「よし。これでクレーマーは粉微塵……いや、静かになりましたね」
「どこも隠せてない。全く隠せてないわ。言っちゃってるもの」
時間をかけていたとはいえ、最終的に一切の容赦なく討伐されるクレーマー達。
そんなクレーマーに対して怒りを隠しきれてないオオガミに突っ込みを入れるエウリュアレ。
そんな二人を見て、カーマはため息を吐くと、
「目の前でいちゃつかれるとイラッとするんですけど。やめてくれません? そういうの」
「あら、嫉妬? でも残念。いちゃついてる訳じゃないわ。暴れだしそうなマスターを必死で抑えてるの。なんだかんだメルトをほとんど活躍させられなかったから」
「……実はかなり面倒な人ですね?」
「えぇ本当に。私のときはそういうのは無いのだけどね」
「……真偽はバラキーに確認します」
「本人談が信じられないってどうなってるのかしら……」
一切信用されていないらしいエウリュアレは、とても悲しそうな顔でカーマを見る。
だが、カーマがその程度で反応するはずもなく、むしろ冷めた目で見返す。
それに気付いたエウリュアレはため息を吐くと、
「バラキーはスイーツコーナーでずっと食べてるわ」
「ありがとうございます。ではこれで」
そう言って、スイーツコーナーに向かうカーマ。
それを見送ったエウリュアレは、
「グガランナMVPも、なんだか気難しそうね」
「エウリュアレと同じくらいチョロいんじゃない?」
「……えい」
「イッタイ小指がぁー!」
容赦なく踵でオオガミの小指を狙うエウリュアレ。
油断しているオオガミが避けるはずもなく、致命的なダメージを負って足を抑える。
そんなオオガミに、エウリュアレはニッコリと笑って、
「それじゃ、私たちも休みましょうか。エステは貴方に合わないわよね。トレーニング? 読書? それともスイーツ?」
「スイーツコーナーというよりも、普通にご飯が食べたい……」
「じゃあ、こっちね。ちゃんと歩けるかしら」
「歩ける。歩けるよ。大丈夫。そんな目を輝かせなくても歩くよ。むしろ歩かせて」
「そう……なら仕方ないわね。腕を出しなさい。もっと歩きづらくさせてあげるわ」
「くっ、どっちに転んでもダメだったか……!」
「あらあら。女神に抱き着かれるのがそんなに嫌かしら。仕方ないわね。アルテミスがオリオンにしたように、首に抱き着いてあげましょうか? 全力で」
「死んじゃう死んじゃう死んじゃいますから! 腕出しますから我慢してください!」
「ふふっ。最初からそうやって素直に差し出していれば良いのよ。じゃあ、行くわよ」
そう言って、オオガミの腕を抱きながらスイーツコーナーに併設されている食堂に引っ張っていくのだった。
これがカルデアのクレーマー対応力……! クレーマーが消滅すればクレーマーはいなくなるのです(暴論
それにしても、最近女神様二名が荒ぶっておられるのですが。いえまぁ、好きですけど。
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ