「さて。明日には帰るから、支度していかないとね」
「支度? なんかあったか?」
「レッツゴーラムダチャレンジ」
そう言って、立ち上がるオオガミ。
オオガミが十分すぎるほど勝ちまくったおかげで、アビゲイルは無数のジュースに囲まれ、楽しそうに『いけないわ……いけないわ……!』と言いながら美味しそうにジュースを飲んでいた。
「おいマスター。アビゲイルどうするんだよ。置いていく気か?」
「いや、その数は流石に持てないから。アビー。飲みきれなかったらマイルームに送っておいて」
「は~い。冷蔵庫の中にしまって置けば良いのよね」
「うん。よろしく~」
「いってらっしゃいマスター」
そう言って、パタパタと袖を揺らしながら手を振るアビゲイル。
そんな彼女を置いていかれた五人は、
「おい、ロビン。どうすんだこれ」
「どうするって……気にしなきゃ良いでしょうが」
「いや、気にするなって言っても、無理があるだろ。この男しかいないんだぞ? 気まずいだろ。俺たちが」
「お前がかよ」
こそこそとロビンに言うイアソン。
ロビンは呆れながらため息を吐き、
「アビゲイル。もう少しここにいるか?」
「いいえ? マスターがいないから、バラキーのところに遊びにいくわ。ジュースもいっぱい貰ったもの」
「なるほどな~……だそうだぜ?」
「くっ、俺が弱いのを喜ぶべきか、アイツが強いのを喜ぶべきか……!」
「いや、流石にそこまでは面倒見切れねぇよ」
悩むイアソンに、呆れたようにため息を吐くロビン。
すると、アビゲイル立ち上がり、
「それじゃあ、私は行くわね。皆さん、楽しんでいてね」
「え、あ、おぅ。あの鬼っ子によろしくな~」
「えぇ。ちゃんと伝えておくわ」
そう言って、手慣れた様子で門を出して消えていくアビゲイル。
それを見送った四人は、
「……あれ、誰かいなくねぇか?」
「……あ、えっと……アンリさんがよくわかんねぇ触手に引きずり込まれていったのが見えたんすけど……気のせいってことに出来ないですかね……」
「……いつも通りアビゲイルに捕まったわけか。いや、通りで静かなわけだ。いないんだもんな。簡単な話だわ」
「連れ去られるとかあるのかよ。怖いなカルデア!」
「俺座にかえって良いか? こんな危険地帯、指揮官のいるべきところじゃないだろ」
「恐ろしすぎるんすけど……俺も捕まるんすか……?」
「いや、あれはアンリが特殊なだけだから安心しろって。アイツだけ危険な目に遭うんだよ。理由は知らんけどな」
そう言って、首を振るロビンと、苦い顔をする三人なのだった。
最近アンリが平和でなんか悔しいのでとりあえず触手召喚で。南無三アンリ……
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ