「むぐむぐ……なんだか、ケーキを食べているだけで終わっちゃったみたい……私なにもしてないような……」
「そうねぇ……私もほとんど何もしてないし、休んでいるだけね」
アビゲイルとエウリュアレは、スイーツコーナーでそんなことを話しつつモグモグとケーキを食べていた。
エミヤ達が取り仕切っているのは伊達ではなく、いつもの何倍も豊富な種類のケーキを前にアビゲイルもエウリュアレも、とにかく全制覇しようとずっと食べていた。
「なんというか、いつもの持ったない精神が悪さをしてるみたいだし、気付いたらもうアルテミスタワーは攻略されているんだもの。ビックリだわ」
「あまりにやれることがなくて私の触手も暴れだしちゃうわ」
「それは流石に怒られるわよ……?」
「それくらい分かってるわ……でも、ダメってものほどやりたくなってしまうの……」
「分かる……分かるわ。私ももっとイタズラしたいもの」
「ではしましょう! エウリュアレさんもご一緒に!」
「えぇ、しましょう! 全力でイタズラを!」
そう言って手を取り合う二人。
その様子を遠くから見ていたアンリは、隣にいるロビンの袖を引くと、
「おいおい……なんかヤベェのが生まれそうな予感がするんだが」
「あん? 一体なんだってんですか……オレはBB以上のヤバイヤツとかなら遠慮したいんですが」
「いや、それはちょっと判断しづらいが……少なくとも廊下中にトラップとか、そういう感じのが出来そうな雰囲気だ」
「……罠解除とかさせられるのか。もしかして。マジで?」
「いや、可能性の話だし、今は罠をどうにかできるサーヴァントとかいるじゃねぇか」
「それはまぁそうだが……つか、誰が仕掛けるんだよ」
ロビンが聞くと、アンリは指を指しながら、
「あそこで怪しい雰囲気出してるエウリュアレとアビゲイル」
「……可愛げのあるトラップなら良いんだが」
「アビゲイルの発案の時点では安全で、エウリュアレによって可愛くなくなると見た」
「お前……マジで当たりそうな予想するなよ。事実になったらどうしてくれんだ」
「そんときは素直にバーサーカーで対処的解除で」
「それつまり、わざとかかって全部解除するってのか? 脳筋が過ぎねぇか?」
「時には思考放棄が正解の時もあるってことだ。出来るだけ頑丈なヤツに任せりゃ行けるだろ」
「……どうかねぇ……」
「流石にアイツらも即死トラップとかは設置しねぇだろ? なら行けるって。よゆーよゆー。まぁ、かかるのはオレじゃないけど」
「あの二人の人間基準がマスターなら、どうだろうなぁ……」
ロビンの呟きに、アンリは頬を引きつらせるのだった。
とりあえず聖杯貰ったので休憩! 後はのんびり消化して行くだけなので高レアだけで攻略しても良いかもしれない……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ