「ん~っ、ふぅ。この施設もかなり良いところよね」
「えぇ、全くよ。ついこの間まで旅館に籠っていて、次はここ。最近休息続きじゃない?」
大きく伸びをして、スッキリした顔をしているエウリュアレと、どこか不満そうなラムダ。
それに対してエウリュアレはため息を吐くと、
「そもそも、今までずっと周回していたのがおかしいの。周回しすぎ。ずっとそんなことしてたら霊基もすり減るわよ」
「そんなものかしら」
「そんなものよ。疲れているとか、すり減っているとか、そういうのは本人が一番分かってないの。そして、貴女の場合、オオガミと同じで倒れかけるまで気付かせないくらい気を張ってるから尚更分からないの。分かったら休んで。良いわね?」
「むぅ……そこまで言われたら仕方ないわ。休息もスタァの仕事だもの。しっかり休んでくるわ」
「えぇ、行ってらっしゃい」
そう言って、エステに向かっていくラムダ。
それを見送ったエウリュアレは、大きくため息を吐くと、
「どうしてこう、仕事をしてないと死んじゃいそうなのしかいないのかしら……分からないわ。働かなくてはいけないのだとしても、死んでしまっては意味がないでしょうに……」
「そりゃあれだ。価値観の相違ってヤツだぜ女神サマ」
そう言って、エウリュアレの隣に立つアンリ。
エウリュアレは特に気にするでもなく、視線を向けないまま、
「それくらい私にも分かってるわ。だってほら、女神だし、そう言うのはたくさん見てきたもの。とても愚かに見えるけれどね」
「そりゃそうだけどよ? 例えばだ。楽しいことをしているだけで良いって言われたらどうする?」
「それは、まぁ、楽しむけれど……えぇ、貴方が言いたいことも分かるのだけど」
「ありゃ、この例え、鉄板過ぎた?」
「まぁ、そうね。でも、そもそもその例えは人間だからこそよ? だって私たちは女神だもの。死因は寿命じゃなくて他殺や自殺に限られる存在。最初から最後まで遊んできたのだから全く関係ないわ」
「あ~……そりゃ言っても意味ねぇわな。こりゃ失敬」
「別に構わないわよ。昔から私は、
そう言って、首を振るエウリュアレ。
アンリはそれを見てニヤリと笑うと、
「おぉ? 惚気かぁ?」
「バカ。そんなんじゃないわ。変なこと口走っちゃったし、もう寝るわ。オオガミが帰ってくるまで起こさないで」
「へいへい。マスターが起きてくるまで起こしませんよ~」
そう言って楽しそうに笑うアンリは、顔を赤くして去っていくエウリュアレを見送るのだった。
古戦場回りすぎて頭がおかしくなってしまった……なんでこんなこと書いてるんだろう……
まぁ、エウリュアレ様が楽しそうなので良し。
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ