「うん? どうしたカーマ」
「え? あぁ、大したことじゃないので気にしないでください」
ぼんやりとしていたカーマは、バラキーに声をかけられて我に返る。
バラキーは不思議そうに首をかしげると、
「体調が優れないのならば部屋に戻った方がいいと思うぞ」
「だから、なんでもないですって。ただぼんやりしていただけですから」
「ふむ。なら良いが……無理はするなよ? 倒れられたら吾ちょっと困る」
「どれだけ私の体調が悪く見えたんですか……別に、最近マスターが厨房に立っているなぁとか、そんなことを考えていただけです。ここ最近、いつも以上に暇ですし」
「うむ。それを言われると吾も何も言えぬ。イタズラを仕掛けようにも、今の時期は通常の三倍叱られ、片付けさせられるからな。吾の目にも涙てきな?」
ふふん。とドヤ顔をするバラキーに、カーマは不満そうに顔を歪めると、
「何気にうまいことを言った的な顔をするのやめてくれません? なんだか無性にイラつきます」
「クハハ。なんで吾こんな叱られるのか分からぬのだが。もはや今のは理不尽では?」
「きっと自業自得なので諦めてください」
「汝が断定してない時点でやはり吾悪くないのでは?」
「そういう判断するんですか……」
「汝はそういうところあるからな。吾も最近分かってきた」
「えぇ~……なんか分析されてるんですけど……」
机にぐで~っと倒れ、バラキーを見るカーマ。
バラキーはため息を吐くと、
「分析というか、単に理解しているだけというか。吾もなんだかんだ長く汝といる気がするのだが」
「……そういえば、確かに私が召喚されたときから私といますね……暇なんですか?」
「いや、そういうわけではないのだが……シトナイと会っていたりはするが、なんだかんだ汝は吾と同じ気配がする……」
「あれ、もしかしてバカにされてます?」
「してるわけなかろう」
何をバカな。と言いたげにカーマを見るバラキーに、カーマは笑顔を見せ、
「言ってみただけです。まぁ、私はバラキーと一緒だなんて思ってないですけど」
「だろうな。汝は汝。吾と相性が良いだけでほとんど違うからな。わりと真逆だと思うし」
「全くです……あれ、じゃあなんで一緒にいるんです?」
「……何故だったか……吾も忘れた」
「……まぁ、そんなものですよね」
「うむ。そんなものだ」
そう言って、カーマと同じように机にぐで~っと倒れるバラキー。
そう言って二人は顔を見合わせると、特に理由もなく笑い出すのだった。
なぁんかバラキーのセリフがノッブに寄っちゃうんですよねえ……なんででしょ。まぁこれはこれでアリですかね?
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