「うおぉ……魔猪がぁ……ドラゴンがぁ……ハッ!」
目を覚ますと、眼前にはドラゴン――――ではなく、にっこりと微笑むエウリュアレがいた。
「おはようマスター。気分はどうかしら」
「女神の膝枕とか人類の夢ですよね。最高ですよ?」
「そう。それは良かったわ」
言いながらも、にっこりと笑ったままのエウリュアレ。
怒っているような気配を感じつつ、オオガミは、
「それにしても、なんか手慣れてきたね。膝枕」
「あら、床に落とされる方が好みかしら。じゃあ今すぐそうしてあげないとね」
「ごめんなさい許してください神様女神様エウリュアレ様!」
「ふふっ、冗談冗談。それで? いつまで私の膝枕を堪能するつもり?」
そう言って微笑むエウリュアレに、オオガミは真剣な顔で考え、
「……あと三日」
「バカ。明日には全員チェックアウトなんだから、出来ても今日一日だけよ。というか、そんなことしてたら私の食事をどうしてくれるわけ?」
「そういえばそうでした。食事大事。そろそろ起きます。あと五分」
「ズルズルと延ばしていくつもりじゃない」
「マシュに怒られるまではいけるな……」
「いかせないわよ落とされたいの?」
「後頭部強打はイヤだ……」
「じゃあそろそろ起きなさい」
「ぐぬぬ……おはようございます」
「はいおはよう。全く、心配する必要なんてどこにもないわよね」
「ランサーなドラゴンは相性悪すぎたので猛省してます」
起き上がり、素直に謝るオオガミ。エウリュアレはため息を吐くと、オオガミの頭を軽く小突き、
「全滅する前に撤退して。でないと次は四六時中アナに見張らせるわよ」
「それは……アナが可哀想なのでやめてあげて……」
「私もメルトもいるから交代はいくらでもできるわ。ともかく。見張られたくないのなら無茶しないこと。良いわね?」
「はい……」
深く頭を下げたオオガミは、ふと周囲を見渡すと、
「そういえば、メルトは?」
「今貴方たちを全滅させた魔獣を狩りにいってるわ。貴方がいなくともイアソンがいるから、多少なら大丈夫なはずよ」
「イアソン様はボロボロになってからが本番だからなぁ……」
「まぁ、誰が失敗してもメルトが倒すでしょ。セイバーじゃないんだし」
「……セイバー以外なら雑に勝てるメルトマジやばくね……?」
「そうしたのは貴方でしょ」
「これが過剰戦力か……」
「過剰でちょうど良いくらいよ。それくらい無いと、私のバカなマスターは死んでしまいそうだし?」
「……ご立腹ですね。反省します」
隠しているようで全く隠れていない言葉のトゲに、オオガミは正座をして謝る。今日だけで何度謝るのだろうかを思っていると、
「それじゃ、食事に行きましょう。それで私は許すわ」
「ご飯いただきます……」
「えぇ、さっさと立って行くわよ」
エウリュアレに手を引かれながら立ち上がり、二人は部屋を出るのだった。
最近エウリュアレ様がよく怒ってらっしゃるのですが。なんででしょ……まぁ可愛いのでよしとします。可愛いは正義。
そしてセイバー以外なら倒せるようになってしまった最強アルターエゴ(ランサー)なメルト。有効範囲はランサーの方が広く周回性能もランサーの方が高いけど最高火力は流石に負けないメルト。宝具レベル上がってくれメルト様。バレンタインはまだですか。
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ