「ふっ、種火周回強化期間……か。それはつまり、あのクハハ男と共に倒れ伏せということか」
「ふんっ、共犯者の言うことだ。本気で酷使するつもりだろう。証拠に、イベントで連れ回されているパラケルススと孔明、ネロがあの様だ」
「巌窟王? 変な不安を覚えさせないでよ?」
その声に反応し、反射的に巌窟王の後ろに隠れるスカディ。
避けられた声の主であるオオガミは、困ったような顔をしながら、
「いつもの周回が倍になっただけじゃない?」
「共犯者よ。少しは加減をしろ。オレは構わんが、ただスキルを使うだけと言っても苦ではある。編成を切り替えるか、報酬を上げろ。余裕があれば雑編成でも良いだろう。どうせ次も縛りなどと言って制限をするのだろう?」
「おっと。的確な突っ込み。一ミリも否定できないじゃないですか。流石共犯者」
「後半に関しては誰もは察しているだろうがな。それで、どうする?」
「ん~……まぁ、余裕があったら雑編成で。ふざけててもなんとかなるでしょ、たぶん」
「暇そうにしているマーリンを連れ回すのも良いと思うがな」
「ふむ。カレスコ周回も考えるべきか……確かにマーリンも最近暇なのか悪だくみし始めたし、考えられないくらいに駆使するのも大事か……」
そう言って、真剣な顔をして考えるオオガミ。
巌窟王は深いため息を吐き、
「誰もそこまでしろと言っては無いがな。程々だ」
「うん。程々に動けなくなるまでね」
「ふむ。クハハ男。これは私の頭が悪いのか? 全く伝わっているように見えないのだが」
「クハハ男ではない。これは『伝わってはいるがそれはそれとして奴に恨みを晴らしておこう』という意味だ。つまりマーリンは自業自得という事だな」
「なるほど。とても分かりやすい解説だな。うむ。これからも解説が欲しい時には頼るとしよう」
「解説役ではない。勝手に頼るな」
「ふふっ、そうは言っても解説してくれるのだろう?」
「…………」
「巌窟王、そこで静かになると裏目だと思うよ?」
「……後は任せたぞ」
「あ、逃げた」
先にシミュレーションルームに向かったのだろう巌窟王に、スカディは、
「存外、照れるのだな。もっと堅物かと思っていたのだが」
「スカディ様がアイスにドハマりしてるくらい意外ですよねぇ」
「……それは、あれか。私がアイスを食べているのは不自然という事か」
「いえ、そう言うわけではなく。とりあえず、周回終わったらチョコレートアイスでも食べます?」
「むっ。それはパフェか? エウリュアレにオススメされるが、一度も食べたことなくてな……気になるのだが……」
「なんてオススメを……まぁ、良いですけど。作るのもそんな苦じゃないですし」
「うむ。では楽しみにしていよう」
そう言って、二人はシミュレーションルームに向かうのだった。
雑周回、楽しいけど時間かかるのが問題ですよねぇ……特に種火周回強化期間とか、周回数凄いですし……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ