「平和じゃのぅ……」
「えぇ……平和ねぇ……」
「まぁ、茶々は今日も種火周回だったけどね!」
「うむ、うむ。さすが儂の姪じゃ。褒めて使わす」
「ふふん。まぁ、茶々は伯母上の自慢の姪だからね!!」
「あなたたち、いつもそんなこと言ってるわよね」
「そりゃ、飽きる事は無かろう?」
「褒められて、嬉しくないわけないし?」
「……あぁ、もう。本当に仲いいわね」
やれやれ。と言った感じで、エウリュアレは小さなフルーツタルトを口の中に放り込む。
「それにしても、この短い間に結構人数増えたのぅ……」
「そうねぇ……茶々から始まって、土方、ネロ、リップ、BB、バラキー、頼光、玉藻って感じでね」
「うむ。自然に抜かされておるのもいるんじゃが?」
「……風魔、ダレイオス、鈴鹿、ベオウルフ、ライダー金時もいたわよ。でも、ここに来てないじゃない」
「それを言われると、まだ出て来ておらん奴らもいるからのぅ……」
「でしょ? つまり、突っ込んじゃいけないことってのもあるのよ」
「うむ……下手なことに触れるのは、やはりいけないことじゃな……触らぬ神に祟りなしじゃ」
「私たちの間では、触ろうと触らなかろうと祟られるけどね」
「……おっそろしい話じゃ全く。シャレにならんな」
平凡に生きるなど、ギリシア神話では相当運が強くない限り、許されないのだとノッブは思うのだった。
「まぁ、よくある事よ。むしろ、フリーダムじゃない神の方が珍しいんじゃない?」
「お主が言うと、説得力が違うのぅ……」
「私は……これでもマシな方だと思うのだけどね……」
「ギリシア神話……恐ろしい所じゃ……きっと、バビロニアみたいなのが常なのじゃろうなぁ……」
「まぁ、あながち間違ってないんじゃないかしら……?」
うんうん。とうなずくエウリュアレ。
ノッブはその反応に若干の不安を覚えるが、ギリシア神話の真っただ中に呼ばれる事は無いだろうと思う事にしておく。
すると、ネロとオオガミが休憩室に入ってくる。
「ふむふむ。じゃあ、野外ライブがしたいと」
「うむ。そして、そのための準備を頼みたいのだが……何とかなるか?」
「ダ・ヴィンチちゃんに聞かないとねぇ……」
「ネロ……またライブをするの?」
「む? エウリュアレか。当然であろう? 余の歌を望む者は多くいるのだ。そのためにはいろんなところでライブをするしかあるまい」
「えぇ、そうよ! 私たちのライブはまだまだこれからよ!」
不穏なワードに思わず反応したエウリュアレに、胸を張って応えるネロ。そして、その声に呼応するかのように背後から現れるエリザベート。
「ふむ……BBも呼んでくるかのぅ……あやつならそう言う機材も作る手段とか知ってそうじゃし」
「えぇっ……アイツに頼るの……?
「余も、昔何かあった気がするから、出来れば嫌なのだが……まぁ、BB以外出来ないなら仕方あるまい……」
「ん~……まぁ、メディアに聞いてみて、無理なようならBBに頼らざるを得んな……まぁ、頑張っては見るが、期待はせんでおけ」
「うむ。応援しているぞ」
「頑張りなさいよ!」
休憩室を出て行くノッブに、ネロとエリザベートはエールを送る。
それを見つつ、エウリュアレの対正面に座ったオオガミは苦笑いをしながら、
「……自然にやる流れになってるね……」
「開催地なんて、決めてないでしょ?」
「うん……野外ライブ……仕方ない。バビロニアにでも行こうか」
「ジグラット占拠ライブ?」
「そんなことしたら過労死王に殺されちゃう……」
「じゃあ、どこか見晴らしの良い平原ね」
「うん。それくらいが一番だね」
決定してしまったのだから、今更撤回など出来るわけが無く、諦めてどこでライブをするかを考えるのだった。
冷静に考えると、この話、ふて寝から始まってるんですよね……沖田さんの罪は重かった……
まぁ、今ではメルトを望んで年末待ちなんですけどね。ワクワク、ワクワク。