はい、ブロリー風に言ってみたかっただけです。
それではお楽しみください
「か〜め〜は〜め〜波ァァァァァァァァァァ!!」
悟空から出たそれは爆風や爆音とともに瞬く間に辺りを瓦礫の山に変える。
「ふぅ。」
悟空は一息つくとエルザの気を探る。感じない。エルザの気を全く感じない。悟空は1人の武道家、もとい殺し屋を1人葬ったのだ。全力じゃなかったにしろ超サイヤ人での「かめはめ波」だ。跡形もなく吹き飛んだとしても不思議ではない。
と、そこに...、
「今の光は!?ここで何があった!?」
赤髪の青年が先ほどの悟空のかめはめ波による爆風でひん曲がったドアを蹴飛ばしながら入ってきた。
「ら、ラインハルト!?」
「スバルじゃないか。君はいったいここで何を...それにこの有様は....。」
ラインハルトと呼ばれた赤髪の青年は辺りを見渡しその建物の状況に驚きを隠せないでいる。そしてついに青年の名前が明らかになる。
「俺にもちょっと何が何だかわかんないんだけど、かいつまんで話すと、エルザ相手にパックがでっかい氷出して超強いちびっ子が出てきたと思ったら、金色に光って青白く光って、気づいたらこうなってた。」
「すまないスバル。かいつまみすぎて何を言っているかさっぱりわからない。...それにエルザか。本来彼女は我々騎士がなんとかしなければならなかったのだが申し訳ないことをしてしまったね。」
ラインハルトはいつの間にか元の姿に戻った悟空に目を向ける。
「スバルの話に出てきた少年とは君のことでいいのかな?」
「あぁ、オラで間違いねぇ。」
「そうか、君はまだ小さいのになかなか鍛えているようだ。その歳でエルザと渡り合えるとは大したものだよ。」
また子供扱いされた悟空はムッとするがスバルがラインハルトに問う。
「でもなんでラインハルトがこんなところに...?」
「いや、君と別れた後、少し道をブラブラしていたんだけどね...突然高台にこの世のものとは思えないほどの力を感じてね。本当はそこに向かっていたんだけどその『何か』が突然消えたと思ったらすぐにこの付近に現れてね。」
悟空とリアは顔を見合わせる。
「非番だったんだけどさすがに見過ごせなくてね。急いでここに向かったと言うわけさ。」
ラインハルトの発言に悟空とリアは2人にしか聞こえない声量で、
「ゴクウ、騎士様の言ってる大きな力ってたぶんあなたのことよね。」
「あぁ、たぶんそうなんじゃねぇか?」
「パックの言ってたようにやっぱりあの大っきな姿にはならない方が良いみたいな。」
「ならねぇってパックとも約束したしな、しんぺぇすんな。」
ーーーーーーーー
「さて、これからどうしようか。」
ラインハルトの言葉にその場にいる一同が顔を見合わせる。
「そういやこっから先のことは俺もよくわかんねぇな。」
少し文脈のおかしいスバルのセリフに悟空は疑問を覚えたが「そういえばオラも変な頭痛起きてねぇな」と、思った。
直後、積み上げられた瓦礫が崩れる音が聞こえるとそこからエルザが飛び出しリアに向かって剣を振りあげる。
ーー間に合わなねぇ!!ーー
もうダメかと思った矢先、
「腸狩り!狙いは腹!腹!腹!守る!!」
スバルがリアを突き飛ばし拾った瓦礫の一部で己の腹を守る。
「ちっ!よくも邪魔を...。」
間一髪でエルザの剣撃を防ぐスバルに悟空は駆け寄る。
「すまねぇ、気を感じなかったからもう終わったもんだと思ってた。気をゼロにできんの忘れてたオラのミスだ。」
「心配無用!って言うかたまたま瓦礫が動いたの見えたから用心してただけだ。それに少年の活躍に比べたら大したことじゃねぇよ。」
スバルのセリフにもう一度「すまねぇ」というとエルザに目を向ける。
「おめぇよく生きてたな。てぇしたもんだ。」
「さすがの私ももう死んだかと思ったわ。あれでもまだ本気ではなかったのでしょう?」
悟空は無言でエルザと向き合う。
「本当は今すぐこの場にいる全員の腹を切り開きたいところだけど...」
悟空と向き合うエルザはその後方にいるラインハルトにも目を向ける。
「坊やだけでなく、剣聖までいるとはね。」
そう言うとエルザは両手に持ったククリナイフを悟空とエルザに投げつける。
悟空とラインハルトは難なくそれを避けるがその隙にエルザは悟空の「かめはめ波」によって出来た大穴の側に移動し、
「いずれあなたの本気の力を拝めることを期待しているわ。」
そう言うとその穴から脱出する。
「ご無事ですか?」
エルザの脅威が完全に無くなったのを確認するとラインハルトはリアに安否を確かめる。
「私のことはどうでもいいでしょ!」
リアはすぐにスバルの側に駆け寄る。
「ちょっと大丈夫?無茶しすぎよ!」
「あっつつ...」とお腹を抱えるスバル。
ラインハルトもスバルに、
「すまない。あれは僕の油断だ。彼女に何かあれば...。」
「待て待て、少年もそうだがここまで何一つ、そう!何も出来なかったんだ。ここでラインハルトや少年に手柄取られちまったら俺何しにここに来たかわかんねぇよ。」
謝罪、そして感謝を述べようとする彼を制止させ、スバルはリアと視線を合わせるとスッと立ち上がり、
「俺の名前はナツキ・スバル!いろいろ聞きたいこともあるだろうけどひとまずそれは置いといて、俺ってば、今まさに君を凶刃から守り抜いた命の恩人! ここまでオーケー!?」
「おーけー?」
「よろしいですか?の意な。」
リアはスバルの勢いにたじろぎながら話を聞く。
「命の恩人、レスキュー俺。そしてそれに助けられたヒロインお前、そんなら相応の礼があってもいいんじゃないか? ないか!?」
悟空はそんなスバルを「よく喋る奴だなぁ(笑)」といった感じにニコニコしながら聞いている。
「.....わかってるわよ、私にできることって条件付きだけど。」
「俺の願いは一つ、ただ一つ!...そう、その願いは...。」
リアはどんなもんかと喉を鳴らす。
「君の名前を教えて欲しい。」
ポカーンとする一同。欲のない奴だと笑う悟空。
「...て、ずっと思って頑張ってたんだけどな、君『リア』って言うんだろ?だからあぁ行った手前拍子抜けかも知れないけど別に君にお願い事はないんだよなぁ。」
スバルの言葉にこうべを垂れるリア。そしてそっと口を開くと、
「ごめんなさい、ゴクウも。ほんとは私リアって本名じゃないの...。」
突然の告白にスバルも悟空も豆鉄砲を食らったような表情になる。
「え、じゃあ君の名は...?」
「私の名前はエミリア、ただのエミリアよ。ごめんなさい、隠していて。そして...助けてくれてありがとう、スバル。」
満面の笑みを浮かべるリア、もといエミリアに、
「ほんと、割にあわねぇなぁ。」と、呟くスバル。スバルがこれまでどれだけの苦難を体験したかは悟空たちには分からなかったが、スバルの表情を見るにほんとうに苦労したのだろう誰もが思う。
悟空もようやく迎えた違う結果に満足する。
ーーーーーーーー
これにてハッピーエンドと、いけばよかったのだが....
「それにしてもスバル、よく無事だったね。」
「とっさにこれでガードしたかんな。」
ラインハルトに問われると。スバルは床に転がる真っ二つになった瓦礫--そもそも破壊された瓦礫に真っ二つはおかしいかも知れない--を拾い上げると、
「まぁよくこれでなんとかなったって心底思うよ。これもエルザが手負いだったおかげかもしれねぇな。」
「そうだね、それがなければ...」
ハハハと笑うスバルとラインハルト。それにつられてエミリアと悟空も笑う。
途端、スバルの着ていたジャージが重力に逆らえなくなりパックリ割れる。その下から見えたお腹にはじんわりと血が滲んでいる。
「あ、やばい、これ、俺でも先が読めた。」
その瞬間スバルの腹部から大量の血が吹き出る。
足に力を失い崩れるように倒れるスバル。
「....!?ちょっとスバル!?」
切羽詰まった声を上げるエミリア。悟空やラインハルトもあたふたした声が聞こえる。
薄めに目を開けるスバルの瞳に映るのはエミリア。
ーーあぁ、焦ってる顔もマジ可愛いなぁ、マジ天使...。ーー
ーーおい、ガキンチョ。瀕死の俺に何食わせようとしてんだ。ーー
そしてスバルは意識を手放した。
ーーーーーーーー
「ちょっとゴクウ!何してるの!?早く応急処置だけでもしないと!!」
「でぇじょうぶ。傷口見てみろ。」
エミリアとラインハルトは悟空の言うように傷口を見ると、
「傷口が...!?」
「これはどうなっているんだ!?この短時間でどうにかなる怪我ではないはずだが。」
2人の疑問に悟空は答える。
「これは仙豆っちゅうもんだ。どんな怪我も回復させて一粒で10日は飲まず食わずでいられるすげぇ豆だ。こいつが起きねぇんは痛みに慣れてねぇからなのかショックでも起こしてんだろうけど、いずれ起きっだろ。」
その不思議な豆に「何をバカな。」と思えないのはスバルの傷が完治しているからだ。
「ゴクウはそんな不思議なものも持っているのね。」
「さすがの僕も驚きを隠せないな。少年、できればでいいのだがその不思議な豆を僕に売ってはくれないだろうか?」
「悪いな、仙豆はあと一粒しか残ってねぇ。これはオラの故郷の形見みたいなもんだからな。さすがに手放せねぇよ。」
「そうか、それなら仕方ないな。ところで...。」
ラインハルトはスバルに再び目を向けると、
「エミリア様、彼、スバルとはどういった関係で?彼はあなたの探し物を必ず見つけると...。」
「そう、それが不思議なところなの。私は彼についさっき会ったばかりなのに...。」
2人の会話を聞きながら悟空は一つの疑問を覚える。自分にも似たような経験がある。自分は覚えているのに他者の記憶がない。
ーーまさかこいつも記憶がもってねぇ?ーー
悟空は考えるがスバルに聞けばハッキリすると、すぐに考えることをやめる。
「彼の身柄はどうしましょうか?よろしければ当家で客人として招き入れますが...。」
「ううん、こっちで連れ帰ります。その方が事情もハッキリするだろうし...。
ゴクウはこれからどうするの?よかったらゴクウも来る?」
エミリアは悟空に尋ねると、
「う〜ん、どうすっかな。行くとかねぇし世話になろうかな。それよりもオラ腹減っちまって。」
お腹を抱える悟空にエミリアも笑みをこぼす。
「それと...。」
エミリアは部屋の隅で気配を消していたロム爺とフェルトに目を向ける。それもそのはず。徽章を盗んだ罪、エルザを圧倒する少年に『剣聖』ラインハルトまで出てくればもはや逃げられるわけがない。気配を消し、やり過ごすしか手はなかった。
エミリアは2人の方に歩き出すとロム爺がフェルトの前に立つ。
「安心して。徽章さえ返してくれたらこれ以上何もするつもりはないわ。私にもあなたたちにもいろいろなことがあったし早く落ち着いた状況にしたいじゃない。....ね、ラインハルト?」
「そうですね、本来ならその罪は重罪ですけど....なにせ今日は非番でしてね。」
右手で頭を抱えるラインハルトにエミリアは「悪い騎士様ね」と、笑う。
「もっと、すげーきつく来るかと思ってた...。あの、盗んで、ごめん...。」
謝罪と同時に徽章を指す出すフェルト、それを見るとラインハルトの顔がいっきに険しくなり、フェルトの手を取る。
「いってぇな!なにもしねぇんじゃなかったのか!?」
「すまない、事情が変わった。君の名前は?家名は?年は?」
未だに信じられないと言った表情のラインハルト。
いっきに質問するラインハルトにフェルトもたじろぐ。
「ご老人、申し訳ないがこの方は当家で預からせてもらいます。」
「どうゆうことじゃ!?フェルトを離さんか!!」
「申し訳ありません。ですがご了承願いたい。この方は当家で最高の持て成しをさせていただきます。」
そう言うと、ラインハルトは魔法でフェルトを眠らせる。
「なんだか、騎士様らしくないやり方。」
ラインハルトはエミリアに軽く頭を下げると、
「ご老人、この方の今後についてはまたご連絡させていただきます。彼女のことを思うならここは引いてください。」
ロム爺もフェルトのためと言われれば事情もわからない今引くしか選択肢はなかった。
ラインハルトはフェルトを抱えたまま建物から出て行った。
「それじゃあゴクウ、私たちも行きましょうか。スバルもいつまでもこんなところに寝かせておくわけにはいけないし....。」
「そうだな、なぁこれから行くとかには飯あんのか?」
「えぇ、お腹いっぱい食べていいわよ。」
エミリアの言葉に悟空はテンションをマックスまで高めるが、エミリアはまだ悟空の本当の恐ろしさがその戦闘力ではないことを知らない。
悟空はスバルを肩に抱える。
「どこかで竜車を拾わないとね。」
「あ〜、いってぇなに食わせてくれるんだろ〜な。オラ、ワクワクすっぞ!」
そう言いながらエミリアとスバルを抱えた悟空も建物から出て行った。
「ワシの店、どうしよ。」
残されたロム爺はただ一言、呟くのであった。
はい!とりあえず第1章終了しました。
この話で1番苦労したのはスバルにどうやってエミリアの名前をきかし、ロズワールの館まで行かせるか、ですね。
この作品書いてて思ったのがエミリアに対してスバルがなにもしてない!してなさずぎる!
これじゃあ名前聞かないし話進まない!
と思い、スバルにはお腹を切らせていただきました。
力のない私をお許しください。
楽しんで頂けたなら幸いです。
面白かったら評価の方もよろしくお願いします。
それでは次回から第2章開始です!