「……ところでよぉ、マスター。あの父上に似たアサシンはなんだ? さっき殺されかけたんだが」
「なにって……あぁ、Xのこと? まぁ、あれは複雑な事情から生まれた悪魔的セイバースレイヤーだから」
「はぁ? なんだそれ。それで殺されかけたってのか?」
呆れたような顔をして、首を振るモードレッド。
だが、オオガミは報告書を書きながら困ったように笑うと、
「正直、セイバーの通過儀礼みたいなところがあるから。一部以外狩られてます」
「なんだそりゃ。普通に危ないじゃねぇか」
「うん。普通に危険。たまに風紀組が動くくらいには危険」
「……風紀組ってなんだ?」
「エルキドゥをメインに、数人が集まって生まれた部隊……的な?」
「なんだそれ……でも、関わるのは得策じゃなさそうだな……」
「うんうん。フランもジキルもいるから、その二人と居ればある程度は安全なんじゃないかな」
「いや、別に安全とかはいいけどよ……お前は大丈夫なのかよ」
「まぁ、基本セイバーにしか害はないし……」
「ざっつだなぁ……ま、オレも構わねぇけど。要するに、遠慮なく殴り返しても良いって事だろ?」
「うん。遠慮なくどうぞ」
「おぅ! じゃあなマスター!」
「ばいば~い」
そう言って、部屋を出て行くモードレッド。
すると、入れ替わるように入ってきたエウリュアレは、
「何かあったの?」
「X師匠に襲撃された苦情」
「あぁ……まだやってたのね。もう終わったと思ってたのだけど」
「思い出したように襲撃を仕掛けて、見かけた武蔵ちゃんにボコられて泣いて帰って来るから放置してたんだよね……」
「なるほどね……まぁ、それなら放置してても良さそうね。でも、イアソンが倒れているのを何回か見たのだけど」
「あれは多方面から狙われているので……」
「……確かに、要因が多すぎるわね。彼だけはちょっとどうしようもないもの」
「う~ん、エウリュアレに言われるレベルかぁ……」
報告書を書き終わり、背伸びをするオオガミ。
そんなオオガミの伸ばした手をエウリュアレは引っ張ると、
「ふふっ、イアソンのことを言うのは良いけど、貴方も同じようになるかもしれないわよ?」
「いやぁ、どうだろうね。イアソンみたいにかっこ良くないと思うよ?」
「どうかしら。貴方も私たちにボロボロにされるかもしれないわ」
「うわぉ。でもそれ、イアソンの逸話じゃなくない?」
「ん~……栄光と堕落は英雄の持つものだと思うのだけど。少なくとも、貴方が私といれば、いずれ訪れるわ」
「そりゃ怖い。でも何より、パソコンに映ったメルトの視線が怖いなぁ」
そう言った直後、エウリュアレの拳がオオガミに刺さるのだった。
X師匠は常にセイバーを斬り続けるもの……対セイバーアサシンは伊達じゃない(武蔵ちゃんに全戦全敗
衝動に身を任せメルトフィギュアを購入して顔を青くしているのが私です。お金保っているかしら……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ