「いやぁ、温泉は良いねぇ! そうは思わないかい? 孔明くん」
「あぁ全くだ! これをカルデアにも常設してくれないものか!」
温泉に入り、盛大なため息と共に湯に浸かる孔明。
マーリンはそれを見てニヤリと笑うと、
「ずいぶんと気に入ったみたいだね?」
「あぁ。正直、これ無しで周回を乗り越えられる気がしない程にはな」
「あはは。まるで依存しているみたいだ」
「ふむ……それは言い得ていて、しかし納得したくないな」
「おぅおぅ、やつれ顔で言うと説得力強いなぁ。まぁ、認めたくなかろうと事実なんだがな?」
そう言って、話に入りつつ湯に入ってくるアンリ。
二人は距離を取りつつ、
「やぁアンリくん。お久しぶりかな?」
「よく言うぜ観測者さんよ。基本カルデア内に居やしねぇのにこういうときばっかり出てきやがって。何企んでんだ?」
「企んでいるわけないだろう? そろそろ高難易度だから呼ばれるだろうと思って出てきた私の気持ちにもなってほしい」
「楽しんでるじゃねぇか」
「まぁ、夜は流石にね。女将に見つからない程度なら問題ないと思ってね」
「どうだか。で、そっちの死に顔のオッサンは大丈夫か?」
「オッサンと言うな」
「おっと。悪い悪い。オニイサンが良いか?」
「……孔明と呼んでくれないか」
「はいは~い」
そう軽薄に答えるアンリに、孔明は眉間を押さえつつ、
「大丈夫かと問われれば、まぁ、大丈夫だろう。どこぞの王のように過労死するわけでもなし。温泉に浸かっていればそのうち回復するからな」
「ふ~ん? 別に
「プラシーボ効果的なものとかじゃないかな?」
「なるほど思い込み効果か。それは考えなかったなぁ……確かに、疲れは肉体的なものと言うより精神的なものの方が多いからなぁ……そう考えると、マスター周辺の奴等はマスター自体がストレス回復アイテムになってるから楽そうだな?」
「確かに。ひたすら宝具を放ち続けているはずのラムダは少しも疲れを見せないのはそう言うことだったか」
「そんな単純なものでも……いや、確かにマスターの部屋は見ていて飽きないね。そう言うことだったのか。う~ん、新発見だね」
「……覗き見をしすぎると殺されるぞ?」
「私もそれだけは忠告しておこう。一部のやろうとしたサーヴァントはひっそりと始末されているようだからな……」
「残念だけど、既に体験済みだからね。あまり近寄らないのさ」
「「手遅れだったか……」」
頭を抱える二人と、何故か誇らしげなマーリン。
そこへやって来たオオガミは、
「あれ、なんか珍しい組み合わせだね?」
「おぅ? マスターじゃねぇか。てっきり貸し切り混浴なもんだと」
「んなわけないでしょ。こちとら健全男子です。死んじゃうでしょうが」
「殺されるとは考えない辺りスゴいな」
「彼は殺される前に自害しそうな雰囲気があるからな」
「孔明先生正解!」
「これは嬉しくなさそうな正解だね? 複雑そうな顔をしてるし」
そう言って笑うマーリンとアンリ。
オオガミは首をかしげながらも、孔明の隣に座るのだった。
なお、実際のラムダシステムに置いて最大の被害者はパラケルススだったりします。場合によっては孔明先生じゃなくたっていけますしね。まぁ、次点は孔明先生なんですけども。
珍しく男メンバーだけの回。そしてさりげない超レアキャラの花のお兄さん。最後に出たのいつです?
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ