「はぁ……なんというか、マスターも楽じゃなさそうですね」
「んあ? あぁ、うむ。最近はエウリュアレとメルトが上位だからな。吾近付きたくない」
「あっはは。そんなこと言われるとか、ヤバすぎません? いやまぁ、アレを見てる限り確かにそう思いますけど」
そう言って、もぐもぐとケーキを食べるバラキー。
カーマはため息を吐くと、
「バラキー、ずっと食べてますね。美味しいです?」
「ん。かなりうまい。カーマも食うか?」
「え、あ、じゃあ貰います」
そう言って、カーマは皿とフォークだけ持ってきて、バラキーからチーズケーキを一つ貰う。
バラキーにしては珍しいなと思いながら、
「機嫌良いですね。何かありました?」
「ん~……機嫌がいいと言うより、それはあまり得意じゃなかったというだけなのだが……」
「……押し付けられた感じですか」
「乗せ過ぎたというのもある」
「なるほど。てっきり全部食べられるものかと思ってましたけど、そうでもないんですね?」
「食べられるのと食べたいのは別だ。流石に飽きる……」
「あぁ、そうですね。飽きはいけないです。私たち神性持ちは信仰こそが力の源。飽きられたら終わりみたいなところありますしね。いや、燃やされるのを信仰されるとか嫌ですけど」
「吾、逃げたのと手を切り落とされたのが有名なのだが」
「……どっちも変わらないくらい酷いですね?」
そう言って、貰ったチーズケーキを食べるカーマ。
バラキーが言うようにやはり美味しいもので、市販のものと比べても遜色ないほどの物だった。
「ん~……コレ、誰が作ったんですっけ」
「メディアリリィっぽい菓子屋が作ったのと、厨房組が作っているのがある。それは厨房組」
「あぁ、なるほど……本当に異様にレベル高いですよね……」
「吾は美味ければソレで良いんだが……」
「……まぁ、そう言うものですよね。バラキーと話してると色々考えるのが面倒になるんですよね。というか、単純化しちゃうというか。ある意味猛毒ですね?」
「まぁ、吾は鬼だしな?」
「鬼は猛毒でしたか」
なるほどなるほど。と言って納得している様子のカーマ。
それを聞いたバラキーは少し不満そうに、
「それで納得されるのも、吾ちょっと不満なのだが……」
「自分で言っておいて不機嫌になられると私も困るんですけど……」
「こういうところも鬼らしいだろう?」
「いや、それって鬼らしいんですか?」
「それは……どうなのだろうな?」
「さては感覚だけで話してますね……?」
「ん、むぅ。最近、うまいものを食べると話を聞いてない気がしているのだが、どうやら事実のようだな……?」
「えぇ……まぁ、良いですけど。私もわりと適当な話しかしてないですしね」
そう言って、カーマは美味しそうに食べるバラキーを見ながら自分のチーズケーキを食べ進めるのだった。
この二人を書いていると、無限に駄弁ってるんですよねぇ……不思議……
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ