「さて。そんじゃあ、周回だな!」
「おかしいおかしい。休めって言っていたと思ったのだけど」
「誰かコイツ拘束しておいて! 周回はこの病人を始末してからよ!!」
一日の休憩を挟んだからか、意地でも周回に行こうとするオオガミを押さえ、絶対に行かせまいとするエウリュアレとメルト。
すると、二人の声を聞いてやってきたロビンが、
「よしよしマスター。とりあえずこっちなー」
「え、なんで真っ先に現れるのがロビンさんなの?」
「いや、たまたま通りかかっただけだって。アンリは真っ先に逃げたがな」
「流石最弱。危険な事に対して見抜く力は一流だね?」
「そうだな。それじゃ、そんな自覚ありなマスターに朗報だ。旅館でやったトランプ、あのメンバーに数名加えて大復活だ。さっさとやろうぜ」
「え、あ、強制? うん。その力の入れ具合は本気だね。なに? 二人に脅されてるの?」
「ふっ。勝てない喧嘩は売らない主義なんでな。殺されたくないんでさっさと行くぜ」
「は~い」
そう言って立ち去る二人。
そんな二人を見送ったエウリュアレとメルトは、異様にいい笑顔をしながら、
「大分、ふざけたことを言ってたわね」
「あの緑、後でお腹に膝ね」
「私も協力するわ。えぇ、遠慮なく」
そう言って、悪い笑顔を浮かべる二人。
だが、すぐにため息を吐くと、
「マスター、わりとワーカーホリックよね」
「そうね。破滅するのは構わないけど、どうせならこちらの手で破滅してほしいわね」
「えぇ。勝手に破滅されるのは面白くないもの。どうせなら私が引導を渡したいものね」
「……なんだかんだ、似た者同士なのかしらね。私たち」
「だからアイツと一緒にいるのかもしれないわね?」
「むしろ、それが主な原因の気もするわね」
ふふふ、あはは。と笑いあう二人。
だが、その目は笑っておらず、本気で思っているのか怪しい所だった。
「それで、周回はどうするつもり?」
「暇そうな人員を捕まえて行くわよ。塵が足りないって嘆いてたし、また北米かしらね」
「北米ね……前もシャーロットに向かってたし、大変そうね。人理最後のマスターって言うのも」
「全くよ。なんで私が指揮をとらなくちゃいけないのかしら。代わる?」
「遠慮しておくわ。指揮なんて、私には似合わないもの。私は舞うのであって、舞わせるのではないもの」
「そう、それは残念。じゃあ、行ってくるわ。貴女も休むでしょ?」
「いえ、一応ついて行くわ。貴女の指揮を見ているのも楽しそうだし」
「そう。勝手にしなさい」
そう言って、二人は暇人をかき集めて周回に向かうのだった。
どうしてオオガミ君はすぐに働こうとするの……
しかし、女神さまたちも大変だなぁ……周回代行とは……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ