「ふぅ……三ヶ日とは言え、お正月が過ぎるとわりと平常よな」
「なんだかんだ一番のイベントはそこですし。まぁ、しばらくはおせち料理みたいですけど」
「厨房組を休ませるのも必要じゃろ。ローテーションとか関係無くな」
ノッブはそう言って、二日目のおせち料理を食べる。
それとは反対に、BBは不満そうな顔で食べていた。
「ん~……美味しくない訳じゃないんですけど、まぁ、昨日のですからねぇ……」
「別に、儂が作っても良いなら何か作るが」
「え、ノッブ出来るんです?」
「まぁ、ある程度出来ないと死ぬからなぁ……味は保証せんけど」
「……おせちを食べていた方が良さそうです」
「ま、そういう訳じゃな」
ノッブがそういってBBを見ると、BBの視線はノッブの後ろに注がれていた。
気になって振り返ると、そこにはオムライスを食べているバラキーがいた。
そのまま視線を厨房に向けてみれば、そこにはカーマの姿があった。
「……彼女、作れたんですねぇ……」
「まぁ、あらゆる可能性を内包しあらゆる需要に対応するというのなら、料理が出来るのもいるじゃろ」
「なるほど……私も作った方が良いんですかこれ」
「対抗するなら良いんじゃけど、そのつもりじゃないなら要らんじゃろ」
「う~ん、じゃあ作りますか。なんか最近便利キャラとしても忘れられているのでヒロイン力見せなくちゃですね」
「どう考えても手遅れじゃろ」
張り切るBBに容赦のない一言を突き刺すノッブ。
ムスッとしたBBに軽く蹴られるが、一切表情を変えず、
「じゃ、儂もオムライスで」
「わっかりました! カーマさ~ん! 対決しましょ~!」
「は? なんですかいきなり……対決? 良くわかんないんですけどとりあえず面倒そうなので嫌です」
「まぁまぁそう言わず! 最近小悪魔力とヒロイン力の両方を奪われつつある私の八つ当たりを受けてください!」
「ほぼストレートな嫌がらせですか!」
そう、文句を言いつつも最終的には受けることにしたらしいカーマ。
ノッブがそれを見ていると、いつの間にか正面に移動していたバラキーが、
「吾が知らぬ間に話が進んでいるみたいなのだが、知っているか?」
「儂もさっぱり。一ミリも隠さず喧嘩を売りに行くとは思わんかったからなぁ……というか、バラキー。それうまいか?」
「ん? まぁ、カーマはふざけて作ったものでも味は悪くない。今回はケチャップ文字の練習とかなんとか言っていた」
「なるほどのぅ……まぁ、無惨にもぐちゃぐちゃなんじゃが」
「吾が読むより早く消された。何故かは知らぬが、おそらく失敗したのだろ……で、何をしているのだあれは」
「料理の完成度対決?」
「……吾、食べられるかなぁ……」
「作った本人に食べさせるから大丈夫じゃろ」
「ならよし。まぁ出来るだけ喰らうがな」
そう言って、バラキーは残りのオムライスを食べるのだった。
おせちは三日間分というイメージがあるんですが、そもそもあの風習っていつから始まったんでしょうね……今はもう一日目で終わってる方が多い気もしますけど。場合によってはそもそもおせちを食べない人もいるんでしょうか……
楊貴妃はお迎えできなかったのでおとなしく紅閻魔様お迎えしなきゃ……
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ