...足が。」

 

「無目的にばらまいていたわけじゃにゃいんだよ。それじゃあ、この演目も終演と行こうか!」

 

パックの手が青白く光りそこに膨大なエネルギーが蓄積されていくのがわかる。

そして、パックの口角が上がると同時に一瞬目を奪われるような発光が襲う。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

「へっっくしょいぃ!!」

 

光と同時に急激に部屋の気温が下がり薄めの道着姿の悟空はくしゃみとともにブルッと体を震わす。

 

目が慣れ、目を開くとそこには一面氷で覆われその中央には床から伸びた複数の巨大な氷の槍。

 

「やったか!?」

 

青年の言葉に悟空は、

 

「おめぇ、さっきそれダメって自分で言ってたじゃねぇか。」

 

「いやいやだってよ、さすがにこれで生きてるとかそれもうもはや人間じゃないでしょ。」

 

そんな青年のことばを裏切るように「ふふふ」と笑い声が聞こえる。

その笑い声に「気」により生死を把握していた悟空以外は驚きを隠せないでいる。

 

「あぁ素敵。死んじゃうかと思ったわ。」

 

「ほれ、おめぇがあんなこと言うから。」

 

「だ、だって.....、そ、その....、まじでぇ!?」

 

始めから生きていると知っていた悟空は青年をからかう。

そして、女に目を戻す。その目に映っていたのはおびただしい量の血。パックの一撃を避けるために自分の足ごと氷を切ったのだ。

 

「早まって切り落とすところだったのだけれど、危ういところだったわ」

 

「女の子なんだから、僕そうゆうの関心しないなぁ。」

 

「パックまだいけそう?」

 

「ごめん、すごい眠い。なんとかあれで決めたかったけど、もうマナ切れで消えそう。」

 

目を擦りながらぼんやり輝く姿を見るにもう限界間近なのは確実だ。

 

「あとはこっちでどうにかするから、今は休んで。ありがとね。」

 

「君になにかあれば、ボクは盟約に従う。...いざとなったら、オドを絞り出してでもボクを呼び出すんだよ。

 

ゴクウ、あぁ言った手前君にはすごく情けないけどバトンタッチしてもいいかな?」

 

悟空はピョンと立ち上がり、

 

「おっしゃ、任せとけ!」

 

と、答える。

 

その小さな体から発せられる頼もしい言葉に安心しパックは消える。

 

「...あぁ、残念。ここからが楽しいところだったのに。」

 

パックの退場に1番悔やんだのは他の誰でもない、ククリナイフを武器にする殺人鬼の女だった。

 

「悪りぃな、こっからはオラが相手だ!」

 

「僕が?子供なのに偉いのねぇ。...大人しくしてたら傷みを感じさせずに殺してあげるわ。」

 

女の言葉に青年も乗っかるように言う。

 

「そうだぞ、ガキンチョ!お前がどうこうできる相手じゃないって!ここは大人しくしとけ、そしてみんなで謝れば命だけはなんとか...いや、嘘ですよ。そんな目で見ないで!」

 

青年の言葉にリアがキッと睨む。

 

「まぁしんぺぇすんな。オラに任せとけ。」

 

悟空はそう言いながら屈伸運動などのストレッチをし終えると女の方を向く。

 

「っ!?...ふふ、ふふふ。前言撤回するわ、あなたには始めから本気で相手をさせてもらうわ。」

 

「そうか、でもなぁおめぇ足怪我してんだろ?そんな勝負フェアじゃねえ。」

 

悟空は女の怪我をみて、仙豆を一粒出そうとすると、

 

「心配には及ばないわ。私の特技は腸を切ること、そして怪我の治りが極端に速いことなの。」

 

女は悟空に足の傷を見せるがそこは完璧とまではいかないが、血は完全に止まるほど治っていた。

 

「そっか、じゃあしんぺぇいらねぇな。

 

オラ、孫悟空。おめぇは?」

 

「...私はエルザ。腸狩りのエルザよ。」

 

「んじゃ、エルザ。よろしくな!」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

悟空とエルザの間に沈黙が流れる。両者ともにわずかな笑みを浮かべこれからの戦いを楽しむかのように睨み合う。

 

その沈黙を先にやぶったのはエルザ。スッと息を吸うと「ふっ!」と掛け声とともに悟空に近寄る。

 

エルザの初撃は右手に持つナイフによる右上から斜めに駆り出される斬撃だった。それを悟空は左手でエルザの右手首を掴む。

 

直後、悟空はエルザの第二撃の左足からの蹴りを右手の甲で受け止める。できれば足で受け止め手は空けておきたかったが、エルザの蹴りが思った以上に上段にきたので手で受け止めた。

 

「もらった!!」

 

すぐさまエルザの左手のナイフによる悟空の顔面に向けての水平斬りが襲う....が、『ガキンッ』とあたかも剣と剣を交わらせたような音がなる。

 

これはなんなのか、悟空の頭が石のように硬かったのか。....いや違う。

 

「はんへんへひはぁ〜(残念でした〜)。」

 

悟空はエルザのナイフを口で受け止めたのだ。悟空の予想だにしない行動にエルザは一瞬の動揺を見せた。その瞬間悟空が高速回転しながら飛び上がり右足でエルザの顔面を捉える。

 

軽く5メートル、椅子などを巻き込みながら飛ばされたエルザは直ぐに受け身を取る。その顔には血の雫が口から垂れる。

 

ここまでほんの一瞬で繰り広げられた攻防、そのたった一瞬の出来事にその場にいた誰もが口をあんぐりさせている。

 

「参ったわね。あの一撃をあんな手で防がれるなんてね。自信を失っちゃうわね。」

 

「そんなことねぇさ。おめぇの剣さばきも蹴りもなかなかキレがあった。おめぇも結構やんじゃねぇか。」

 

「ふふふ、あなたを見ていると真面目に剣の修練に励んでいた頃を思い出すわ。」

 

そんな2人の会話を聞きながら青年は「あれ?これって敵が改心しちゃうタイプの展開?」とか思ってるところに、

 

「オラも殺し屋としてのおめぇとじゃなく武道家としてのおめぇとたたけぇてぇ。」

 

「それは無理な相談ね。私は人を殺しすぎた、今更真っ当な道なんて歩めっこないわ。それに...私は腸狩り。腸を切るのが大好きなの。」

 

「やっぱダメかぁ。」と呟く青年にリアが「ちょっと静かにして!」叱る。この青年が「怒られるのも役得!」とか思ってるのは内緒だ。

 

「そうか、残念だな。」

 

「でも、勝手なのはわかってるけど、あなたの力を見てみたいというのも事実なのよね。どうかしら。あなたの力私に見せてくれないかしら。」

 

悟空は静かに「わかった」と一言言うと体を屈め力を込める。

とっさにリアが止めに入ろうとするが間に合わない。

 

「ハァァッ!」と、短い掛け声とともに悟空に変化が現れる。

 

逆立った金色の髪に翠眼、そして悟空の周りに吹き荒れるオーラ。そう、

 

『超サイヤ人』である。

 

リアの「あれっ?」っと声を聞き悟空は、

 

「リアにもまだ見せてなかったな。これは『超サイヤ人』、1番最初のやつだ。」

 

リアだけでなく青年もフェルトもロム爺も驚きを隠せないでいる。

だがエルザだけは違った。笑っていた。

 

「すごいわ!素晴らしいわ!これほどの力の持ち主に出会うなんて!...それにあなたから何か別の『何か』を感じるわ。...これはそう、加護の力ね。さしずめ『龍の加護』と言ったところかしら。」

 

悟空は聞き覚えのない単語『龍の加護』に疑問を持ちつつも「どうせ神龍がなんかしたんだろ」程度にしかとらえていなかった。

 

「あなたのその力は『龍の加護』によるものかしら、それとも自前?」

 

「この力はオラ自身のもんだ。」

 

そう聞くと、エルザはいっそう口角が上がり悟空に向かって襲いかかる。

悟空は右腰に手を持ってくる。そして「か〜め〜は〜め〜」の掛け声を唱える。エルザのナイフが届きそうと言うところで悟空は両手を前に突き出す。

 

「波ァァァァァァァァァァ!!」

 

青白く光ったと思った直後に聞こえる爆音。そしてその後訪れる爆風。リアたちはとっさに顔を覆った。

 

その後目を開くとそこには瓦礫の山、やや上方向に開いた巨大な穴からは悟空から出た何かがまっすぐではなくやや上に向けられていたことを意味する。

 

青年は暗くなった部屋を照らす金色の少年に目を向けると、

 

「.........すげぇ。」

 

こう呟くだけだった。

 

 

 




エルザの名前もやっと出せました。原作主人公の名前はまだですが笑

そして悟空の異世界での初めての戦闘です!戦闘シーンを文字だけで表すのってめっちゃ難しいですね。私の描写どっだったですかね?バトルものを描いてる他作者そんを素直に尊敬します。

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。次回もお楽しみください!
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