「はぁ……高レアは休みじゃなかったの? 普通に配達させられてるんだけど」
「でも、お姉ちゃんはオルタと居れて嬉しいですよ?」
「はいはいそうですね~」
「もぅ、大きい方の私はもう少し愛想よくしてください! 配達員として良くないと思います!」
「アンタも面倒臭いわね……というか、なんでこの三人なわけ? アイツ、今から行って燃やしてこようかしら」
邪ンヌは嫌そうな顔をしながら、二人に囲まれて荷物を運ぶ。
だが、事態が好転するわけでもなく、この状況を抜け出すにはさっさと終わらせるしかない。
なので、後ろをのんびり歩いているオオガミを睨みつけ、
「さっさと行くわよ駄目マスター! この編成にしたの許さないからね!?」
「おっと。わざとふざけた編成にしたのがばれてしまう……」
「最初っからばれてるわよ明らかにわざとでしょうが!」
「まぁ、うん。お姉ちゃんがね。うん」
「……洗脳、抜けてないの?」
「いや、こう、区別というか、そんな感じ」
「そう……ならいいけど、それが区別じゃなくて素になったら不味いと思うのだけど」
「まぁ、そうならないように気を付けてはいるよ?」
「ならいいわ。さ、これを持って」
「え、正気?」
荷物をオオガミに持たせ、身軽になって階段を駆け上がる邪ンヌ。
オオガミは苦笑いをすると、
「じゃあ邪ンヌ。お客様の説得、お願いね?」
「任せなさい。ササッと終わらせて帰るわよ」
「お姉ちゃんも手伝いますよ~」
「仕方ないので私も手伝います」
「二人とも一緒の配達員でしょうが。一緒にやるのは当然でしょ」
そう言って、一足先に部屋に向かう邪ンヌ。
それを見送ったオオガミ達は、
「オルタも、楽しそうですね。弟君もですか?」
「まぁ、一応。活き活きとしているのを見ると楽しいじゃん? そう言う事です」
「なるほど。まぁ、弟君がそういうならそう言う事に……って思いましたけど、そうですよね、はい。エウリュアレさんとメルトさんがいるからこれ以上は流石に不味いですものね……何よりもあの二人を相手にって時点で色々重い様な……」
「真面目な方の私もおかしくなっちゃいました?」
「サンタさん。それ以上は粉微塵にされちゃうからだ静かにしてようね」
「は、はい……確かにそんな感じはしますね……」
不穏な気配を感じつつ、静かになるジャンタ。
オオガミは苦笑いをすると、上の方から爆発音が聞こえる。
三人は硬直すると、
「じゃ、邪ンヌ!?」
「可愛い妹が!?」
「ダメな方の私が爆発……? まぁ、それもアリですね?」
「よろしくないと思いますがどうなんでしょうお姉ちゃん!」
「可愛いサンタな妹ちゃんは後でお説教です!」
そんなことを言いながら、三人は急いで階段を駆け上がっていくのだった。
実際は噛み合っていないので運用しないけど運用したい……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ