「今日ものんびりしとったのぅ……」
「それ、私たちだけなんだけどね」
「……まぁ、儂ら以外……おらんしな」
正確には、真水・食糧組が全員休みなのだか、木の小屋にいるのはノッブとエウリュアレだけなのでいないようなものだった。
「……むむむ……取りにくいわ……」
「別に、無理をして箸を使う必要は無いんじゃよ?」
「馬鹿言わないでちょうだい。私だって、ちゃんとできるんだから……!!」
「……まぁ、エウリュアレがそれでいいならいいんじゃが……儂が取ってもいいんじゃぞ?」
「まだよ……まだ諦めないわ……!!」
「……かれこれ、二十分。大変じゃのう……」
ノッブはすでにほとんど食べ終わっており、エウリュアレは魚をほぐすのに熱中して途中から食べる事を忘れていた。
「後少し……後少しなのよ……!!」
「そうじゃな。そこまで行ったら、儂が手伝うのは野暮というものじゃ」
「ふふん。これで……終わりよ!」
ドヤ顔で魚をほぐし終わったエウリュアレは、少しの間達成感に満ち溢れた表情をした後、嬉しそうに魚を食べ――――
「……冷えてるわ……」
「まぁ、そうなるじゃろうと思っておった。新しいの、焼くか? そっちは儂が食べるぞ?」
「いいえ……流石にそこまではしないわよ。自分でやったんだもの。自分のくらい……ねぇ?」
「……そうじゃな。それが一番じゃ。というわけで、頑張るんじゃよ」
「えぇ、任せなさい。ちゃんと食べきってあげるわ」
「うむ。しっかり食べ切れたら、儂が後で何か作ってやるぞ」
「んっ。緑茶に合う和菓子が欲しいわ!」
「それは……ここで作れるかのぅ……探してみるか」
嬉々として残った料理を食べるエウリュアレ。
ノッブはそれを見つつ、何を作るかを考える。
そんなことをしていたら、突然扉が開いてナーサリーが飛び込んでくる。
「ノッブ!! 私のスイカは無いの!?」
「いきなり飛び込んできて何言っとるんじゃ……まぁ、スイカは余っておるし、何個か冷やしているが……食べたいのか?」
「えぇ!! って……エウリュアレがご飯を食べていたわ。なら、食べ終わるまで待っていなくちゃよね」
「
「おぅエウリュアレ。喋るか食べるか、どっちかにせい」
「はわわ……ノッブが珍しく怒っているわ……!!」
「んぐっ……そんなに怒らないでよ……仕方ないわ。黙って早く食べちゃいましょ」
「えぇ、待ってるわ!」
ニコニコしながらエウリュアレが食べ終わるのを待つナーサリー。
その後、エウリュアレが食べ終わったあたりでやってきて同じようにスイカが食べたいと言ってきた茨木は、ノッブと一緒にスイカを取りに行くのだった。
鉄材が集まらない……これはもう、林檎を使ってアップルパイを作るしか……!!(錯乱