「ふぃ~……ようやく改修も終わって、お役目も無事終了。あとは温泉でゆっくりって所かな」
「お疲れ様です先輩。ゆっくりお休みください」
そう言って、背伸びをするオオガミと、楽しそうに笑うマシュ。
「マシュはどうする? 温泉に行く?」
「そうですね……何だかんだ忙しくてまだゆっくりと見られていない所があるので、屋上庭園をゆっくり見て来ようかと思います」
「なるほどなるほど。ん~……遊技場に行ってくるのもありか……?」
「そうですね。私も後で行こうかと。温泉は最後の予定ですね」
「ん~……じゃあ、先に遊技場に行こうかな。また後でねマシュ」
「はい。先輩もごゆっくり!」
そう言って別れる二人。
そんなオオガミの前に転がってくるBB。
その先にあるのは目的地の遊技場で、
「あ、センパイ……」
「BB、何があったの?」
「なんというかですね……まぁ、意地の張り合い的なものが勃発しまして、今、ノッブと沖田さんが争っている感じです」
「なるほど……? なんとなく面倒そうな事態なのは察した」
「はい……とりあえず、見ていってください」
そう言うBBに急かされるように遊技場に入ったオオガミは、直後、
「うははは!! 万年人斬りやっとるやつに儂が負けるかぁ!」
「ぐあぁあぁぁぁあぁ!!!! また負けたんですがぁ!? コフッ!」
立ち上がって勝ち誇るノッブと、仰向けになって血を吐いて倒れている沖田。
異様な光景のように思えるこの惨状を、いつも通りだと思えてしまう自分に戦々恐々としながらも、少し離れているところで傍観していた茶々に話を聞きに行く。
「茶々。これどういう状況?」
「あ、お疲れマスター! 見ての通り、沖田が伯母上にボコられてるところ!」
「なるほど。全く要領を得ないな? そもそも何があったの?」
「最近伯母上に構って貰えなかった沖田が伯母上に勝負を仕掛けて、惨敗したところ」
「なるほど理解」
「え、それで良いんですか?」
そんな説明で良いのかと突っ込むBB。
だが、オオガミはそこには触れず、
「いつからやってるの?」
「今朝からずっと」
「暇なのかあの二人」
「まぁ、一日温泉入っているときもあったし。羽伸ばすなら全力で! が信条だもん」
「それはまぁ、確かにああなるのか……?」
「え、センパイ、今平然とBBちゃんスルーしました?」
「二人とも楽しそうだから茶々は良いかなーって。沖田ちゃんがいないのが悔やまれる」
「それはちょっとどうしようもない」
「センパイ、平然と無視続行しますね?」
リアクションすらしてもらえないBBは涙目でペシペシとオオガミのことを叩くが、案の定無視。
そして、
「じゃ、乱入してくる」
「いってらっしゃ~い」
「ちょ、最後までスルーなんですかぁ!?」
そう言って、オオガミはノッブと沖田のもとへと向かうのだった。
最速で駆け抜けてあとは遊ぶ! のんびり閻魔亭暮らしなのですね!
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